白龍のブログ 小説とかを描き続ける機械

白龍のブログ 小説とかを描き続ける機械

基本的に描いた小説を載せるブログです。
読みに来てくだされば嬉しいです(^ー^)

地球。


青く澄んだ、生命の星。


今日も新たな生命が生まれ、生き、死に、そして死後も霊体となり、世を楽しみ、新たなステージを目指し、時には生きている者と干渉し合う。



人間社会は、そんな自然の摂理相手に、ふてぶてしい様子を見せていた。




「…っ!」

その声が、あの戦いが、確かに存在していた事を示す、最後の証拠だった。

「やーっと起きた、お姉ちゃん。もう昼だよ?時間無駄にして楽しいか?」


れなは、目覚めていた。
妹の声が、耳を通じて、現実を突きつける。


極めて生命体のそれに近しい人工知能が、何かの記憶を慌てて隠そうとしているような、凄まじい違和感がまとわりついている。

上体を起こし、意味もなく頭を撫でる。



「おはよう、れな。よく眠っていたみたいだね」

博士が、ドアを開けて部屋に入ってきた。

いつもの朝。
日常を過ごし、世の為に戦い続ける、慣れた日常。






「れな、何か浮かねえ顔してるな?」

ラオンが覗き込んでくる。

事務所にて。

れなは、俯いたまま、意味もなく指先でティーカップを叩いていた。

ソファーに座っているのは、れな、ラオン。
向かいには新聞を広げた粉砕男と、銃を磨き続けてる葵。

リビングの隅にはドクロとテリーが世間話、そして時々テリーの重すぎる愛情にドクロが目を細め、頭をしばき回してる。
れみは箒で床を掃き、掃除に勤しんでいるようだ。


「そんな時は、一勝負しようぜ?」
拳を握るラオンを、れなは横目で見つめる。


変わらぬ顔だ。

いつもなら何も気にならないはずの顔なのに、何かが、無理にでも違和感を感じさせようとしてくる。

「おーいー、無視すんなよー」
れなの肩を掴んで揺さぶるラオン。尚も、れなの目は虚ろだった。


その時…インターホンが鳴り響いた。


「ん?誰かしら」
兄を叩き散らした右手を軽く振りながら、ドクロが扉へ向かっていく。
見渡したところ、誰も心当たりはない様子。
敵かもしれない…と、密かに期待しているラオン。その姿も、やはり日常的。
何故こうまで、当たり前の様子が深く染み込んでくるのだろうか。


ドクロが玄関の扉を開けると…。



「ぎゃっ!!!や、闇姫!?」


…そこに立っていたのは、あの闇姫だった。
腕を組み、塀に寄りかかり、ぶっきらぼうな様子で。
全員が立ち上がり、それぞれの日常姿勢を解き始め、戦闘体勢へ。
それもまた、ワンダーズの日常だった。

闇姫は親指で外側を示しながら、一人を呼ぶ。

「れな。面貸せ」
ライバルの呼び出しにも、れなは浮かない様子だった。


呼ばれた先は…意外にも、街の公園だった。

子供が走り回り、時々落ち着いて止まり、また走る。隅の方では親と思われる人々がそれを見守っている。
これもまた、日常…。

れなと闇姫は、ベンチに座って並んでいた。

いや、この二人だけではない。

「…Fも呼ばれてたんだ」
Fまでもが、座り込んでいた。
やはり、彼も何とも言えぬ様子だった。
突然闇姫に呼び出され、理由もわからずここに連れてこられた様子。
そして…理由がわからないなりに、何となく、察しているようだ。

彼もまた、つい先程までは思考の隅に巣食う霞に、頭を抱えていたのだから。

「れなも、呼ばれたのか」
オウム返しのような言葉だった。

れなとFが隣り合い、そこから少し離れたベンチの端で、闇姫が足を組んでいる。あくまで私達は敵同士、という意思が見て取れる。

「テメェらも何となく覚えてるだろ。リューガのクソ野郎と戦った時の事」
リューガ、という名に、肩が外れんばかりに、勢いよく全身に力を込めるれな。Fもまた、導狼の証を抑えるような仕草を見せた。
返答はない。だがその動作が、全てを物語っている。
二人は覚えているのだ。

