
中国の火星探査機「天問1号(Tianwen-1)」が日、火星の周回軌道に
無事到達したと、国営メディアが報じた。同国の野心的な宇宙計画が、
また一歩前へ進んだ形だ。
国営新華社通信は「中国の天問1号は、地球からの7か月近い旅を経て、
10日に火星の周回軌道に無事入った」と伝えた。同機は昨年7月、
同国南部から打ち上げられていた。(AFP)
今回はこういうお題でいきます。科学ニュースから、天文学、
宇宙生物学的な内容になります。自分は占星術をやっていて、
宇宙関係のニュースはつねにチェックをかかしませんが、
この手の話題が苦手な方は、スルーされてください。
さて、「ハビタブルゾーン Habitable zone」という言葉があります。
当ブログでも何度か取り上げてきましたが、「生命居住可能領域」と
翻訳され、「恒星の周辺において、十分な大気圧がある環境下で、
惑星の表面に液体の水が存在できる範囲」という意味で使われます。
つまり、ハビタブルゾーン内には地球型の生命が存在するかもしれない。
中国、天問1号による火星画像

ここで、地球型の生命という部分に注意してください。地球生命、
例えば人間は、体の60%が水分とも言われます。また、
地球生命は原始の海の中で発生し、進化して陸上にも上がってきた。
ですから、水は絶対に必要なわけですが、他の星には、水分を
必要としない、非地球型の生命がいる可能性は否定できません。
窒素やメタンを利用する生命体、あるいはSFチックですが、
体がケイ素である岩石生命体などがいるのかも。さて、
ある惑星に液体の水が存在するための条件は、大きく2つあると
考えられます。一つは、その系の恒星からの距離。

この意味はおわかりでしょう。単純な話、地球がもし、もっと太陽に
近ければ、表面温度が上がり、液体の水は蒸発してしまいますよね。
今よりもほんの数%、距離が太陽に近いだけで、少しずつ
海水が蒸発して、最終的に海は消滅してしまいます。
逆に、もし10%ほど太陽から遠ければ、海は完全に凍りついて
しまいます。表面だけならまだしも、全部が氷の中で生命が
存在できるとは考えにくいですよね。偶然だと思いますが、
地球は生命が発生し進化していけるちょうどいい距離、
太陽から離れているということになります。

次、2つめの条件はおわかりでしょうか。その星の大きさ(質量)
です。これは重力の大きさと言い換えてもいいでしょう。
例えば火星ですが、太陽からの距離的には、ハビタブルゾーン
ぎりぎりのところにある星です。
ですが、質量が地球の10分の1程度でしかないため、重力が弱く、
大気を保持することが難しいんです。きわめて薄い大気しか
ありません。大気が薄い=気圧が低い ということになりますが、
気圧が低いほど液体の沸点が下がるのはご承知でしょう。
例えば、富士山頂の気圧は気圧は630hPa程度で、地上の約6割。
気圧と沸点の関係

それだと、水の沸点は90℃ほどになります。ですから、
富士山頂に電気窯を持っていってお米を炊いても、
芯の残ったものができあがってしまいます。かつて、火星には
海があったと考える研究者は多いですが、この低い気圧により
蒸発してしまったと見ています。
さらに、大気がないと、有害な紫外線や宇宙線の類が地表に
直接降り注ぎ、大きなダメージを与えます。火星への植民計画も
ありますが、紫外線はともかく、宇宙線対策は難しいんですよね。
逆に、地球の内側の星はどうかというと、金星は大きさは
地球とほぼ同じですが、太陽からの熱量、光量が大きく、
エンケラドス

二酸化炭素を主成分とする厚い大気で、もうれつな温室効果を
起こしており、地表面は400℃にも達するとみられています。
当然、液体の水は存在できません。ですから、もし火星に生命が
存在するなら地下、金星だったら温度が下がる二酸化炭素の
雲の中だろうと考えられます。
厳しいですね。太陽系には地球以外に生命がいないのか。
最近は、金星、火星以外に生命の存在を探ろうとする流れが
出てきています。でも、太陽に一番近い水星は論外です。むしろ
遠いほうの、木星や土星の衛星が候補にあがってきてるんです。
エウロパ

これらの星は超低温であるのは間違いないんですが、惑星から
強い潮汐力を受けています。地球でも、月があるため、
月に近い面と遠い面では重力の大きさが違い、わずかですが地球を
変形させています(これは月側から見ても同じ)。
で、巨大質量を持った木星や土星の衛星は、強い潮汐力を受けて
氷が砕かれ、液体の水が存在する可能性があるんですね。
木星から内側2番めの軌道にある衛星エウロパは、
表面の氷の層が数km、その下には数十kmの液体の海が
あるのではないかと考えられます。
一見、地球にそっくりなタイタン

また、土星の衛星も注目の的で、月の7分の1と小さい、
エンケラドスという衛星では、土星探査機カッシーニにより、
氷のすき間から水が吹き出しているのが観測されました。また、
最大の衛星タイタンには、液体メタンの河や湖があるようです。
メタンの沸点は-160℃ほどですね。もしかしたらそこには、
非地球型のメタン生物が・・・
さてさて、ということで、ハビタブルゾーンの話から始まり
ましたが、それを外れたところにも生命の可能性があります。
無理くりという気もしないわけではありませんが、最近の
宇宙生物学では、そういったことも研究されてるんです。
では、今回はこのへんで。