ダメだー。
 思い切りへコんでます。
 これが1RKOってものか。
 もうボコボコ。

 看護師カンファレンス(症例検討会)に引きずり出されました。
 木曜恒例なんですけど。
 医師1人と看護師軍団のバトルです。
 いじめられた・・・・・・。

 本来なら、今週はわたしの番じゃなかった。
 なんでわたしが?
 看護師があんな専門知識を持って・・・・・・あっ
 はめられた。

 裏切ったな。
 わたしを売ったんだ。
 「♪いろいろ言われてへコんだってーも気にせずにいけばいいなしー みんなジャンプでヒャッハー やなこと忘れてヒャッハー! ♪」
 いつもなら笑えるけど、きょうはイラッとする!
 
 北陸道の夜間バス事故。
 新聞は毎日同じ見出しです。
 ドライバーの責任だとか。
 睡眠時無呼吸症候群(SAS)だった。

 バス会社も、いち早く会見を開いたそうですね。
 それはすばらしいと思います。
 産業医が、運転には支障がないと言ったから乗務させたって。
 他人になすりつけるなっ!

 本当にそうだとしたら、産業医としては×ですよ。
 説明が足りなかったと思います。
 SASの向こう側に何があるのか。
 怖いのはそこにあるものですから。

 SASが危険じゃないんです。
 進行したときに起きることが危険なんです。
 酸素を取り込めないことによる症状。
 心臓疾患と脳疾患。

 心不全だったり、意識を失ったり。
 心停止だったり、脳梗塞だったり。
 産業医は会社とドライバーに充分な治療を受けさせないと。
 それができないのなら、意味がありません。

 SASだから仕事に就くことができない、というのも×。
 治療はできると思いますよ。
 SASだから、社会からつまみだせ。
 そうなるのが何よりも怖い。

 産業医は簡易検査だけで判断したようですね。
 ここがわかりません。
 SASが疑われた段階で精密検査をするはずです。
 会社の指示なのか、軽く見ていたのか。

 進行しないうちに治療もできるはずですけどね。
 外科的なものとか、マウスピースで気道を確保するものとか。
 確実に治すことはできます。
 がんとは違いますから。

 今までにも、SASのドライバーによる大きな事故はあったと思います。
 いいかげんに改善しないと。
 そうすれば事故もなくなりますよ。
 会社に余裕がないなんて、いいわけにはなりません。

 会社が悪い。
 産業医が悪い。
 そんなことを言ってるときじゃないですよ。
 そんなことを言っても、亡くなられた方は戻ってはきませんから。
 
 
 
 立ち直りが早いですね。
 男という生き物は。
 3分間でコロッと変わる。
 ツレだけなのかしれませんけど。

 きょうのヤツは、1日病棟勤務でした。
 午前中は真っ青な顔をして黙り込んで、時々ため息をフーッ。
 パソコンの電子カルテをじーっと見つめてました。
 それが突然、キレて。

 韓国をガンガン非難ですよ。
 言ってはいけないことを並べて。
 民放の討論番組のコメンテーターのような言い方です。
 書けないようなことばかりで。

 「日本は韓国でなんと言われてもびくともせんぞ」
 そこに外来勤務から、韓国から来たドクターが2人戻ってきました。
 「おまえら、よう聴いとけよ。 日本は韓国に精密部品や工作機械を輸出しとんねん。 がたがた言うたら全部止めるど。 ヒュンダイ自動車も、LGもサムソン電子も3分でぶっ倒れるぞ、コラッ。 土下座しても許さんからな」
 2人のドクターは顔を見合わせていました。

 LGやサムソン、韓国のトヨタと言われるヒュンダイは製品の部品をすべて日本の町工場で調達してるんですよ。
 LGのTVやサムソンの電子レンジ・冷蔵庫などは日本でも売れてます。
 映像ソフトやCD、ゲームソフトも開発は日本で生産は韓国と台湾。
 全部止めるというのは、経済関係すべてのストップですから。

 まずいことを言ってしまった。
 ですが、ツレは引かないんです。
 2人のドクターは目を大きくしてツレをにらみます。
 一触即発!
 
 次の瞬間、2人のドクターが言い放った言葉。
 普通なら大ゲンカなんですけどね。
 「おれらはな、母親は在日で、国籍は日本じゃ。 ここからよう聴けよ、ボケッ。 おやじは関西人や! こってこてやぞ、こってこてや。 中高は灘出とんねん、コラッ。 だいたい、がんが消えかかってるくらいでビクつきやがって、ドアホッ。 NK細胞しらべてみーや」
 関西人・・・・・・。

 そうなんですよ。
 確かに日本人なんです。
 うっかりすると関西弁になる。
 東京が大嫌いな。

 2人とも灘から京都大学を経てハーバード医科大。
 ハングルは話せません。
 日本は大阪中心に回っていると思ってる。
 陽気な関西人です。

 ツレは一瞬だまってから、口を開きました。
 「検査で取った組織を培養してある。 ほな、やろかー」
 3人はスタッフステーションを出て行きました。
 「白鳥の湖」を踊りながら・・・・・・。

 オチを計算して怒ってたんです。
 2人がどんな反応をするかもわかってた。
 スタッフに流れていた重たい空気を変えるためにキレてたんですよ。
  スタッフステーションでは大爆笑。

 そんなものですよ、ハーバードなんて。
 生まれながらの天才ではないんですよ。
 何かのまちがいで入学できたんです。
 ツレと友人たちだけですけどね。

 わかったの?
 「そんなに簡単なものじゃないって。 しばらくの間、経過を観察してみる。 においがキツイ細胞がなにかやらかすまで」
 においがキツイ?
 NK・・・・・・ナチュラルキラー細胞だろうが。

 これでいいんです。
 ボケることができればそれでいい。
 スタッフはみんな、息がつまって死ぬところだったんだから。
 ボケても、きちんと落とせるから笑えるんです。

 きのうは何の節句?
 「・・・・・・桃っ! ここは譲れないなしな」
 出たっ、ふなっしー・・・・・・。
 なっしーはやめろっ!