炭治郎ォ!!
後ろ後ろオォ!!
ヒノカミ神楽を使った反動で、身体が十分に動かなくなったまま、
禰豆子の方へ這いずる炭治郎の後ろで、
頸を斬られた累の身体が立ち上がった。
日輪刀で斬られるより、わずかに早く、
累は自らの糸で頸を切断し、致命傷を回避していたのである。
累の方が一枚上手であった。
この落としどころは、よかったと思います。
炭治郎が頸を斬れたのは、「ご都合」に片足を突っ込んだ
「僥倖」によるものでした。
累が防御のために張った糸は、禰豆子を吊るしているのと同じ糸で、
それは禰豆子の血で濡れていました。
だから、血を燃やす血鬼術「爆血」で、糸が焼き切れたのです。
炭治郎の刀には、禰豆子の血が付着していました。
その血が爆ぜ、刃が加速したため、
累の硬い肉体を裂くことができたのです。
偶然に偶然が重なって生まれた技で、主人公が勝ちました――
これでは、読者の心には、ちょっと納得できないものが残ります。
カタルシスが訪れないのです。
しかし、見せ場としては、やはり主人公が技を決めるシーンが欲しい。
その落としどころとして、技は決めたものの、惜敗、としたのは、
絶妙な匙加減でした。
炭治郎、絶体絶命の窮地を救ったのは、
やっと来ました、冨岡義勇さん!
水の呼吸・拾壱ノ型・凪で血鬼術を無効化し、
累を瞬殺。
柱としての格の違いを見せつける圧倒的強さです。
でも、その内面は……百三十話で明かされたとおり、
超の付くほどの後ろ向き。![]()
クールでストイックな強キャラだとばかり思っていたら、
そう来ましたか。
完全に意表を衝かれました。
義勇さんによって、今度こそ頸を落とされた累の
回想が始まったところで、次回へ続く!