同じ状況にある同志と隣り合わせにされたからだろうか。…あの時の光景が、蘇る。
勿論記憶の節々は曖昧だが、自分達が何か、とてつもない体験をした事だけは分かる。
少なくとも、この地球上にいるどの生物よりも、凄まじい体験を…。

「…クラナも覚えてなさそう?」
「…全く」
そして、三人以外は覚えてないのだ。
それはつまり、〔代表者〕にのみ、この記憶を保持する事が認められている、という事だろうか。

あの時、世界は崩壊した。それどころか、更にその先にさえ、創造と破壊が干渉した。

なのに今、自分達はこの場にいる。

…ここは一体どこなのか、それすら正直分からない。
なのに、漠然とした不安さえこみ上げてこなかった、

それは、この空間が、以前から住み慣れていた〔故郷〕だから、だろうか。

「これは予想に過ぎねえが…」
闇姫は立ち上がり、空を見上げる。
その仕草は…少しでも空に近づこうとする意思さえ感じられるものだった。

「やつらは、私達の時間を戻したんだ。だが、やつらはハッキリ言って何でもありな存在…。記憶だけはそのままにして、それ以外全部を過去へと還したんだろうな」

Fが立ち上がる。
「…リューガも俺らと同じなのか?」
「知らねーよそんな事。少なくとも、やつのあの強力な魔力は地球上のどこからも感じない。今頃は地獄の底で苦しんでるだろう。ざまあねえな」
闇姫の声は、感情が込もっていなかった。

人間の悪意が渦巻き、ついに念願の復活を果たしたリューガ。
あの邪悪さ、あの強さ…何もかもが規格外の強敵だったが、それでも、不思議人の掌の上では玩具の一つに過ぎないのだ。

そう。不思議人。


「…今度はアタシの予想なんだけど」
最後に立ち上がったのはれなだ。


「不思議人達は…きっと、今回の事は忘れろ、って思ってるのかもしれないね」
それを聞いた闇姫が舌打ちした。

「…私も同意見だ」
れなと意見が同じだった事が不満らしい。
「リューガという忌まわれし存在が蘇り、そいつと戦い、結果、恐らく上位の存在であるやつらが関与した。この世界に対して、大した価値観も持ってないようなやつらが、その時の気分一つで、下界の存在であるアタシらに力を貸しちまった事、黒歴史なんだろうな。やつらにとってアタシらは玩具だ。やつらの気分次第で、どんな物語も一瞬で終わらせられる」

リューガの復活と、その原因となった人間達の悪行。
壮大な出来事の数々が、ここまで容易く、片手で終わらせられるとは。


…特に、Fにとっては複雑であった。


(…)
彼が、父親だった。

あの顔。自分とクラナと、よく似ていた。

(…親父)
決して、やつは許されるべき存在ではない。

だが、そもそもやつを誕生させたのは、人間達の悪意だ。
身勝手で穢れた人間達。彼らの悪心が降り積もり、結果、世界を滅ぼす邪悪に至った。


「…リューガは今、この世にいないんだろ。不思議人達は、やつを復活させないように、人間にもう一度チャンスを与えてるのかもしれねえな」
都合の良い考えだとは分かっていた。
だが、今回の件…長く待ち望み続けてきた父親との出会い。それを、理不尽の数々で終わらせたくなかったのだ。

自分達の事を何とも思っていない、あの振る舞い。
そして、敵いようのない存在によって簡単に終わらせられた、あの戦い。

誰かの善意によって、あるべき形へと戻された結果、今がある。

そう考えなければ、耐えられなかった。

…時に世界は、どうしてこうも、ここまでの理不尽をぶつけてくるのだろうか。
「なら。やる事は一つだ。人間がこれ以上やらかさない為にも、俺らが戦い続けるしかない」

いつの間にか俯いていたFの肩に、手が乗せられる。

れなだった。

「…でも、リューガがいたから、Fとクラナにも会えたんだよね」

Fの顔は、変わらない。



「そう考えると、結果的には、リューガも少しは良い事したんだろうね?」



沈黙が、場を曇らせる。

微笑むれなに、闇姫が横槍を入れた。
「良い事した、か。そりゃリューガにとって最悪の罵倒だろうな」
「あー、へへ」
頭を掻くれな。無数の概念を超えた戦いをした事など、既に忘れているようだった。


