諸君、我輩はDr. 104、
頑固で理屈っぽく後輩には超ドSで自分には甘い工学博士でありながら、
その反面、他人の日記に非常に感化されやすいという一面を持つ者である。

我が親友の033Masami君(我輩の友人達は基本的にコードネームで呼び合うのだ)が、
「西野公論風」というタイトルだけでも非常に期待できるオモシロ日記を書いていた。

当然ながらこれに乗っからない者など研究者として失格である。


お金のことを真剣に考えた。

昨日の晩メシの後に、親からお土産にもらった杏仁豆腐を食べたんだけど、
なぜか今朝から下痢気味。
案の定、賞味期限切れ。中国人もビックリのケアレスミス。
やっぱり親ってもんは油断できない。

トイレの中。なんともやりきれない気持ちになったので、
僕はお金のことを真剣に考えてみることにした。
お金を得るにはどうすればいいか、お金を得たらどうするか、という辺りを重点的に考えた。

別にお金を得ることってのはそんなに難しいことじゃないと僕は思う。
不況だなんだとか世の中の人は文句をタレているけど、
失業保険とか生活保護って便利な制度もあるわけで、
最悪空き缶拾ったってお金になるんだし。
アホみたいに月並みだけど、死ぬ気になって頑張れば稼ぐ手段なんていくらでもあるんだと思う。

僕は大学の教員というお金の稼ぎ方を選んだ。
別に特別かっちょいい理由があるわけでもなく、僕じゃダメだってほどの特別な才能があるわけでもない。
僕にはそれが一番合っていそうだったし、何より楽しそうだと思ったからだ。

確かに給料は決していいとは言えないよ。
同級生たちはみんな、27歳までチンタラ勉強してた僕よりいいお給料もらってる。
大学の教員なんて、割りに合わないって博士仲間はみんな言うよ。

でも僕は思ったんだ。
自分のやりたい研究を自分だけの能力と責任で突き詰めていって、
いつか大勢の人たちの役に立てるかもしれない。
それが無理でも、少なくとも自分の大好きな人の役に立てる研究だって自由にできる。
よくわからない目的のための何かの大きな機械の歯車って形じゃなくて、
誰か大切な人のための何か大きなそのものになることができるんだ。うまくいけばだけどね。
僕が世界の技術の最前線でやっていく力がなくなったときは、
迷うことなく僕を斬り捨てて、僕の屍を踏み越えて最前線に立ってくれる若い力を育てることもできる。

それは少なくとも僕にとっては、もしかしたら役に立てるかもしれない僕の大好きな人たちにとっても、
死にかけの僕にとどめを刺して屍を踏み越えていく僕が育てた誰かにとっても、
素敵なことなんじゃないかって思ったんだ。

僕は大学の教員というお金の稼ぎ方を選んだ。
僕は大学の教員というお金の稼ぎ方を選んだんだ。

この選択が正解なのかわからないし、誰かに文句を言われる筋合いもないけど、
今のところ、僕の人生はとても楽しい。

ってことを朝からかれこれ4回ほど籠りに行ったトイレで考えていた。
母さん、あんたの愛情はこの僕の胃腸がしっかり受け止めたよ。
みんな、親孝行しようぜ。


確かに、033Masami君が言うようにタイトルだけでけっこう出てくるものである。

これほど胃腸が不調(何故か韻を踏んだようになってしまった)であるのに、
これから3時間ほど美容室でパーマをかける予約をしてしまった。
非常に心配である。

体調管理は社会人の責任という誰かの言葉を思い出した。

ところで、今朝、我輩の博士論文が教授会で審議され、学位の授与が正式に承認された。
かれこれ9年間大学に在籍し、6年間研究した成果がこの学位に集約されているのであるが、
その何より願っていたはずの吉報は、驚くほど私に何の感動も与えなかった。
そんなもんである。

それでは、ごきげんよう。