先日、女王虐殺という舞台を観劇した。
2022年10月26日(水)~30日(日)までの5日間で全8公演
そのうち7公演も見てしまった。
私が応援している日和ゆずが出演し、そこそこ活躍しているうれしさもあったが、それを差し引いても名作と断定していい作品であった。
生への渇望を演者それぞれが見事に表現していた。
熱量にあてられた自分も妄想がいまだ止まらないでいる。
特に、実体を持たないキティーというキャラクターについては様々な解釈がなされており、いったい何者だったのか?と憶測は広がるばかりで、とうとうキティーについての考察文を書いてしまった。
ちなみのここの文章は、ネタバレを基本に作成されており、無駄に長文だし、舞台を見た人でないと面白みがこれっぽっちもないので、間違って迷い込んでしまった方やお忙しい方は戻るべきところへ戻ることをおすすめします。
この先はどうかしている人だけお読みください。
自分は観劇中しばしばシュトロハイムが「ドイツの医学技術は世界一ぃぃぃ~」と脳内で叫んでいたくらいJOJOに脳をむしばまれているので、謎多きキャラクターであるキティーについては次のように考えた。
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(1)キティーはスタンド使いアンネが生み出した
アンネのスタンド名は「ダイアリー」である
能力は日記帳に書いた人物を幻影として生み出し、アンネ自身そして周囲の人間に見せるものである。
アンネの想像エネルギーが強い時ほど強力であるが、必ずしも発現するとは限らず、周囲の人間は存在を認識するほど顕現しやすい。
生み出した幻影は人格と個性を持ち人の心を渡り歩く。
アンネが日常つづっていた日記の主要登場人物としてキティーがいた。
(2)マルゴットはキティーを連れ出す
キティーはしばしば幻影として登場していた。そのため、常に行動を共にする姉のマルゴットはこの奇妙な現象を知っており普段は意図的に否定することで幻影を消していた。
ある日、友人たちとイケメンとのロマンスの話題になり、カタブツな姉は夢見る乙女にもならねばならぬと説きふせられ、イメージの世界で遊ぶため幻影を受け入れ、映画館でロマンスを味わいにキティーを連れて出かけた。
(3)アンにはなぜキティーが見えたか?
姉妹とたまたま同調しやすかったかもしれないが
空虚なアンの心に幻影は入り込みやすかったのだろう。
アンの閉ざされた心の壁は実在する人間には通用するが、実在しないキティーは容易にすり抜けてしまったと考えられる。
すなわち、アンの心はキティーに対して無防備な状態であり、遭遇した瞬間からキティーを人として認識し、殺害対象としてしまう。
アンに刺されたキティーは死ぬ間際に呪いのような言葉を残し消える。
(4)アンの心に巣食うキティー
軍の追っ手であるアン、逃げる姉妹。
アンに追い詰められ絶対絶命な状況でマルゴットが妹アンネに日記を書きキティーを呼び出すよう促したのはアンがキティーを見たことを知っており、ワラをも掴む気持ちで撹乱を狙ったのだと思われる。
そしてそれは奇跡的に成功した。
アンの心に死んだキティーが亡霊のように取り憑いたのである。
キティーはアンの心に揺さぶりをかけ、とうとう姉妹を生かし続けることを決断させてしまう。
スタンドによる精神攻撃おそるべしである。
(5)アンはどうかしている
幻影キティーに住み憑かれ洗脳状態のようなアンの心はもろく「どうかしている」ので、姉妹とその仲間たちからの甘い誘惑にあらがうことができずしだいに彼女らと心を通わせてしまう。
ただ、軍の追っ手は厳しく隠れ家は破壊されマルゴットは瀕死の状態となってしまう。
ほっておけばいいもののアンはマルゴットの首筋を噛み、自分と同じ呪われた不死のからだを与えてしまう。
アンの脳内でキティーは言う「お友だちができたね」。
その後もアンは姉妹の逃亡の手助けをし、とうとう家族の元へ帰れる所まで送り届け、マルゴットに不死の代償について親切に教えたのちに軍に帰投する。
(6)収容所に現れたキティー
物語は進み、仲間たちほとんどが収容所に送り込まれてしまう。
列車に乗り込む際、今後かすかな望みすらないことを暗示するようにアンは日記帳をアンネから没収してしまう。
過酷な生活を強いられるが、スタンドの発動条件である日記を手にしてないアンネはキティーを呼び出していない。
眠れない夜、汚物処理のため寝所を離れた姉妹の元に暗やみにまぎれてアンが接触、近々収容所を脱出する計画とともにアンは日記帳をアンネに返す。
この行為によってアンとアンネのパスが繋がりキティーは2人の間を自由に行き来できるようになる。
そして物語のクライマックス前の静寂
キティーが現れ脱出決行の日が来たことを告げる。
(7)日記(ダイアリー)の暴走
脱出決行の日、人体実験の失敗…いや成功により収容所内がもみくちゃになり、仲間たちもしだいに兇状の渦に巻き込まれ一人また一人と悲しい最期を迎えてしまう。
残り4人となり、追い詰められ耐えきれなくなったアンネは立ち止まりなにを思ったか日記を取り出し、マルゴットとティナの制止も振り払い、わき目もふらずに日記を書き続け、現実から目をそむけ続ける。
きっとアンネはかつて日記を書くことでアンからの追究を逃れたことを思い出したのだろう。いなってしまった友だちの幻影を次々と生み出す。
切羽詰まった状況を逃れたい思いは強くティナの目にも幻影は映り、ティナは翻弄されるがアンが制止。
ティナ、スペックの高さが災いしたか、追いついた虐殺隊エンゲルの存在を最初に気付き銃を構えるもあえなく眉間を撃ち抜かれてしまう。
ティナの命を奪うエンゲルの銃声で幻影は姿を隠しアンネは正気に戻る。そしてアンによる虐殺のワルツが始まる。
(8)キティー、アンネの元に帰る
すべてが破壊し尽くされたのちにアンの心に居候していた死せるキティーはアンネの元へと戻り、スタンド使いアンネの力で再び生を得る。
キティーの洗脳が解けたアンは元の暗やみの世界へと帰ることとなる。
アンの最後のセリフ、「地獄だった」はキティーに憑りつかれていた期間を指し、元の「暗闇の世界」に戻ることでむしろ安寧を得たとも解釈できる。
そして恐るべきはスタンド使いのアンネ、見事にスタンドを駆使して自らの身を守ったと言える。
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ここで半分以上妄想な考察は終わりです。
きっと脚本家の意図とはかけ離れていますが、様々な解釈があっていいとカーテンコールでどなたかがおっしゃってました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
それにしても、あんたもヒマねw