ようやく、全て戻ってきたような気がした。


「…やる事は、今まで通りだよね」
彼女は、近くに目を向けた。


遊具に群がる子供達がキャッキャと騒ぐ中、一人だけ、ポツンと立っている寂しげな少年。


親はいないのだろうか?
腕や足に所々見える青い痣が、言葉なくとも物語っていた。


闇姫はその場を無言で去り、一方、Fはれなに続く。



絶対的な存在が理不尽に命を奪い、絶対的な存在が理不尽に世界を操作する。

なのに、民の善意も、悪意も、流される事なく、生き生きと世界を満たし、時に坩堝と化す。

世界とは、不思議なものだった。











…と。



これで、おしまいですね。





これで良いのですか?





退屈じゃありませんでした?





まあ、いいだろう。





そうですね。







そんな事言って。







お前らにとっては全部、物語の中の出来事なんだろ?









ワンダーワールドCR 完



恐らく、全ての終わり頃。

途方もない…という言葉すら、一つも当てはまらない。
永遠などという言葉も、小さすぎるし、薄すぎる。今この時間軸には、永遠よりも長い時間を示す言葉が当たり前になっている。


白い紙と、電子線が通る空間。


れな、闇姫、リューガ。


元通りの姿で、息を切らしあっていた。


「…」
れなの拳が、リューガの顔を狙う。
それは突きではない。緩やかな、あまりにも遅い、ただの動き。
リューガは弱々しく、それを受け止める。その受けもまた、遅い。

闇姫が、例のごとくゆっくりと足を振り上げ、リューガの背中へ足を押しあてる。

リューガは回り、緩やかに、その足をどける。
そして、転ぶ。
見えない地面にリューガが落ち、その衝撃で、れなと闇姫も転ぶ。

倒れあう三人。それでも、殺意はある。

闇姫は、震える拳でリューガの顔を狙う。リューガは息を荒げながら転がり、彼女から離れる。
その進行先に、れなの拳があった。

拳を押し当て、〔殴る〕。




…リューガは、力を失っていく。

口が動き、何かを呟いたようだった。


だが、全員、全ての感覚を投げ捨てていた。


あまりに長く生き、肉体は単なる飾り。空間そのものに記憶を宿し、調和していた。
概念すら形作る、世界そのもの、いや、世界をも統べる何かになっていた。
存在を意味する〔何か〕という言葉すら、ここでは適切ではないだろう。


れな、闇姫。


立ち上がり、リューガへ拳を向ける。

何故こんな事をしているのかさえ、忘れていた。
全ての記憶を、一片足らず覚えているというのに。

全を得た次は、新たな1を始めようとしていた。
三人は今や、赤子だった。



拳が、リューガの顔の前で止まる。








「こんなものでしょうか、理さん」
「ええ、そうですね。では、戻してあげましょうか」


不思議にとって、全ては、遊びだった。

三人は、その遊びの道具だった。



だが。


あまりの力であらゆる概念を超えた今。

三人は意外な点へ行き着いた。


それすなわち、原点。




ここまで、あれほどの体験をしたというのに、三人は、まだ世界があった頃と同じ様子に戻っていたのだ。


「…畜生。テメエら…ふざけんじゃねえぞ…」
リューガは、自分の額から流れ出る血を拭い取る。その足取りはふらついており、見えない地面の上、立っているのもやっとな様子だ。
それは、目の前の二人も同じ事だ。

全身が痺れる感覚。
拳を上手く握れず、あちこちに激痛が走る。

しかしその激痛すら気にならない程に、精神的な疲労が大きい。
記憶を保持したまま、あの膨大な概念の嵐を飛び越えたのだ。これに耐えられるのは…不思議人しかいないだろう。

