ヒアルロン酸大量注入について

症例について

20代女性。遠方からいらしてくださいました。
地元のヒアルロン酸注入の専門クリニックにカウンセリングに行かれ、「最低でも４本は必要」、「治療後何度かマッサージをしに来るように」と言われたとのことでした。
私のおでこのヒアルロン酸注入の方針である「できるだけ最小限に、直後からマッサージは不要」を見つけてくださり、またYouTubeなど動画をご覧になって直後の仕上がりを気に入ってくださりご来院していただきました。

一旦、ヒアルロン酸2本入れて確認してもらい、もう少し高さを出したいとのことで1本追加しています。（合計3本使用）
3本で、凸凹のない自然な丸みのおでこになっています。

ヒアルロン酸大量注入について

Facial Overfilled Syndrome（顔の入れすぎ症候群）について

最近の、ヒアルロン酸大量注入について考えてみます。

ちなみに、ヒアルロン酸を顔に入れすぎてしまい、いわゆるヒアル顔と呼ばれる状態を“Facial Overfilled Syndrome" と呼びます。

こうなってしまう理由としては、医師の技量の問題や、注入するヒアルロン酸製剤の選択ミスなど、同じ治療を行なったとしてもクリニックや医師が変われば回避できることがあります。

また、そのほかの理由として、特にヒアルロン酸注入を専門に行なっているクリニックに多いと最近私は感じているのですが、「ヒアルロン酸だけで若返らせることに非常に力を入れている！」ことがあります。

若返りを行う上で、ヒアルロン酸や脂肪によって凹みを埋める、もしくはリフトアップするように入れるということは必要ですが、このことばかりに力を入れすぎているクリニックがあります。顔全体の若返りを行うのに、おでこで４本以上から始まり合計１０−２０本入れることも珍しくありません。こういう入れ方をすると全てが“Facial Overfilled Syndrome"になるわけでは無いのですが、可能性は高くなります。

額に最低４本以上は妥当か？

話を額に戻しまして、おでこに４本や５本のヒアルロン酸注入を入れる必要があるか考えてみます。

ブログで紹介しているおでこの注入の方を並べてみました。

この方達は全て１−３本で行なっています。

どうでしょうか？患者さんのご希望によって入れる部位は変わっていますが、３本以内で十分な丸みかつ自然な形ができています。

この方は、他院で４本入れられて不自然な形になって、当院でやり直しましたが、使用した本数は３本です。

私の結論は、「おでこに４本以上入れる必要はない。多くても３本で十分です」

４本以上勧められた場合は、一度本当にその量が必要かどうかドクターと相談してみてください。

額のヒアルロン酸や脂肪注入について

・顔のヒアルロン酸注入の中で、額は比較的難易度が高い部位と美容外科の教科書には記載されています。ただ、凹んでいるところを埋めるのではなく、滑らかな卵型のカーブを描く様、さらに凸凹にならない様に丁寧に治療を行う必要があります。韓国や、上海で多くの額の治療を経験し、海外の学会での額の治療を勉強する中で私なりに理想的な方法を考えました。

・東洋人にとってどの様なおでこの形が美しいか、患者さんのおでこがチャーミングポイントとなり、美しさが最大限に引き出せる様考えて、形や量を調整しています。

韓国では、美人コンテスト優勝者が一般女性よりおでこのボリュームが多いという報告があります。しかし、私は、多ければ美しいというわけではなく、顔全体のバランスを見て、必要あればおでこのボリュームを増すことで美しさを引き出せると考えています。

『韓国人で検証。美人コンテスト優勝者は、おでこのボリュームが多いのか？』韓国のDr.キム先生が発表した、美人コンテストで優勝した43人の女性と、48人の一般の若い女性を比較した文献の紹介です。この文献は、韓国の美人コンテスト…