非浸潤がんは完治するんでしょ? | 乳がん検診の不安・悩みを解消して日本の女性を乳がんから守る 乳がん検診伝道師 外科医 高橋 保正のブログ
<御質問>
10年前に非浸潤がんの診断を受け、温存手術を受けました。

先日、再発しているかどうか確認の検査をするようにと言われました。

今までホルモン治療も放射線治療もしておりません。

マンモグラフィによる検診も定期的に行っておりますが、
今のところ何も見つかっておりません。

先生のブログ(http://blog.smile-again.net/?eid=1145745)によると、
温存手術単独における8年の再発率は約27%と書いてあります。

質問なのですが、上記のような場合、
再発確認検査は行ったほうがいいのでしょうか?

また、検査結果に関係なく放射線もしくはホルモンによる治療を
行ったほうがいいのでしょうか?

私は完治したと思っていたため、寝耳に水で少々戸惑っております。
漠然とした内容で申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。


<高橋保正のお答え>

お問い合わせどうもありがとうございます。

ご心配なことと存じます。

非浸潤がんは、温存手術だけでしたら、乳房内再発率はご指摘の通り
30%ほどございます。

ですから通常でしたら放射線治療を、残った乳房におこなうことが必要です。

ただし放射線治療により、乳房内再発率は約10%まで下がりますが、
ゼロにはなりません。

今、大切なのは定期検査で乳房内再発や反対側乳房の再発を
早期発見することです。

非浸潤がんは早期発見し治療を行なえば治癒が望めるものです。

でも、あらたな乳がんが発生する可能性はゼロではないのです。

このあらたな乳がんも含めて、再発という言葉を使用しますので、
混乱するかもしれませんね。

私の場合は、非浸潤がんの術後の患者様には半年ごとにマンモグラフィと
乳房超音波、さらに胸腹部CT検査を行ないます。

行わなければ新たな乳がんを早期発見出来ないからです。

非浸潤がんが完治するということは、一生乳がんにならないという意味では
ございません。

その部分については完治、周囲及び反対側乳房については、
引き続き定期検査は必要ということです。

女性は、一生乳がんの定期健診が大切なのです。

お問い合わせに感謝いたします。

これからも、よろしくお願いいたします。