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りゅ~ぢがゆく

つまらなき こともなき世に つまらなく

最近、水木しげるさんの『コミック昭和史』を読んでいます

この作品は、日本史的な昭和史というよりも、水木さんが体験した昭和史という趣があります
その水木昭和史の講談社文庫版の第二巻に、【ひだる神】という章があります
この話のなかで、主人公の武良少年(幼少期の水木さん)は、米子に油絵の展覧会を観に行くために、片道30キロの道のりを歩いて往復したといいます
その帰りに強烈な空腹に襲われた武良少年は、クラクラとし、バッタリ倒れてしまいます
この現象を、「ひだる神に憑かれた」と表現し、意味もなく苦しかったとあります
ちょうどすぐ側に、稲穂が干してあったので、これをつまみ食いすると、30分もすると症状は良くなり、家に帰ることが出来たそうです
このエピソードを読んだとき、ハンガーノックとそっくりの症状だなと思いました
これは、長時間の運動を無補給で行った結果、極度の低血糖状態になる、車で例えると、ガス欠のような症状です
僕はまだ経験がありませんが、トレイルランや、登山関係の本や雑誌を読んでいると、よく目にするハンガーノック、いわゆるシャリバテという症状です
水木さんは、後年、柳田国男の本で、ひだる神という妖怪の仕業と知ったと書いています
Wikiによると、ひだる神は、餓死者や変死者の霊と考えられており、人知れず死んだ者が祀られることなく周囲を彷徨う怨霊となり、自分が味わった苦しみを他人にも味合わせようとしているのだといいます
こうして憑かれて死んだ者は、同様の怨霊となり、ヒダル神がどんどん増えてしまうとあります
昔の人たちは、このシャリバテ(ハンガーノック)のことを、餓死者の魂が一時的に憑りついて苦しめるんだと考えていたんですな