祝退院㊗️


術後の経過についての記録。


術後は身体に管やフットポンプなど付いて病室に戻った。

もちろん抗生剤の点滴もガッツリやった。


術直後は痛みがはっきりしていなかったが、徐々に頭がハッキリしてくるとともに痛み方も少しずつ理解した。

持続的に注入されている硬膜外麻酔のお陰で痛みは思っていたほどではなかったが、手術した日の晩はなんとなく前の方がゴロゴロとした感じで痛くなり、ロピオン注をルートから1回入れてもらった。


取った子宮はホルマリン漬けにしたものをもらいたかったが難しいそうなので、病理検査の時に撮った写真を後からもらえることになった。


こういうお願いをされたことはない、さすがお医者さんですねと看護師に言われた。

医者であろうとなかろうと、自分の腹の中で人生をともに歩んできた子宮、あんな大量出血をしてきた子宮がどんな顔してるのか、普通見たいと思わないか?


ロピオン注が効いて痛みが治まり、熟睡できた。




術後1日目

尿バルーンカテーテルと腹腔ドレーンが抜け、自力歩行ができるようになったので、深部静脈血栓症予防目的のフットポンプも外れ、かなり自由になった。

五分粥の食事と、セレコックス(痛み止め)1日2回の内服が始まった。


残るはぶっとい20Gの点滴ルートと背中に入った硬膜外麻酔。

持続的に硬膜外が注入されていたので、薬液の入ったボトルがネットに入っていつも身につけて動く必要があった。


硬膜外麻酔のボトルネットには紐がついており、トイレに行く時うっかり紐を首にかけずに立ち上がると背中から抜けてしまうので、そこは注意していた。


痛みは麻酔のお陰か術後1日目は意外と痛みを感じず、意外とへっちゃらなんだなと思っていた。

ただ、麻酔の影響か、内腿のあたりの感覚がぼんやりする。

あと、なんとなく身体が痒い感じ。

でも湿疹とかそういうものはなかった。

薬疹ぽい感じでもなかったので、様子をみていた。




術後2日目

硬膜外麻酔の管が抜け、点滴ルートも抜いた。

食事は五分粥。


恐る恐るトイレに行き、そろーっとトイレをしてみたら、尿は自分でできた。

ほっ…


硬膜外麻酔が抜けると結構痛みを訴える患者が多いと看護師が言っていたが、実際抜いてみてしばらくすると、なんというか腹壁がジワジワとする感じがしてきた。


ジワジワ感は術後2日目は終日続いた。

昔、疲れて20時間くらい爆睡して起きた時に感じた腹壁の違和感に似ていた。


硬膜外麻酔が入っていた時にはなかった感覚なので、地味に麻酔が効いていたんだと思う。

点滴ルートを抜いた後だったのでルートから入れれるロピオンは使えず、とりあえずロキソニンをもらった。


硬膜外麻酔が抜けたら身体の痒みは自然となくなった。


夜に主治医が回診で来てくれて、手術中の状況について教えてくれた。

子宮の重さは292gだったとのこと。

正常な子宮の重さは40g〜50gなので、自分の子宮は約6倍程度の重さ。

大きくて表面積の広い子宮からはその分出血も多かったことがわかる。

癒着はほとんどなく、術中の出血量も少なく、術中は問題なかったとのことである。




術後3日目

腹壁のジワジワ感はきれいに治まり、一皮むけたレベルで元気になってきた。

特別に腹圧をかけなければ自発的な痛みはほとんどなくなった。

食事は全粥になった。


腹腔鏡の傷口に当てていたガーゼが取れ、ステリテープのみになった。

シャワーOKとなった。


術後3日目の課題は排便だった。

看護師によると、術後はみなさん腹圧がかけられないので排便に苦労するとのこと。


自分も腹圧をかけたら腹の中の縫い目がブチっといってしまうような気がして、怖くて腹圧がかけられず排便に苦労した。


酸化マグネシウムを1回660mgでもらい、しばらくするとお腹が動いてくる感じがし、トイレで小分けにしてソロソロと頑張った。


おかげさまで小分けではあったが排便に成功!

汚い話だが、食べるのと出すのはセットで非常に大事。

元気な時には当たり前のことかもしれないが、これができるようになって、ハードルを一つクリアできたと思った。




術後4日目

みるみる回復していく感じだった。

食事は普通食。


退院前診察があった。

なんと診察は男性医師。

傍らに看護師がいてくれたのが救いだったが、診察が男性というのは普通に考えるとキツかった。


医師はとてもビジネスライクに接してくれたので、それはありがたかった。


傷の治りは順調で、腹水もなく、問題なしと言われた。


その日、病院内のコンビニに行き、ハーゲンダッツのアイスを買って食べた。

術後初めて食べるおやつ。

美味しかったー^ ^


ちなみに下からの出血は手術によるものがほんの少しあったのみで、子宮からとめどなく出てくるあの出血はもうない。

思えばトイレに行く回数も減った。

大きな子宮に圧迫されて今までは頻尿だったんだと気がついた。


背中にずっしりとのしかかっていた重い十字架がなくなったような爽快さ。

手術して本当に良かった。




術後5日目

いよいよ本日退院。

最後くらいデイルームにあるコーヒーを飲んでみようと思い、コーヒーを買った。

春の暖かい光が差し込む窓から外を眺めつつ、熱いコーヒーを飲んだ。


コーヒーを飲んでいる最中、なんだかわからないが、また涙が出てきた。

嬉し泣きだと思う。

40代後半になってこれほど子宮に泣かされるとは思わなかった。

考え方にもよるだろうが、自分の場合は全摘して正解だったと思う。


いやー頑張ったな、自分。

そして、先生とスタッフの皆さんありがとう。


病衣を脱ぎ捨て、久々にメイクし、退院する準備は万端。


看護師に挨拶をし、スーツケースを引いて、意気揚々と病院を出た。


久しぶりの外はとても暖かく、気持ちが良かった。

思わずスキップしそうになった。


第二の人生の始まりだ⭐︎