莉乃さん、機体の前方に ”ブルーに生まれついて” (Born to Be Blue) とペイントしてある JetBlue の便で空を飛ぶのは、なんともミステリアスな気持ちにさせられます。”Born to Be Blue” は2015年に映画化された1950年代のジャズトランペット奏者チェット・ベイカーを描いたものです。彼は麻薬に手を染めながらも名演奏を収めたものの、それが原因で恋人を失ってしまいます。
私はこの土曜日にロサンゼルスにあるビーチの一つで結婚式をあげる娘を祝うべく、まだ一才にもならない孫と孫の両親そして妻とで JetBlue の飛行機に乗ってサンノゼからロングビーチ空港へ向かいました。
サンノゼ空港出発前の JetBlue便
サンノゼからロングビーチに向かう途中に、ゴルフのUS オープンのコースでもあるペブルビーチのあるモントレー カーメル地方がが右手に見えてきます。
ロングビーチ空港はロス近郊のいわゆる田舎の空港ですが、LAX (ロサンゼルス国際空港) が大混雑するのを尻目に、格安航空会社を中心に乗り入れている便が多く、安価にそして便利にロスに出かけられる、むしろトータルではメリットしかない飛行場です。空港ターミナルには飛行機のドアと繋がる Jetway と呼ばれる連結通路はありませんから、飛行機にはタラップが接続され、地面に直せて降り立つことになります。 私の孫を抱きかかえて愚息が降りて来ました。”Born to Be Blue” を背中にワンショット。鉄道・飛行機オタクの彼にはたまらない一瞬だったようです。
南カリフォルニアの青い空が広がります
娘の結婚式の披露宴で私はスピーチをすることになっていますが、当たり障りのない父親の言葉よりもとアカペラで一曲歌うつもりです。もちろんチェット・ベイカーのように麻薬に手を染めているわけでもありません。緊張で歌詞を忘れたり、涙に咽び歌えなくなるかもしれませんが、それなりに娘を祝う気持ちを歌い、家族や親戚、そして娘の友人たちを “乾杯” で煽ってみようと思います。