海外駐在はストレスだ。

日本国内の生活だってストレスたまるのに、これが海外、それも言語も違えば食べ物も習慣も風習も違う場所へ、家族丸抱えで数年移住するのである。

旦那は一旦オフィスに足を踏み入れれば、国は違えど自分のホームグラウンド。

 

だけど我々、駐妻たちは違う。

英語が通じれば御の字。そうじゃない国だってたくさんある。

見慣れない文字表記を判読し、隣近所への挨拶もどの言葉でおこなばいいのか悩む。

トイレの標識が男女判別しにくい国もある。使用方法も様々。

子供がいれば学校の問題がある。日本人学校があれば御の字。

ないところではローカルまたはインターナショナルスクールで他のママたちとイベントを行わないといけない。

スーパーに行ったって、最初は売っているものが謎で検索しまくる。

レストランに行ったってメニューが読めるとは限らないし、読めても何かわからないものは沢山ある。

つまり、駐妻たちは日々アウェイで生活を強いられる。

 

そんな駐妻になって今回は4カ国目。

ちょうど1年前にサウジアラビアの首都リヤドに赴任の辞令をいただいた。

今までなら赴任前に簡単なガイダンスがあるのだが、今回は全くなかった。

不思議に思って問い合わせると「サウジ生活に関しての情報は提供できるものがございません。」

と返事が来た。

 

ちょうど1年前の2016年春、

情報を全く持たないままの私は砂嵐で風吹きすさぶ乱気流を振り切って謎多きサウジアラビアという国へ到着した。

リヤドの空港は厚手のコートが欲しいくらい寒かった。

だがコートを羽織るのは許されなかった。

 

女子は空港到着時にアバヤと呼ばれる、あの有名な黒い衣装を着ないといけない決まりがあるのだ。

 

黒いアバヤをまとって空港の到着ゲートから一歩外に出た私を砂嵐の熱風が包み込んだ。これぞアラビア流ウェルカムサービス!

 

サウジアラビアへようこそ。

1年前のこの日、私のリヤド生活の幕が切って落とされた。