今回も、どちらかといえば超能力系のお話です。
まず、「虫の知らせ」という言葉の意味ですが、
一般的には、「悪いことが起きる予感がすること」というようなものです。
では、ここにいう「虫」って何でしょうか?
これは諸説あるんですが、中国由来の「三尸(さんし)」
から来ているとする説があります。
道教に由来する、人間の体内にいると考えられていた虫で、
60日に一度めぐってくる「庚申(こうしん)」の日に眠ると、
この三尸が人間の体から抜け出し天帝にその宿主の罪悪を告げ、
その人間の寿命を縮めると言い伝えられていました。
そのため、庚申の日には、寝ないで一晩中酒宴をしたり、
あるいはお経を読んで過ごすなどのことが、江戸時代には広く行われて
いました。三尸については、下の記事に詳しく書いてあります。
三尸
また、上記の三尸とは関係なく、日本にはもともと、人間の体内に
虫が住んでいる、とする発想があったという説もあります。
やはり江戸時代には、人間の体には9匹の虫が、
それぞれ臓器ごとに分かれて住んでいたという話があるんです。
汚い話ですみませんが、衛生環境のよくなかった時代には、人間の体から
出た蟯虫や回虫などの寄生虫を目にすることは珍しくなかったでしょうし、
こういう考えがあっても不思議ではありませんよね。「腹の虫がおさまらない」
などという慣用句の虫も、「虫の知らせ」の虫と同じものなのかもしれません。
さて、虫の知らせには大きく分けて2つのパターンがあるようです。
一つは、下記の体験談にあるように、肉親や知人の死を予感するケースです。
「私の大好きな叔母は九州に、私は遠く離れた神奈川県に住んでいました。
ある時、なぜか急に会いたくなり、
せめて声だけでも聞きたいという思いに突然駆られました。
が、あいにくタイミングがなく、そのまま電話できず数日経ったとき、
叔母の訃報が入りました。あれは、絶対に虫の知らせだったと思います。」
こういうのが典型的なケースなんですが、オカルト的には、
これが起きる原因として、さらに3つのことが考えられています。
① 体験者の予知能力(第六感、千里眼などともいいます)
によって叔母の死を知った。
② 叔母の霊魂が体を抜け出して遠距離を飛び、体験者に知らせた。
(または叔母が超能力のテレパシーで知らせた。)
③ 体験者の守護霊が、叔母の死を知らせてくれた。
①②は昔から言われているもので、①は体験者の能力、②は亡くなった人の
能力なのですが、どちらでも解釈できるようなケースが多いですね。
③は最近、スピリチュアルで言われることが増えてきています。
また、虫の知らせ自体が、「嫌な予感がした、胸騒ぎがした」程度の
心理的な場合と、物理的な現象をともなう場合とがあるようです。
物理的な現象には、「家族の写真を入れている写真立てが急に倒れた直後、
おばあちゃんが亡くなったという知らせの電話が入った」
「玄関のチャイムが鳴ったが、行っても誰もいなかった」
「急に家族全員の肩がズーンと重くなった」
「ペットの犬が天井の一角に向かってほえた」などといった話があります。
次、2つ目は、事故などの予兆を感じ取って回避するケースです。
この話などが典型的でしょう。
「父は退職が決まっており、残務整理に大手町まで千代田線を
使って通勤していました。あの日、いつものように起きた父を母が、
「もう、残務整理も終わってるんでしょ?
あと1週間だけど、もう行かなくても良いんじゃない?
行ってもすることがないんじゃ、邪魔なだけよ。」父もその日は
素直に「そうだな」と、その後2人でめずらしく2度寝したそうです。
そして、事件のことは何も知らずに昼頃起きてお茶を飲んでいる所に、
私から「お父さんは!!今日会社??えっ?!家に居る!本当?!」
という電話。そこでTVをつけて大事故のことを知ったそうです。
事件のあった時間、車両、路線は正にいつもの父の通勤経路。父母ともに、
「何故あの日は2度寝をしたのか未だにわからない」と話しています。」
この場合は、亡くなった人が知らせるということはないですから、
上の①か③が原因ということになるのかもしれません。
また、虫の知らせは悪いことだけともかぎらないようです。例えば、
「ふだんは宝くじなんて買ったことがないのに、
その日はたまたま売り場の前を通りかかったら、
なぜかどうしても買わなくちゃいけないような気持ちになり、
10枚だけ買ってみたら、高額賞金が当たった」みたいなケースもあります。
こういうのはやはり、守護霊様のお導きなんでしょうかねえ?
さてさて、虫の知らせは実際にあるのか、それともないのか、
なんとも言えないところですが、一つの虫の知らせの裏には、
膨大な数の空振りしたケースがあると思うんです。空振りというのは、
「嫌な予感、胸騒ぎがした → でも何も起こらなかった」
「写真立てが倒れた → でも何も起きなかった」
「当たりそうな予感がして宝くじを買った → すべて外れだった」
というような場合のことですが、これらのケースは
すぐに忘れ去られてしまいます。
当たったケースだけが話として世間に広まっていくわけですね。
下の過去記事は今回の記事と内容がかぶりますが、
虫の知らせに関するユニークな計算式を載せてありますので、
ごらんになっていただけたら幸いです。では、今回はこのへんで。