​​​本当に出席することになった懇親会。

他の店舗から”パート歴20年越え”というベテランが来ている中、一年未満の新人が放り込まれるという悲劇。

しかも、誰の差し向けか、私の目の前に社長の席が設けられていた。

震える手でビールを注ぐも、社長の手にビールをこぼすという失態。

そんなことはお構いなしといった社長と二言三言交わすうち、話題は店舗の改善課題に。

すると、社長の顔つきが変わり、胸のポケットから紙を取り出して私の言葉を書き留め始め、近くにいた社員に声をかけて「ちゃんと聞いといて」と私を指さした。

慌てて社長の横に座った社員がメモを取り始めると、社長はすっと他のテーブルへ移動していった。

その社員とは店で会ったことがあったので、つい緊張が緩んでしまい、日ごろ感じていることを思いつくままに喋り倒す新人。

すると、



「貴重な意見だと思うから、店長に伝えといてもらえる?こっちからもあなたの提案を吸い上げるようにプッシュするから」




まずはあの店長が、ちゃんと本社に伝えてくれるかが一番の課題。