妻に先立たれ、唯一の家族だった娘の“絵摩”も何者かに殺害された。
消沈する“長峰”の元に謎の人物からの怪電話が…。
「絵摩さんを殺したのはスガノカイジとトモザキアツヤです」
怪電話が教えてくれた犯人“伴崎”の家に赴いた長峰は、そこで信じられないものを目にする。
二人の男達に蹂躙される絵摩が写されたビデオテープだった。
直後帰宅した伴崎を、長峰は衝動的に殺害してしまう。
犯人は未成年のため、法の裁きはあてにできない。
復讐を決意した長峰は、残る一人“スガノカイジ”を追うために逃走を図る。
復讐は純粋に悪なのか?
法は本当に正義なのか?
裁きの刃は、誰に振り下ろされるのか…!?


少年法がテーマの作品です。
この作品は、どちらかというと、被害者側の復讐の是非に重きを置いています。
なので、どうしても遺族に感情移入してしまい、そちらの視点で読み進めてしまいます。
少年法の是非ではなく、正義はどこにあるのかを問う物語でした。


まず、タイトルが秀逸ですね。
作品をすごく端的に表しています。
わかった時に感動しました。
私は非常に鈍いので、読み終わるまで気がつかなかったのですが(^-^;


どんでん返しもいいですね。
「そこで騙されていたのか」って感じです。
そのおかげで少し救われもしました。
なくてもストーリーに大きな違いはないですが、それだとあまりにも重いです。


少年法がテーマの作品を続けて読みましたが、書き方によってこんなに感じ方が変わるんだなと驚いています。
同じテーマだとは思えないくらいです。


やっぱり東野作品は重いですね。
それでもぐいぐい読まされて、「面白かったぁ」と読み終わるんですが(^-^;
ストーリー展開がいいんですよね、すごく。
一気に読まされる作品でした。
コーヒーショップの店長“桧山”は、娘の“愛実”と二人暮し。
妻は十三歳の少年グループ三人に惨殺された。
少年法に守られた三人は罪に問われることはない。
妻の死について何も知ることのできなかった桧山は、犯人の保護処分が決まった日に、押しかけたマスコミの前で感情を吐き出した。
「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」
四年後、犯人の一人が殺害され、桧山は警察の疑いをうける。
「本当の贖罪をしなきゃいけないから…」
殺された犯人“沢村”が残した言葉を聞いた桧山は、事件の真実を追い始める。
少しずつあきらかになる少年達の本当の姿。
そして、四年前の事件に隠されていたのは…!?


罪を犯した子供を守るための法律、“少年法”がテーマの作品です。
十三歳の少年達に妻を殺された被害者の視点で物語は進みます。
難しいテーマです。
保護派と厳罰派、一概にどちらの側にも立てません。
主人公も犯人を憎んではいるが、少年法の問題には明確な答えを持っていないようでした。
それがかえって読みやすかったです。
犯人への憎しみにだけ視点を置いているのではなく、事件に隠された真実を追い求める。
復讐ではなく、あくまで贖罪を求めていることで、物語に幅を出せている気がしました。


登場人物達の心情にも、大きな無理は感じませんでした。
被害者の桧山も、ただ綺麗事を言っているのではなく、犯人を憎む気持ちは非常に強いです。
ただ、残された娘のことを考え、罪は侵さない。
だけど、その娘に問われた時に真実を伝えたい。その一心で事件を追い続けます。


犯人や動機にもどんでん返しがありました。
真実が一つずつ明らかになり、事件の輪郭が見えてくる。
隠されていることがたくさんあり、主人公と一緒に煩悶してしまいました。
ストーリーにもとても引きずり込まれる作品です。


テーマ、登場人物、ストーリー、非常にバランスの取れたいい作品だったと思います。
作者・薬丸さんの他の作品も、ぜひ読んでみたくなりました。
五年前、何者かに銃撃され下半身不随となった“能見”が、共に襲われ命を落とした“秋葉”の復讐のために舞い戻って来た。
能見の帰還を知った組織犯罪対策担当の公安刑事“南城”は、能見の徹底的な監視を始める。
五年前に能見達を陥れたのは誰だったのか?
公安が能見を監視する目的は?
社会の陰と警察組織の陰。
暗がりで生きる者達の壮絶な戦いが始まった。
車椅子というハンディを背負った能見に、果たして勝ち目はあるのか…?!


久しぶりにハードボイルドを読みました。
最近はハードボイルド自体がやや下火なのか、あまり目にする機会がなかったように思います。
個人的には大好きです、ハードボイルド。
大沢在昌さんや藤原伊織さんなど、貪るように読みました。
そんな私としては、感動しました!
若手の作家さんの良いハードボイルドに出会えたことに。
なんて偉そうに書いてますが、他にもよい作品が沢山出ているのに私が知らないだけです、きっと(ーー;)


主人公の能見ですが、まず、悪い!
悪役じゃないかと思うほどの悪さです。
常識無視、法律無視、冷徹で残酷で、でも、それだけじゃない。
まさにハードボイルドの主役の代表でした。
そして、舞台が世の中の陰の部分、犯罪組織です。
条件が揃いすぎ、って当たり前ですよね。
ハードボイルドなんだから(笑)


それは無理なんじゃ、と思うところもありましたが、登場人物の気持ちを読むほうが大事で、あまり気になりませんでした。
読後感もよくて、ハードボイルド初心者にもよいと思います。


ものすごく連呼していますね、ハードボイルドって(笑)
それくらい私のツボだったんです。
なので評価は甘甘かと思います。