大阪のG20が閉幕しました。
サウジの皇太子が、安倍総理の真横の位置で写っていた集合写真が印象的でした。
成功裏に終わって何よりです。
まあ、極東周辺は、まだまだざわついてますが、サウジは相も変わらず気温45度をキープしています。
で、日中を避けて、午前6時ごろ、コンパウンド内を散歩するのを習慣化している私ですが、最近、めまいがするのです。朝6時といっても気温は30度を超えており、更年期でホルモンバランスも狂ってます。
まあ、鉄分や葉酸を取るべく”ほうれん草”を買うべ(私も短絡的)・・と今朝は久しぶりにショッピングバスでスーパーに買い出しへ行きました。
早速、野菜売り場へ行くと、いつもほうれん草が置いてある売り場は、ほとんど空の状態。
暑いので、ローカルの方達もサラダを食べられるのでしょう。青菜が全くない・・売り切れ状態。
どうしよっかな〜と立ち往生していると、青菜てんこ盛りのカートを押したおじさんが足早に向かってきます。
あ、ラッキー!新鮮なほうれん草が買えると喜んだのもつかの間・・
このおじさんの後を、大勢の黒装束および白装束の皆様が追ってきた
その様は、まるで「ハーメルンの笛吹き」
オヤジが売り場にカートをつけるなり、黒装束・白装束がガンガン声を掛ける。
「パセリを5束!」
「コリアンダーを3束とネギを2束!」などなど・・。
彼のカートに山積みの野菜はミルミルはけていく・・。
私など、皆様のお尻の圧力に弾き飛ばされ圏外から・・「ホ・ホ・ホ・・・」とウグイス状態
周りの皆様、私より背が高いし、幅も2倍くらいある。もう、迫力負けなのです。
ほとんどの人が去っていき、やっと、おじさんが私の方を向いて、目で何が欲しい?と合図してきたので、
やっと「ほうれん草3束」と伝えた。
そうすると、オヤジ、右手の親指と他4本の指をすぼめて、前に突き出した。
これ、”ちょっと待っとけ”のジェスチャーなのです。
で、私は待った。
が、人の数は減ったものの、オヤジさんの周りには、入れ替わり立ち替わり黒装束や白装束が野菜を買い求めていく。
私は、辛抱強く待った。忠犬のごとく待った。
そうしたら、黒装束の一人がおじさんに向かって何か言った。オヤジは何か答えた。
すると、黒装束が、私に向かってきれいな英語で「貴女の欲しいものは何?言ってあげる。」と、ありがたい申し出をしてくれた。そこで、彼女に「もう伝えた。彼がちょっと待っとけって言ったから、待ってる。」と返事した。
彼女は、わざわざオヤジに真偽を確かめてくれ、何が欲しいのか改めて聞いてきたので、ほうれん草・・と答えると、「あら?季節外れなのに、おじさん、ほうれん草持ってるの?」と聞いてくるので、オヤジに、また、ほうれん草?って聞くと、オヤジは、また待てのジェスチャーを返してきた。
すると、今度は、黒装束が、私のほうれん草に興味を示し、一緒に買いたいと言い出した。
「季節じゃないのよ。今、どこにっても、ほとんど置いてないわ〜。彼が持っているならかっちゃおう!」
と、勝手に乗ってきた。まあ、私は3束あればいいので、全然構わなかったが、彼女からは、その後、熱心な身辺調査があった。
「サウジには、どのくらい?」「どこからきたの?」「どうしてサウジに?」「何をいつも調理するの?」
「アラビア語喋れる?」「いつも、何をしてるの?」
なかなか、質問が止まない・・。そうこうするうちに、会話に他の黒装束も加わり、日本食の話や、来年の東京オリンピックの話をして、盛り上がった(笑)。
みなさんの顔は覆われていて、表情が見えないのが残念だったが、目はキラキラ輝いていた。
黒装束のおばさんは東京に言ったことがあると言っていた。日本は、なかなか人気らしい。
そうこうしてるうちに、おじさんがほうれん草の袋を持ってきた。
アラビア語との通訳をしてくれた黒装束は、ちゃっかり10束買って、ご機嫌で去っていった。
そして、最後に、親父は袋を一つとり、その中に残ったほうれん草20束近くを全部詰め込み、私に渡した。
びっくりして、3束だけだよ〜と伝えると、、
袋の上に値札をパンッと貼り「ハラース(おしまい)」と大きい声で言った。
値札を反射的に見ると日本円で100円弱だった。
親父は、私の方を見て、指でOKのサインを出し、ニタ〜と笑った。
海外に住むと、時々、思いもよらない交流がある。
それがサウジだと、ちょっと感激する。