公開初日、初回で観てきました。
ネタバレなしで感想を書きたいと思いますが、どの層に配慮するかによって、書ける範囲が異なってくるので悩ましいところ。
「原作未読・テレビアニメ視聴済み」と「原作既読」では、当然、違いますからね。
特に〝狛犬〟に関することは。
一応、前者に配慮して書くことにします。
しかし、ネタバレなしと銘打ちはしましたが、隠語のような表現でほのめかすことはします。
すでに〝狛犬〟と書きました。こんな感じ。
勘のいい方にはネタバレになってしまうかもしれませんが、ご容赦ください。
煉獄さんカッコいい! とか、禰豆子かわいい! みたいな直情的な感想は、私に求められていない気がするんですよ。
なので、いつものように、理屈っぽい調子で綴ります。
花子が可愛かったんじゃ!!
竈門家の中で私の最推しは花子ですよ。これぞ妹キャラ。
大好きなお兄ちゃん(炭治郎)のたくあんを取ろうとする竹雄に怒る花子が最高に可愛かったんじゃ!!
炭治郎に成り代わってずっとあの夢の中にいたいんじゃ!!
――ハッ!
つい興奮してしまいました。
では、ここから先は冷静に行きます。
鑑賞するにあたり、私が確認したいと思っていたことは二点ありました。
一つ目は、劇場版は、話をどこから始めて、どこで終わらすのか。
テレビの最終話では、すでに「無限列車編(原作)」の冒頭に踏み込んでいます。そこからリピートするのか?
また、煉獄家の訪問まで描くと、クライマックスからラストまで間延びしますし、終わりが鋼鐵塚さんのギャグになってしまいます。
さすがにそうはしないだろうと思いましたが、すると、どこで終わらすのか、話の区切りが難しくなります。
劇場版では、どう締め括るのか、興味津々でした。
二つ目は、ナレーションによる説明(原作)を、どう処理するのか。
魘夢の作り出す夢の領域と無意識との関係や、結核の青年が「光る小人」を連れ帰ったことなど、少しこみいった設定を、原作ではナレーションを使って説明しています。
劇場版は、テレビ版同様、ナレーションカットの方針で制作されるでしょうから、ナレーションに頼らずに、この少しややこしい説明を視聴者に伝えねばなりません。
どうするのか?
脚本家の腕の見せどころです。
一つ目に関して。
ネタバレなしなので、具体的に書きませんが、アニメオリジナルのシーンを追加することにより、冒頭とラストが呼応する構成にして、上手くまとめていました。
感心しました。
二つ目に関して。
やはりナレーションは使用されませんでした。
説明係は、ナレーションではなく、キャラが務めたので、若干、説明台詞が増えたのは否めませんが、まったく気にならないレベル。
特に、結核の青年に関しては、原作が「説明」で処理したことを「描写」に変換しており、それでいて、ちゃんとエッセンスが伝わったので、感心しました。
アニオリ追加も含めて、やっぱり、ufotable の構成力は高いと再認識しました。
あとは適当に思ったことを書きます。
触手が増量されており、いい感じにキモかったです。ufotable なら、だろうな、という感じ。
善逸の無意識領域が完全にホラー。伊之助のもなかなかでしたが、善逸の方が怖いかな。
鬼頭さんにまともな台詞があってよかったです。テレビ版26話すべてを足した分より多く、まともな人語を喋ったんじゃないかな。
汽車の車輛内という限定された空間で、迫力のあるアクションシーンを作るのは難しいのではないかと懸念しておりましたが、杞憂でした。煉獄さんのスピード感が素晴らしい。
あと、これから鑑賞する方は、テレビ版第1話の雪山のシーンを復習しておくことをお奨めします。
さて、ここからは、〝狛犬〟について、少しだけ言及します。
なるだけ意味不明になるように書きますが、意味が分かっちゃったら、ネタバレになるので、そうなったらゴメンナサイ。
突如フリーダムが舞い降りたと思ったら、中の人はアスランだったよ!
ハイマット・フルバーストの描く雪の結晶が美しかった!
これを観たかったんだ!!
気が済んだので、この話はおしまい。
上映開始40分前に劇場に着きましたが、物販コーナーはすでに長蛇の列。
レジ待ちの列じゃないんですよ。
物販コーナーに入るための列。
見た瞬間に諦めました。
なので、パンフレットなどは買っておりません。
それどころか、どんなグッズが売っていたか、見てもおりません。
あ、もちろん、入場者特典の「煉獄零巻」はゲットしました。私が開場一番乗りでした。
鑑賞後、書店に寄って、ノベライズを2冊購入して帰宅しました。
○ 煉獄零巻
○ ノベライズ(矢島綾:著)
○ ノベライズ(松田朱夏:著)
表紙! 全部同じ絵を使うんじゃない!
買うとき少し混乱しましたよ。マジで。
ノベライズの中身について少々。
これは、どちらも、劇場版「無限列車」を小説化したものです。
すなわち、原作にはない、アニオリシーンが入っています。
原作(吾峠呼世晴) → 映画化(ufotable) → 小説化(矢島綾・松田朱夏)
という三次創作です。
同人誌などを指す「二次創作」とは違う意味で「三次創作」という言葉を使用しております。斟酌してください。
内容は一緒でも、著者が別なので、文章は当然、別物です。
序章を一読して、両者の筆力に歴然たる差があることがわかってしまいました。
また、普段は絶対にしないのですが、ラストページを先に読んでしまいました。
ラストシーンは映画と同じでしたが、その解釈は、両者で異なりました。
どう違うか、読み較べて見るのも一興でしょう。
私の中では、次のような分類が出来ております。
○ 「描写文」で語る作家:吾峠呼世晴 松田朱夏
○ 「説明文」で語る作家:平野稜二 矢島綾
「描写」と「説明」の違いを知りたい方は、2冊のノベライズを比較するとよいでしょう。