◇第155話◇ 役立たずの狛犬(感想 その2) | 物語の面白さを考えるブログ

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前の感想記事で、猗窩座の過去が

炭治郎との対比になっている旨を書きました。

その後、あれこれ考えているうちに、

義勇さんとの対比にもなっていることに気付いたので、

それも書いてみます。

 

蔦子姉さんも、恋雪ちゃんも、

ともに祝言を目前にして命を奪われています。

 

蔦子姉さんは、鬼から義勇さんを隠して守って、

命を落としています。

弟に未来を託して死んでいったのですね。

義勇さんは、しばらくそのことに気付かずに、

後ろ向きな気持ちでいましたが、

いろいろあって、前=未来を向くことができました。

 

一方、狛治にとって、恋雪こそが、

慶蔵から託され、未来へ繋いでいくべき存在だったのです。

炭治郎は猗窩座の考え方を否定しますが、

狛治は最初から非道の徒であったわけではありません。

病弱な恋雪を守り、その命を未来へ繋ごうとしました。

それはうまくいくかに思われました。

隣接する剣術道場の、つまらない妬みと土地への執着によって、

理不尽に奪い去られるまでは。

 

このように見ると、「託されたものを繋ぐ」ことが、

人の紡ぐ〝永遠〟だとする鬼殺隊の信条、

それに挫折した例こそが、猗窩座という存在だと言えます。

託されたものを喪い、

繋ぐべき未来を奪われたとき、

絶望しない人間はいないでしょう。

 

姉を喪い、絶望のどん底にあった義勇さんは、

経緯は不明ですが、鱗滝さんと出会い、

師の愛情を受け、新たな友(錆兎)を得、

鬼殺の剣士として再起を果たしました。

 

一方、狛治が出会ったのは――鬼舞辻無惨!

人間世界で奪われ続けた妓夫太郎の場合、

人間世界と訣別し、鬼になることは、救いであったわけです。

ところが、狛治の場合は、鬼になることは、

救いでも何でもなく、「どうでもいい」ことだった。

無惨さまに〝師〟としての愛情などあろうはずもなく、

彼は単に強い護衛としての鬼が欲しいだけでした。

狛治は人間としての記憶を失くし、鬼を守る狛犬となり果てました。

 

記憶とともに人間性まで喪失したかというと、

そうではありませんでした。

その名残は以下に散見されます。

猗窩座の戦闘スタイルは、慶蔵から習った素流のままでした。

血鬼術〝羅針〟の描く模様は、最愛の人を象徴するかのように、

雪の結晶めいています。

技の名前は、花火関連の用語です(ネット上で他の方が指摘しているのを読み、

知りました)。

花火の下で恋雪のプロポーズに応諾した夜――、

あの夜が、狛治にとって幸せの絶頂だったのでしょう。

 

「俺は誰よりも強くなって」

「一生あなたを守ります」

 

守るべき人がいなくなった後、

強さを求める気持ちだけが暴走し、

百年以上も無意味な殺戮を繰り返したのですから、

何ともやりきれない話です。

 

かつて炭治郎は、沼鬼に婚約者を殺された

青年に言いました。

 

「失っても失っても 生きていくしかないです」

 

この後のセリフは、どんなに打ちのめされようと、と続きます。

では、たとえ鬼になっても? と問うたら、

炭治郎は何と答えるでしょうか。

 

炭治郎の言うことは、おそらく、正しい。

ただし、その正しさで、すべての人を救えるわけではない。

その正しさから零れ落ちたのが、

猗窩座という鬼ではなかったでしょうか。

 

 

【参考】 花火について、ちょっとだけ調べました

 

 

〝術式展開 終式 青銀乱残光〟

 

「残光」は、花火が開いた後、中心に明るい光が残ること。

「青銀乱」は下の動画を参照してください。

 

 

 

 

〝破壊殺 鬼芯八重芯〟

 

「芯」は花火の内側の花弁となる火薬玉のこと。

芯が二重になっているものを「八重芯」という

(外殻を含めると三重構造になっている)。

芯が三重のものは「三重芯」、四重のものは「四重芯」という。

 

2010 安曇野花火 Art of Fire 八重芯、三重芯、四重芯、五重芯!!

 

 

〝破壊殺・脚式 冠先割〟

 

「冠」は、開いた花弁が地面へ垂れ下がるもの。

花火が消える際に、パリパリっと音が鳴るのが「先割」(さきわれ)。

技名は「さきわり」と読ませています。

 

 

 

〝術式展開 破壊殺・羅針〟

 

羅針っぽい花火を見つけました。

 

2012 New Fireworks Contest in Nagano Japan

 

最初に打ちあがるのが羅針っぽい形。

 

雪の結晶みたいな花火。

 

 

〝猗窩座関係ないやーつ〟

 

FWsim Mount Fuji Synchronized Fireworks Show4

 

猗窩座と関係ないけど、きれいだったのでアップしておきます。

花火の世界って、奥深いですね。

 

 

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