中国武術では師の打突を受けることで教えの世界に参入するという危ない儀礼のようなものがあります。
私はこれを中国武術の師から受け、数秒間心肺停止になり、そこから蘇生することで異常に身体機能が上がった経験があります。
これを受けてから身体のセンサー機能が高まったせいか、誰から電話が来るかハッキリわかったり、死に近い人がわかったり、どこに手技を施せば状態がすぐ変わるかわかったり、話した人が異界の存在だったり、という状態が半年ほど続きました。
異界の存在とのやり取りはこんな感じでした。
7月の早朝、代々木公園の噴水近くのベンチに座っていると、隣に30代前半と思われる男性が座り話しかけてきました。
「お兄さんどんな仕事してるの?」
私「施術の仕事をしています」
「病気を治すっていうこと?」
私「よくなる手助けをしてます」
「こーいう時ってどうする?」
この男性がパンパンっと手を叩くと、近くを歩いていたおじいさんが倒れていました。
えっ!?っと思いおじいさんの元にかけ寄ると、この男性はすごく低い声で、
「どうすればいいかなぁ?」
と言って姿を歪ませて空間に消えました。
男性が手を叩いたからおじいさんが倒れたのか、倒れたおじいさんを見て手を叩いたのか今だにわかりませんが、空間に消えたのは今思い出しても本当にあったことなのかどうか曖昧な感覚です。
この後は救急車を呼んで中々救急車が来なかったり、救急者が来た後は家族の方が中々つかまらなかったりと大変でした。
おじいさんは幸いなことに軽い熱中症ですぐ帰宅できました。
その後も姿を歪ませて空間に消える人を何度か見ました。