◇第166話◇ 本心  【鬼滅の刃・感想】 | 物語の面白さを考えるブログ

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黒死牟は、無一郎くんを柱に串刺しにしたあと、切断した腕の止血をしてあげます。

子孫だから、特別扱い。

そんな黒死牟を、物陰から狙撃しようとする玄弥。

でも、黒死牟は気付いていて、一瞬で背後に回り込み、左右の腕と胴を切断。

鬼喰いをする鬼モドキの鬼狩りなど、生かしておく理由がないので、容赦なし。

 

黒死牟の敗因は、この二人に確実にトドメを刺さなかったこと。

余裕で勝っていたのにね。画竜点睛を欠くとはこのことよ。

無一郎くんを生かしておいた理由は明言されています。子孫だから。戦力補充のため。

でも、玄弥の場合は―― トドメを刺し損ねたのは、喋りすぎが原因。

手抜きはしていないけれど、ちょっと仕事が遅いわな。

仕事を完遂してからお喋りしろや。仕事中にくっちゃべるヤツは、やっぱりダメだな。

それにしても、黒死牟がここまでお喋りなキャラだとは思いませんでした。「上弦集結」を読んだ時点では、黙々と仕事をこなすイメージだったのですけど。

 

玄弥のピンチに、ヒーローのごとく現れたのは、風柱・不死川実弥!

頼りになる兄ちゃん登場! って感じだ。

兄弟の会話から、実弥の本心が判明。

弟には、平和に幸せに暮らしてほしかった。だから、鬼殺隊を辞めるように、わざと冷たく接していた。―― これは、大方の予想どおり。

だけど、この予想を全面的に支持することに、一抹のためらいを持たせたのが、柱稽古のとき、玄弥の目を本気で潰しにかかったこと。盲目にしておいて平和に暮らせもないもんだ。それとも、鬼喰いしていると聞いた直後の行動だから、目ぐらい潰さんと、鬼を喰ってまで戦うこいつは、隊を辞めないと思ったのか。鬼喰いできる体質なら、目を潰しても回復することまで計算済みの行動だったのか。真相は、何度読み返してもわかりません。

 

「兄弟で……鬼狩りとは……懐かしや……」

 

ほぉらまた! 黒死牟のおっちゃん、喋ってるがな。

こうやって、起きたことに、いちいち感想を述べているから、仕事が遅くなるんやで。

 

実弥 対 黒死牟、開戦!

黒死牟の横薙ぎの一閃を身体を沈めて躱した実弥は、黒死牟の股の間へスライディング。

足首を狙いに行ったが、黒死牟は前方へ大きく宙返りし、これを回避。

実弥は、実利重視の超実戦派。無一郎くんの流麗で整った剣技とは対照的なケンカ殺法だ。

どちらかと言えば正統派の剣士である黒死牟に対抗するに、実弥の戦闘スタイルは存外に有力であった。(と、わかるのは、次の百六十七話なのだけれど)

 

ここで、唐突に、将棋の話をします。

昔、NHKで、日曜日の将棋対局を観たのです。

対戦カードは、高橋道雄 対 羽生善治。

このときの、解説者の言葉が、いまでも忘れられません。

 

「一手指した方がよく見える。これは名局ですね」

 

対戦者が、互いに、手抜きも油断もせず、常に最善手を繰り出し続ける。

今の一手が、先に相手の出した一手を上回る。そして、今の一手を、相手の次の一手が越えてくる。この応酬の上で、勝負がどちらに転ぶか、まったく予測できない。

バトルもので、一番面白いと感じる勝負は、このようなものであろうと思います。

これができるのは、実力が拮抗していてこそ。

では、格上と格下との対戦で、格下が勝利するパターンを、面白く見せるには、どうすればいいか?

この問いに対する最適解を、私は持ち合わせていないのですよね……。

黒死牟戦がそれだとは言いません。

黒死牟おじさん、喋りすぎ、ってツッコんでる時点で、黒死牟戦は、ファンとしては残念ながら、最適解ではありません。

あとから、「ああすればよかったのに」という感想が出てくるようでは、作中人物は最善手を指していないことになりますから。あの場面では、ああするよりなかった、あれがベストだった、という感想を引き出さないと。

下剋上を説得力を持たせて面白く描くのは難しいですね。

格下が、格上を研究していて、事前に戦略戦術を用意しているならまだしも、黒死牟戦のように、予期せぬエンカウントをした場合は、特に、ね。

 

実弥の放った〝壱ノ型 塵旋風・削ぎ〟を、真っ向から刀で受け止めた黒死牟。

刀身には目玉がいっぱい並んでいる。

 

「気色の悪ィ刀だぜェ」

 

実弥がもっともな感想を述べたところで

次回へ続く!

 

黒死牟に目がたくさん付いている理由も、黒死牟戦のどこかの回で、考えてみたいと思います。

 

 

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