ラマダンとはイスラム暦で9月を意味し、イスラム教徒にとっては聖なる月。
この月、彼らは日の出から日没まで一切の飲食を断つ、、、ことは、日本でも認識のある方は多いと思う。
私も中東に滞在する前までは、そのくらいしか認知していなかった。
ただ、ここ10年、赴任地が、、、北アフリカ⇨東南アジア⇨中東とイスラム教徒(ムスリム)が多勢を占める国のため、自然とラマダンの習慣も覚えるようになった。
今回は、ラマダン中に非ムスリムが直面する”ラマダンあるある”。
1)ラマダンは毎年11日ほど早まる。確か去年は5月16日からだったが、今年2019年は5月5日から開始。期間は約一ヶ月だが、最終日の決定は”月”の確認で決定される。天候などの都合で時折1日くらい遅れたり早まったりする。(⬅︎断食している人にとっては結構スリリングな気分らしい。)
2)ラマダン中は食事だけでなく水も飲まない。唾液さえも飲み込まない人もいるらしい。以前(昔〜ね)、ドバイを旅行していた日本人が、路上で、携帯していた水を口に持っていったら、ポリスから注意されたと言っていた。我々も、外出先では水は飲まないようにしている。
3)サウジではラマダン中、レストランやカフェを含めほとんどの店舗は夕方まで開かない。かろうじて日中開いているのはスーパーマーケットのみ。これら店舗は夕方から深夜2時くらいまでの営業となる。
4)ラマダン中は、店舗のみならず、日中は、ほとんどの機能が停止している。診療所も同様で(ドクターもラマダン中)、例えば、夫の行きつけの歯医者は夕方5時から夜11時までの受付。
5)非イスラム教徒はラマダンは厳しく辛い修行と思っているが、イスラム教の人たちにとってラマダンはイベントてんこ盛りの月でもある。日没後の最初の食事をイフタールと呼ぶが、この時に豪華な食卓を家族や友人と囲む。毎日、元旦のような状況が延々と一ヶ月続くのだ。人と会って、高カロリーな料理を毎日食べて、、正直言って太る。
6)ホテルやレストランは、この時期が一年で一番の掻き入れどき。どこも豪華なビュッフェメニューを売り出す。
7)ラマダン中は渋滞がひどくなる。特に、午後は運転が荒くなる人が多い。日没前に車に乗っていると、結構怖い。
8)7〜8歳でも断食している子供がいて(個人的に)びっくりした。
9)許される人は、皆、ヨーロッパなどへ脱出するので、この月、サウジに住む外国人は日中、暇。コンパウンドはガラガラ。結果、毎日余分なケーキを焼き、余分な食事を作るという不毛な作業を繰り返す。暇。
今日も作った”食べる人がいない”レアチーズケーキ。
私にとってラマダン月とは、美食と胃腸薬と整腸剤が必須の月である。