最近、複数の訪問先があるとき、歩いて移動することがある。
つい先日のこと。
午後、丸の内で打ち合わせを終え、かなり遅めの昼食をとり、満腹になったところで、次の訪問先である永田町まで歩くことにした。
「ま、皇居をグルっと行けばいいでしょ」なぁんてイメージしながら、丸の内サンケイビルから皇居方面へ歩を進める。
将門塚を通り、三井物産本社を右に曲がる。東京消防庁、気象庁、国際協力銀行、丸紅、毎日新聞社のあるパレスサイドビル・・・
パレスサイドビルを越えると目に入ってくるのは、東京国立近代美術館、国立公文書館と、公共の建造物が多くなってくる。
北の丸公園入口に着くと、はてさて、公園に入って日本武道館方面に抜けるか、真っ直ぐ行ってみるか迷った。
「武道館は九段下だから半蔵門じゃないなぁ・・・」ただそう思って、公園に入らず、真っ直ぐ歩いてみることにした。
緑の匂いの中、やがて見えてきたのが欧風の歴史的な建造物。
東京に38年も住んでいて、一度も見たことがない建物がそこにあった。
なんだろ?初めて見る建物だなぁ。
この建造物は東京国立近代美術館工芸館で、旧近衛師団司令部庁舎を改修して使用されており、館全体が重要文化財に指定されているんだそうだ。
見下ろすと首都高の車の波が目に入ってくるが、建物の周りは緑に囲まれ、静寂に包まれている。
いい場所だ、スケッチをする若者がいるのもうなづける。
しばらく佇み、歩を先に進めようとすると・・・この先、道らしき道がない。どうやら首都高の上を抜けて、皇居の周りの道に出るしかないようだ。
緑の木々のトンネルが続く代官町通りをしばらく歩き(これがやや勾配があってきつかった)、ようやく千鳥ヶ淵交差点に出た。
迷った。右か、左か・・・丸の内にいるときは「皇居を歩くとやがて国会議事堂が見えて、そこから自民党本部へ・・・」なんて漠とイメージしていたのだが、全く違ったようだ。
お客様のオフィスへは永田町からだけでなく、半蔵門からも行けるらしい。同行していた後輩がそう言っていた。
半蔵門といえば、TOKYO FMやワコールがあるところだ。確か近くに最高裁もあるんじゃなかったっけ・・・
左の遠方に最高裁らしき建物が見えた。
じゃ左に行ってみよう!
交差点の信号待ちでバイクに乗りながら谷村新司の歌を大声で歌ってる人がいたのに少々驚きつつ、内堀通り沿いに歩く。
なにやら、大使館のような佇まいの建物が見えてきた。これは英国大使館。華美すぎず、いかにも英国風の瀟洒な建物が素晴らしい。
ローバーの高級車が出入りしていた。威風堂々がBGMで流れてくるかのような雰囲気だった。
大使館の隣は福岡会館。そしてTOKYO FMやワコールも近づいてきた。ようやく半蔵門。
そこからお客様のオフィスまで、また曖昧な記憶に頼るしかなかった。
国立劇場を過ぎ、あぁこんな雰囲気のところだったなぁと、あたりをしばらく歩くと、あった!
ようやく次のお客様に到着。
東京を少し歩いてみるだけで新しい発見がたくさん。
都会散歩オススメです。