$RYUの適度に当たっているブログ


ANTHRAX 「Worship Music」(2011)


NYのベテランスラッシュメタルバンドの、8年振りのフルレンスアルバム。

ヴォーカルにジョーイ・ベラドナが復帰、リユニオン的アルバム。

スラッシュ四天王の中で唯一、東海岸の出身であり、他の3バンドと一線を画す要因にもなっている。

つまり、鋭角的で攻撃的なリフ中心の曲の中でも、印象的なヴォーカルラインが際立っている、

言うなれば、ユーロ圏からの影響が、サウンドが核となっている。




まず、「SE~Earth on Hell」、前作からの流れを引き継ぐ非常にヘビィでリフの嵐、

前ヴォーカルのジョン・ブッシュが歌っても、全然違和感無さそうな、

オープニングには持ってこいの、ガッツ溢れる曲。

そして、次の「The Devil You Know」から嘗てのANTHRAXを彷彿とさせる、

「歌える」ヴォーカリスト、ジョーイの特性を生かしたメロディックな曲が続く。

特に、4曲目の「Fight'em 'till you Can't」や、6曲目の「In the End」等は、

このアルバムの中でもハイライトともいえる楽曲で、

12月の来日公演でも盛り上がるのではないだろうか。



今のANTHRAXは、往年のANTHRAXではない。

名リフメイカーとして名を馳せたスコット・イアンは、

嘗ての様な印象的なリフは、もはや生み出せないだろうし、

名盤「Among the Living」を超えるアルバムは作り得ないだろう。

それでも、このアルバムは現代の、等身代の彼らの姿を映し出している。

ジョーイが歌うアルバムとしては、じつに21年振りに発表するアルバムであり、

ヘタな作品は出せないというプレッシャーの中にも、

バンド全体の現在の環境から生まれるポジティブな雰囲気が聴き手にも伝わると思う。


同じことはMETALLICAにも言える。

彼らも嘗てのMETALLICAではないし、「Master of Puppets」を超えるアルバムは、

今後作り得ない。寂しい話かもしれないけど。


それでも私はANTHRAXもMETALLICAも大好きであることには違いない。

過去のみを称賛し続け、現代版を否定する気持ちも分からなくもないが、

このアルバムこそ現代の彼らの姿なのだと、素直に受け入れることが十分可能で、

今後の活動にも期待せざるを得ない、そんな可能性を秘めた良盤である。