ドラゴンアイです。

 

今回のテーマは『インナーチャイルド』についてです。

一般的に『幼少期の心の傷・トラウマ』といった負のイメージで捉えられていることが多いインナーチャイルドですが、私独自の視点から誤解を紐解いていきたいと思います。

 

 インナーチャイルドについての誤解

 

 

まず心理学的な観点で使われる「インナーチャイルド」とスピリチュアル的に使われる「インナーチャイルド」は扱われ方が全く異なります。

 

ネットで検索していただくとすぐにわかるかと思いますが、『インナーチャイルド 癒し方』や『インナーチャイルド 原因』といった形で、インナーチャイルドという単語は一般的に心の病として取り扱われることが多いです。これは心理学的な観点で定義されたものです。

 

心理カウンセリングの一般的な認識としては、『幼少期に負った心の傷・トラウマが大人になっても心理的に影響を及ぼしてしまうため、社会生活を円滑に送れるようにその原因を探り治療をする』という方法が推奨されています。

 

 

 

一方、スピリチュアルの領域で扱われる『インナーチャイルド』とは、単に『内なる子供(心の内側にあるピュアで子供らしい気持ち)』を指します。または、『過去世』を意味するときにも使われることもあります。

 

簡潔に違いを説明しますと、心理学的な観点ではインナーチャイルドは『向き合う・癒す』というテーマがあり、スピリチュアル的な観点では『楽しむ、甘やかす』というのがキーワードになります。


 

私の結論としまして、インナーチャイルドを治療する必要はないということ。その理由をお話しさせていただきます。

 向き合うことは逆効果になりえる
 

 

 

まず、前提としてトラウマというのは大なり小なり誰しもが持っています。

 

その経験が現在の自分にどう影響しているのか、というのを知る必要はもちろんあるのですが、その頃の自分に立ち返ってトラウマに向き合わせるという方法は時に危険です。

 

何が危険かというと、それを【治療】という目的で行うことです。

トラウマを治療するという行為は『心の傷を癒すには一番辛かったことと向き合い、克服しなければならない』という脅迫と同じなんですね。

 

そして最も危険なのは、その暗示をかけながらその頃の痛みを再認識させるということです。

 

その頃の記憶に立ち返り感情を爆発させ、涙を流し、一時的にはすっきりとした気持ちになることがあります。これでやっと解放された!と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただこの「感情を爆発させる」という激しいエネルギーを動かす行為は、ショックに近い状態として精神に記憶されてしまいます。

 

 

涙を流すと一時的に楽になるのは確かですが、決壊しかけたダムの水を一時的に排水しただけに過ぎません。

 

人間は目的を持ってお金や時間をかけたことに対価を求めますので、これで『楽になった。自分を取り戻した。解放できた。』ということにして自分を騙すようなります。

 

明るい自分を取り戻した気持ちになるかもしれません。

 

ただそれは解放されたのではなく、『解放された自分の仮面』をつけることに成功しただけですので、何かの拍子に仮面が外れた時、癒されたはずの心の闇がさらに強力なインパクトをもって目の前に映し出され、もがき苦しむことになります。

 

 

そうなると、『自分と向き合うことができなかった』『心の傷を癒せなかった』というさらなる罪悪感(エゴ)が自分を追い詰めてしまうことになりかねません。

 

そして、エゴから逃れるため、一瞬でも楽になりたいと何かへの執着や依存が強くなってしまう可能性があります。

 

そしてさらなる仮面を被ることで楽になろうとするんですね。何層にも仮面を被る癖がついてしまうと、トラウマを解放していくのはますます困難になってしまいます。

 

※あくまで一例であり、全てのカウンセラーさんがこのような治療方法をしているというわけではありません。

 

 

 感情を伴わない認知が必要

 

では自分の幼少期の心の傷には向き合わず、放っておけばよいのか?というとそういう訳ではありません。

 

幼少期のトラウマが社会生活に支障をきたす可能性があることは事実であり、それを解消できればもちろん社会生活をスムーズにすることができます。

 

私が推奨するやり方は幼少期の頃の記憶を、感情を伴わずに追っていくという方法です。感情的になったときに揺さぶられる激しいエネルギーは精神を混乱させてしまうため、慎重に行う必要がありますし、慣れるまでには少し時間がかかります。

 

 

感情を伴わせない方法としては、大人になった『今の自分』が幼い頃の自分をモニタリングしているようなイメージを持つことです。他者からの視点でその頃の自分やとりまく状況を<善悪の判断をせずに>観察してみるということです。

 

詳しい方法については長くなってしまうのと、今回のテーマから少し逸れてしまうので、今回は割愛します。

 

大切なことは、今の自分は『その頃の自分ではない』ということ。

そして今の自分には『何も怖いことは起きていない』ということを意識レベルで認識することだと思います。

 

そしてその頃の自分やとりまく環境、自分に影響を与えていた他者のことを理解しようとするのではなく、まずはありのままの事実として受け入れることです。

 

そして幼少期に起こった出来事からどのような影響を受けたのか、それに対して今に至るまでにどのような『心の癖』がついてしまったのかを冷静に分析していくことが大切です。

 

 

 魂は傷つかない

 

 

そもそもインナーチャイルドは心の病気ではありません。人間の奥深くにある、幼くて無邪気でピュアな心そのものです。

 

心理学的に定義されているインナーチャイルドは幼少期に受けたショックや寂しさから【防衛本能により形成された心の癖】であり、脳の誤作動のようなものです。

 

本来魂は傷つくことなどありません。

なので、心の傷という言い方も間違っているんですよね。

 

自分の中にあるインナーチャイルド(内なる子供)はいつでもピュアな輝きを放っているのですが、大人になるにつれ、怯えたり隠れたりするようになってしまうのです。

 

なので、奥深くに隠れようとする子供心をくすぐって喜ばせてあげる必要があるんですね。それが本質的なインナーチャイルドの癒しになります。

 

余談ですが、社会生活を送る中でピュアな自分を表現することは弱点のように思われがちですよね。ですが、大人になってからこそ、ピュアな少女性(少年性)をオープンにすることで人付き合いが圧倒的に円滑なるという事実があります。

※この話は今回の内容とは逸れてしまうので、別の機会にお話させていただきます。

 

 

寂しさや恐怖心を感じているなら、自分の内側にいる子供が、もっと楽しみたい!無邪気さを取り戻したい!と訴えているサインだと思って下さい。

 

その時は母親になった気持ちで、内なる子供を甘やかしてあげるタイミングです。

 

ペットと触れ合ったり、美味しいものを食べたり、カラオケをしたり、ショッピングをしたり、絵をかいたり、自分の心がときめくことをして楽しませてあげましょう。

 

そうしていくことで、過去にあった闇の記憶は光に吸収されていくはずです。

 

 

本日のコラムはここまでです。

ご覧いただきありがとうございました。

 

ドラゴンアイ