トラスツズマブ(ハーセプチン)の有用性 | 乳がん検診の不安・悩みを解消して日本の女性を乳がんから守る 乳がん検診伝道師 外科医 高橋 保正のブログ
トラスツズマブ(ハーセプチン)に関するお話をさせていただきます。



ハーセプチンは分子標的治療薬に分類されます。



今日は、ガイドラインからの抜粋引用です。



「HER-2 陽性早期乳がんにおいてトラスツズマブは有用かどうかの検討



<結論>

HER-2陽性早期乳がんに対してトラスツズマブ投与は有用である。

・・・推奨グレードB(エビデンスがあり、推奨内容を日常診療で実践するよう推奨する)



<解説>

NSABP B31はHER-2陽性、リンパ節転移陽性乳がんで、AC-パクリタキセル順次投与に、トラスツズマブを1年間投与する上乗せ効果を検討した。



N-9831はHER-2陽性、リンパ節転移陽性あるいは高危険群のリンパ節転移陰性乳がんで、AC-パクリタキセル順次投与にトラスツズマブの1年間追加の効果を検討した。さらに、トラスツズマブをパクリタキセルと同時に開始するかあるいは順次投与するかで、効果や心毒性に違いがあるかの検討がされた。



NSABP B-31とN-9831を合同した解析では、フォローアップ中央値2年の時点で、52%の有意な再発リスクの減少と33%の有意な死亡リスクの減少を認めた。



トラスツズマブをパクリタキセルと同時に開始するかあるいは順次投与するかについては未だ結論づけられないが、トラスツズマブをパクリタキセルと同時に開始する群のほうが、順次投与より33%の再発リスクの減少を認めた。



しかし、心毒性の発現は同時開始群の方が高かった。



乳癌診療ガイドライン 薬物療法 2007年版より抜粋引用」




皆様からご質問をいただく度に、身が引き締まる思いがします。



たくさんの方が、御自分のこと、お友達のこと、愛する方のことで悩まれていらっしゃいます。



そしてその中で思い切ってご質問を下さる方はとっても勇気が必要なことと思います。



その熱い思いにお応えすべく、私も全力で取り組ませていただきます。



明日もハーセプチンの続きのお話をしますね。



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