逆に言えば、それでも尚、彼らは〔命〕を失っていなかった。

手首がちぎれる覚悟で、拳を握る。

最早何の為に戦っていたのかさえ、忘れていた。




…勝利ではなく、最期を賭けて



一撃が、放たれる。




『喰らえ!!!』







勝利の閃光が、全ての終わりを飾った。











宇宙はこれから知るだろう。
いや、それ以上の、上位たる存在が知る事になる。


思想に囚われぬ戦いを。

不思議を。



「…」

Fは、全てを覚悟していた。

妹が殺され、戦力がついに自分一人となった今。
目の前の相手の攻撃を、受け入れるしかない。

涙が止まらない。
数々の戦いを乗り越えてきた。
その戦いの末路が、父親が下す理不尽な死…。


「おわりだ」
虹色のベールの向こうのリューガの顔は、美しかった。
悪意など感じさせない。
悪意以上の何かが、そこにある。




そして。




意識が一瞬奪われたような、時間をすっ飛ばされたような感覚が、Fをどこかへ飛ばす。



「…!?」
Fの意識が、目の前の光景を目に映し出し、脳へと送る。


リューガは、いつの間にか、Fから興味を無くしていた。
辺りの空間は遊園地ではない。
変えられたはずの、宇宙空間に戻っていた。

リューガの目に前に、誰かがいる。
無重力を忘れさせる程、綺麗な佇まいで。

黄色を主体としているが、桃色のグラデーションの、鋭く跳ねたツインテール。
髑髏を模した髪飾り、黒と黄色の服。
腰からは、大きなナイフと一本の骨。
右腕には、猟銃のような武器を装備している。
背中からは、羽が生えていた。だが生物的な羽ではない。ビットのような突起が生え、緑の光を展開している…機械的な羽。
その瞳は、虹色の輝きを見せている。
リューガの虹色とは異なり…何か、柔らかいものを感じさせる。

Fは、その人物を知っていた。

「…れな…か?」


間違いなかった。
あの瞳、オーラ、何度も感じた、仲間の力。
誰あろう、れなだった。

死んだはずの…破壊されたはずの彼女が、今、アンドロイドとは思えぬ変身を遂げて、目の前にいる。
これもリューガが作った悪質な幻影なのかと、Fは疑った。
だが、違う。
リューガの顔は…心底驚いているようだった。
「…んでだ?」
目を見開き、その美しく長い髪を乱雑に掻く。
はじめて、完全に理解が及ばない出来事に遭遇したようだった。

そんな彼に、更なる驚愕が覆いかぶさる。

「なっ…テメェまで」

…れなの横から、何かが現れる。
黒い霧を纏いながら現れたそれは…異形だった。
人間の形をしつつも、背中からは何か巨大な腕のようなものが生えている。
その腕は…紫と黒色、暗い色に染まり、青い結晶が張り付いている。所々に緑のラインが張り巡らされている。本人の体とは別に用意された物体のようだった。
全身に黒い霧を常に纏い、左目は赤く、そして…右目は緑色に輝いている。

その姿を見せつけるなり、彼女は…突然消える。

「闇姫っ…闇を極めたのか…!?」
Fは、思わず目眩も忘れていた。
どうやら彼女…闇姫は、何かしらの術で闇を極めたらしい。結果、彼女を認識する為の光すら闇に呑まれ、その姿は見えなくなるのだ。
れなとリューガだけが、向かい合っているように見えた。

れなは…無言で両手を構える。
いつもなら何かしらの煽り文句をつけるリューガも、黙って構える。

れなの拳が振るわれる。
いつもの何ら変わらぬ仕草が、余計にれなである事を示しているのだが…。




あまりにあっさりと。




…宇宙が消し飛んだ。








「は?」
Fは、あたりを見渡す。
暗黒の宇宙が一瞬で消え、真っ白な空間が顔を出す。宇宙というハリボテを引き剥がされた、世界の本来の姿。

あらゆる星が、世界が、はじめから無かったかのように、消えた。

だが確かに世界はあった。その世界の産物達が、何よりもそれを証明してる。

リューガはその光景を見て驚く事もなく、ただただ屈辱に悶える表情を見せた。
「…やつらの力を借りたのか?そんな事、許されていいものじゃ…!」
リューガは瞬時にれなの前に飛び出し、拳を叩きつける。
れなは吹き飛ばされ、無の空間を飛び交う。

