上の写真、東京2020のトライアスロンとパラトライアスロン大会後に「レガシー」の話題になりました…


あの興奮のなかなか冷めやらない帰り道、自分に何かレガシーめいたことが出来ないか?と考えました。


神経内科医として、リハビリテーション科医として、救急医として、スポーツのメディカルサポートもまだまだ出来るつもりでいるけど、そろそろ「年齢に合った生き様」にギアチェンジするのも大事だな、と考え始めました。


その結果、パラトライアスロンに新しく入ってくるパラアスリート達の、国際大会に出る際のクラシファイアになるのも良いなと考え始めました。パラリンピックをはじめとする、国際大会には、国内大会とは異なる厳しい基準が設けられています。クラス分けして、6つのメダル競技(PTS2〜5、PTWC1(昔でいうH1)と2(同様にH2)があるのです。筋力、関節可動域、四肢切断、筋緊張亢進(必ずしも錐体路系症状とは限らない)、アタクシア(神経内科で診るものより、評価は難しいです)、アテトーゼ、視力障害の7つの障がいに関してそれぞれ点数をつけて、合計点を出した上で、スイム、バイク、ランの3つの競技場面を見て、調整をして最終判定をするのです。とにかく判定結果に影響する要素は何十通りとあるため難しいですが、やり甲斐がめちゃくちゃあります。


その結果、少しコマを早送りすると、今回のスウェーデンでのナショナルクラシファイア資格講習会に参加する道を選んだのでした。今回のメンバーは、下の写真の通りです。スウェーデンとフィンランドの合同開催となりましたが、地元の方々と、イタリア、アイルランド、そして日本から私が参加しました。

実際に、パラトライアスロンの国内大会で今まで活躍していて今夏から国際大会に出る予定の男女2名のクラシフィケーションに参加し、本来は2つ上の資格でなければ許されないのですが、神経所見について意見を述べることも出来ました。


神経内科医として、患者ではなくパラアスリートたちに取り組むということは、頭の切り替えが肝心です。


本来であれば、定期的に飲むべき(病院、という現場では薬物療法が主になりますので)薬を飲まない状態で運動をさせ続けることは、病院内で活動する神経内科医としては、あり得ないことです。


しかし、ドーピング、という別の問題がスポーツ界にはあるのです。薬を使わずに、何年もそのアスリートが競技を続けられるように手伝うのは、これもまた大変なことです。


早く上の有資格者になり、優秀なアスリート発掘を手伝い、そして後を継いでくれる後輩たちを早く育てたいです。