柱合裁判が終わり、退場させられる炭治郎。
去り際に、お館様が一言。
「珠世さんによろしく」
最初に読んだときは、お館様――産屋敷耀哉と、
珠世さんは、旧知の仲なのだと思いました。
表向きは敵対する間柄でありながら、
裏では立場を越えた交誼を結んでいるのだと。
しかし、最新の百三十一話を読んだかぎり、
そうではなかったらしいのです……。
産屋敷邸へ招待された珠世さんは、
本気で疑念と怯えを呈しています。
鬼殺隊に隠れ家が見つかったということは、
招待を断れば襲撃される可能性もあるわけで、
実質、脅されているのに等しい。
すると、この四十八話で、耀哉が炭治郎にかけた
「よろしく」は、友愛の言葉でなかったことになります。
では、その真意は何だったのか?
推測にすぎませんが、珠世さんの居所を探るため、
炭治郎を泳がせようとしたのでは、とも考えられます。
もし、そうだとするなら、産屋敷耀哉、
一筋縄ではいかない人物のようです。
炭治郎が連れて行かれたのは、
胡蝶しのぶの本拠である蝶屋敷。
鬼殺隊の病院としての機能も兼ねているらしく、
負傷した隊員の治療やリハビリを行う。
那田蜘蛛山で散り散りになった善逸・伊之助と再会。
別れた後の顛末を、炭治郎は聞く。
いつもの騒がしい善逸と、
伊之助らしくない弱った伊之助に笑いました。
――ここが、「那田蜘蛛山」編の締めくくりですね。
「鼓屋敷」編と一緒で、鬼との戦いを終え、
傷を癒すための休息に入って、閉幕。
バトル漫画では、重傷を負っても、次のシリーズが
始まると、シレッと治っていることが多いのに、
「鬼滅」ではきちんとインターバルを入れます。
ちょっと珍しいのではないでしょうか。