吹き飛ばされた先で、彼女は両足を無に突き立て、足先からまた宇宙を生成した。
無重力の波が襲う。

リューガのすぐ横から、闇姫が出現する。
彼女の動きもまた、今までの闇姫と変わり無い動きだ。華麗に、かつ力強く拳を突き出し、リューガの横頬を殴りつける。
血を吹きながら、リューガは反撃の蹴りを仕掛けようとした。

闇姫は背中の腕でもう一度殴りつけ、一瞬の反撃さえ許さない。
「…っ」
もうこの時点で察したのかもしれない。

究極の理不尽を前にした事を、悟ったのだ。

理不尽を与えていた彼が、今度は受ける側となったのだ。

…声が聞こえてくる。
「その二人は、絶対に負けない事になってます。なので、何をしても勝てませんよ」
男声と女声が混じりあった異様な声が、リューガの耳だけに響いた。

「そんな…そんな訳の分からねえ事が許されるか、クソが!!大体…都合が良すぎだろうが!!」
「ええ、都合が良いですね…」

声が止む。

リューガの頭部と足が、同時に吹き飛ばされる。

れな、闇姫…二人の蹴りが、全く同じタイミングで衝突したのだ。

時間が狂う。突如、今までの戦いが巻き戻され始める。

たった今破壊したリューガの首と足が、巻き戻しによって修復していく。

…が。
闇姫が、首を軽く捻ると…時間が巻き戻されている中で、また別の時間軸が始まった。
「もう戻れないぞ、クソれな」
「分かっとるわ、ボケ闇姫」
どんな上位となっても、二人のやりとりは変わらない。


リューガは、新たな時間軸で尚も抵抗する。
「クソッ…また、またかよ!!また負けんのか!?嫌だ、そんなのは…!!」
れなの拳が、リューガの腹を貫く。
闇姫の手刀が、リューガの手足を切り裂く。
そして、瞬時に再生する。

あまりに大きな存在がぶつかりあい、世界が世界でなくなろうとしていた。

三人は瞬時にミクロの存在となり、宇宙を飲み込み、そして飲み込まれ、またミクロへ、原子へ、世界を繋ぐ回線に戻ったかと思えば、運命が逆行。
時間の概念がないはずの場所で、三人はそれぞれの誕生を追体験した。
未来は、まだ作られていない。その未来さえ作らんと、生き急ぎ、そしてゆっくりと歩み渡り、また宇宙と調和する。


やがて空間は歪む。
歪みすら歪み、それすら歪み、そして一つの形に戻ったかと思うと、また歪む。
世を構成するあらゆる要素が誕生、滅び、原子に戻り、分子が錯乱し、肉体が耐えられず、分裂と消滅、可視化された消滅がまた分裂、宇宙が生まれ、そして滅び、無の中を彷徨い、無を理解し、そしてまた無に悩む。
最早概念すらない。なのに、彼らは殴り合い続けている。
何も見えず、何も聞こえないのに、全てを感じ、押し寄せる叡智に対応し、そして放置し、ある程度形を成せばそれをまた終わらせる。

それは、かつて人間が謳っていた、宇宙の創造だろうか、そして破壊だろうか。
いや、それよりも遥かにレベルが高く、そして原初的。簡単であり、誰でもできる事であり、そしてあまりに長い年月を有する。

百年、千年、百万年、千億年。


殴り合い続けた。


時間は忘れ去られ、別の概念が世界の動きを伝える。
色覚も失せ、光も失せ、闇も失せ、何もかもが新しく更新され。


またミクロに戻る。
原子が還り、孵り、帰り。
生き急ぎ、生き急ぎ、原初へ。
だが記憶は全て保持して。無限の器に記憶を積み重ねて。

何も忘れることなく。



何 も忘れることはなく。


記憶  保持。





に。




 クロに、 され。
還元   による。    にも、  理 かへと謳われる。
ぶん) め  寄越しながら 更   にに
え 宇 うへ  。


。。。



あ      ん    
ち 

か  よ       













へ      よっ    て。




不   とは    だ。













         けではない。






先     へと。

























    れ
























だよ!!」




「ち