話が長くなるからということで、場所は近くのカフェに移りました。
話していると、気功師の先生はなんと85歳だと判明しました。
どう見ても50代にしか見えないのです。
非常に若々しいのです。
「私は台湾で生まれ育った。小さい頃大病して、15歳までかなり病弱だった。親が気功や武術の達人と知り合いで、この達人が私の最初の師となり、毎日早朝、夜鍛錬に必死に通った。
鍛錬を続けるうちに身体が変わっていく実感があり、自分の身体を自分で治癒する術を覚えた。
30歳になり、師はもう教えることはないし自分で鍛錬を続けるだけだと言い、それから1ヶ月しないうちに師はオーストラリアに移った。オーストラリアに彼女がいたからか、弟子が沢山いたからかふらっと移住した。」
「私は20歳から治療をしつつ、結局意識から変わらなければ人は健康になれないと思った。
色んな人に会ったが、私が道教の真髄を教えてくれる師に会ったのは、気功の師がオーストラリアに移ってから半年ほどだった。」
「私が道教の師と会ったのは、どんな病も治してしまう道士が私の住んでいた街の郊外にいると聞いからだった。
私の家から車で20分ほどの道院に師はいた。
生まれつき目が見えない子供
末期癌患者
麻痺で車椅子の老人
色んな人が治療を受けにきていた。
驚いたのは、師の治療が終わるとみんな生き生きとしていたことだ。
どんな病の人でも、師の治療が終わると変化を感じているようだった。
師はさっき私がやっていたように、経文をあげながら手を振ったり、歩いたりするくらいで治療をしていた。
生まれつき目が見えない男の子は、経文をあげながら師が目の前で特定の手の動きをすると、目を閉じていて色んな光が見えてきたという。
光が感知できるようになったのだ。
1ヶ月後、この子は目が見えるようになった。
末期癌患者は、治療前は顔が土気色で生気がなかった。
経文をあげながら師が何箇所か体の前で手を動かすと前のめりに身体を動かし、顔は血色がよくなっていた。
この人は3ヶ月持たないと言われてから3年後、ぴんぴんしていた。別人になっていた。
車椅子の麻痺患者はさっき私がやったように、車椅子から立って歩き始めた。
私は、師がやっていることが奇跡にしか見えなかった。興奮した私は、治療が終わった師に何をしているのか聞きにいった。」