まだ新潟のZー1やjunkboxに出てた頃、対バンで1人の陽気な関西の弾き語りのおっちゃんと一緒になった事がある。





麦わらをかぶった山下清みたいなおっちゃんだった。




いろんなジャンルのバンドが対バンするなかで逆に何だか一際目立っていた。





楽屋で挨拶した後に気になったので軽く会話してみると好きな音楽を傍らに全国を廻っている途中だと言う。





気になったのでメンバーのギターを連れて客席に回り演奏を見る事にした。





始まるやいなやその陽気な性格そのままに客席が笑いに包まれた。




楽しくアコギをかき鳴らし楽しい曲、はたまた寂しい曲、終始ステージは和やかだった。





感動したのは言うまでもなく、年季がなければもちろんあんなステージにはできるはずもなく、そういう表現の仕方自体見た事もなかったので、演奏が終わってから楽屋に戻り、見たままの感想を伝えた。






するとおっちゃんは屈託のない笑顔で
「1人でもそう思ってもらえる事が幸せなんです。何もない私にできる事はこれだけですから。」





明らかに意味深な言葉であると同時に感動した。






純粋な「優しさ」なんだと思った。





しばらく話してからぜひ打ち上げ一緒にと誘ったものの、次に出発するため急ぐという。






最後に
「あなたはきっと優しい人なん思います。音楽はやっぱり素晴らしい。引き合わせてくれる。またいつかどこかで一緒に演れたらと思います。」とがっちり握手して去っていった。







その時俺の中で音楽は更に特別なものになった。







たまに駅なんかでストリートや弾き語りを見かけると俺は自然と聞くようにしている。








ああいう雰囲気大好きなんだよな。







すごく「人間」を感じる。







あのおっちゃんは今もアコギを片手に感動を与えているんだろな。







「夜明け前1人で高速を走った

過ぎゆく景色、季節、思い、憤りすべてを超えてみたくて


賽を振る時は訪れ人生の岐路に佇む

今いる自分を支えてくれた人
この歌が聞こえてるだろうか


祈るような毎日の中でもっと強く生きてゆけと


少しだけ弱気な自分を励ます
もう戻れぬあの日の空


人の優しさに触れた時なぜか思い出す事がある


初めて1人歩き出した幼い僕をみつめるその愛」



GLAYのpure Soulでした☆