◇第115話◇ 柱に | 物語の面白さを考えるブログ

物語の面白さを考えるブログ

マンガ・映画・フィギュア・思索など

蜜璃ちゃんがほのめかした

不死川兄弟 不仲説の真相が明らかに!

 

不死川実弥という人は、いろいろなものに

裏切られた人なのだと思います。

父親は家族に暴力をふるう男だった。

家族を守るべき〝父性〟に裏切られた。

優しかった母は鬼になり、わが子を殺めた。

〝運命〟や〝人生〟、〝幸福〟といった、

何か大きなものに裏切られた。

玄弥の「人殺し」発言――

〝弟〟に裏切られた……と感じているのか、

真意は定かではありませんが、

母を手にかけた直後にこれを言われて、

平静でいられたとは思えません。

身体に刻まれた無数の傷は、

彼の心の傷を象徴しているのかもしれません。

 

玄弥に対する冷たい態度は、

弟を戦いの場から遠ざけるための、

わかりにくい〝思いやり〟だと思うのですが……

本気で目つぶししようとする行動を見ると、

ちょっと自信がなくなりますね……。

あと、おはぎが好物なのは、〝おふくろの味〟だからかな、

などと想像してしまいます。

義勇さんが懐からおはぎを取り出して渡したら、

神経を逆撫でするだけだから、やめとけ。

 

積怒の攻撃が到達する寸前、

追いついた炭治郎が腕を斬った。

頸から狙いが逸れた錫杖が、玄弥の頬をかすめる。

諦めるな玄弥!

炭治郎の叱咤が、心が折れかけた玄弥を鼓舞する。

 

「柱になるんじゃないのか!!」

「不死川 玄弥!!」

 

仲間がありがたいと思うのは、こういうときです。

炭治郎が与えたのは、プラスのストロークです。

ここで言うストロークとは、心理学用語で、

「相手の存在を認めること」といった意味です。

玄弥は、兄から、プラスのストロークを

もらいたかった(存在を認められたかった)。

しかし、現実には、マイナスのストロークを

得てばかりいた。

マイナスが溜まると、心は弱ります。

そこへ、炭治郎が、プラスのストロークを注いだ。

玄弥は、炭治郎に対して、マイナスのストロークしか

与えていないのに。

プラスのストロークを与えられると、

人は、同じくプラスを返したくなります。

玄弥も然り。

彼は身を挺して、哀絶の槍から炭治郎を守ったのでした。

 

玄弥から本体を斃す役割を託された炭治郎。

半天狗に追いつき、赫刀をふるう。

刃が頸に食い込んだ半天狗が絶叫したところで

次回へ続く!

 

13巻収録分はここまで。

 

 

ペタしてね

 

フォローしてね…