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“立花真樹”は高校生探偵と呼ばれていた。
好きでそうなったのではない。
あまりにも行く先々で事件に遭遇するため、自然と身についてしまったのだ。
その原因は双子の兄“美樹”にあった。
美樹は行く先々で人が死ぬ不運の持ち主、“死神体質”なのだ。
ある日、真樹の通う高校でグッピーの凍死事件がおきた。
アクアリスト(魚マニア)として解決に乗り出した美樹は、自然科学部員達と親しくなり、部員の一人“柳瀬”をいじめた生物部に仕返しを企てる。
だが美樹が乗り出した途端、文化祭の生物部の出し物で爆発がおこり、部長の“相川明日(あす)”を含め、多数の死者が出てしまった。
“明日”の双子の妹“月乃”は真樹の彼女。
美樹と真樹、共に複雑な思いを抱えることとなった。
事件解決に挑む真樹。
二組の双子を巻き込んだ未曾有の無差別テロの犯人は…?


第37回メフイスト賞受賞作家“汀こるもの”の二作目です。
THANATOSシリーズの二作目でもあります。


一作目のように本格を皮肉るという内容ではありません。
前作では触れていなかった、双子達の内面が描かれています。


美樹はどうして精神を病んでしまったのか、真樹はどうしてあんなに冷淡なのか、について触れるための作品のようです。


シリーズものである以上、登場人物について知らなければ楽しめないと私は思います。
広がる人間関係、気持ちの移り変わりや成長、そういったものを読むのが面白いです。
その意味でこの作品は、シリーズにおいてとても重要でした。


魚についての蘊蓄は相変わらずです。
“お魚ミステリー”と言われるくらいですから(笑)
そのほかにシェイクスピアについても熱く語っています。
『ハムレット』などになぞらえて、登場人物の気持ちを語っているのですが、せつないです。
シェイクスピアは悲劇が多いですもんね。


一作目と比べて辛口の評価も多く受けている作品ですが、私はむしろこちらのほうがいいと思います。
テンポよく読める文章ですし、なにより“シリーズ”を続けて読ませる力があります。
常々思うのですが、メフイスト賞作家は二作目からがいいような気がします。
この作家さんもその一人です。


これからもこのシリーズから目が離せません。