涼しい話3
書くのを忘れましたが、この時スキー場は開発途中でオープンはしておらず、僕はまだ入社して1年経たない19歳。僕ら2人は、雪崩のデブリトップまで下りる。やっぱり先輩2人はいない、確実に埋まってる。本部に無線で報告をする。「2人が雪崩に埋まったみたいです・・・」まだ信じられないみたいで、こんな報告をしたような気がする。僕ら2人しかいない、とにかくビーコンを使って捜索を開始する。僕はビーコントレーニングを少ししている。相棒はトレーニングした事無かったんじゃないかな。2手に分かれて僕はデブリトップから、相棒はデブリの一番下から捜索を開始した。ビーコンがいつまでも電波をキャッチしてくれない、焦る。やっとキャッチしたと思ったら2人埋まっているので、両方の電波をキャッチして、なかなか思い通りに行かない、時間はどんどん経過する。埋没してからの生存率は、15分で93%。そこからいっきに生存率は下がってしまう。なのでリミットは15分。じゃあ15分以内に探せばいいんでしょ。いやいや、場所を特定したらスコップで掘らなくてはダメ。雪崩発生後すぐにビーコンサーチを開始できれば、サーチで5分以内、掘り出しで10分ってところでしょうか。で、この時はどうだったのか。1人目が発見されたのは約15分。顔を掘り出し意識の確認をする。意識あり!!この時点でようやく数名のヘルプがやってきた。1人は圧雪車で斜面トップギリギリまで乗りつけ、斜面をスコップ持ってダッシュしてきた。2次災害の可能性があるとっても危険な行為なんだけど、その時は必死だった。2人目が大変だった、深い所に埋まっていたって事もあって、ビーコンのレンジを絞り込むことが出来なかった。それと、ヘルプに来ていた人達にかなりあおられた・・・。「まだか!」「まだ見つからないのか!」「早くしろっ!」これかなりのプレッシャーだった・・・。ビーコンを10メートルレンジまで絞込み、範囲を決めて、「じゃあこの範囲をとにかく掘り下がってください」とお願いした。この間に僕はプロービングをしてやっと発見。(プローブまたはゾンデ棒、折りたためて携帯できる長い棒、雪面に刺し遭難者を探す)叫び声が聞こえた、生きていた。3メートル位深い所に埋まっていて、約25分~30分埋まっていたと思う。レスキュー終了。道具の片付けをしていると、自分のスキーが無い事に気が付く、斜面をずうっと見上げるとデブリトップに刺してあった。(道具は置いてきちゃダメですよ)はぁもう取りに行く力は無い・・・。2人はボートに乗せられそのまま病院へ。病院で検査をする、特に問題ないが、2人とも強烈な全身筋肉痛との事。数日間入院する事になった。つづく