無事に終わりましたよ、妊婦さんのオペ。
全身に転移した細かな腫瘍を摘出したチャック櫻井医師組と、肺の原発巣と腰の巨大な転移巣を摘出したツレの組。
連携プレイが見事でした。
きのうまでは頼りなさ気だったツレが、本番当日の朝になるとやる気満々。
一足早くオペ室に乗り込んで、チャックに一言。
「Hey! We gonna Help You!」
チャックはオペに集中しながら、「No!」
第一助手のMiss K舟木がくすっと笑うと、
「Don't Laughin!」
ツレはくすくす笑いながらオペ室を出ました。
しかしねー。 プロ・ミュージシャンって1日でこんなに変われるんですかねー。
むしろ、ミュージカル俳優の血か、あるいは声優の血か。
1本だけ劇場用アニメの声優をしてるんです。
手塚治虫先生の”初期三部作”の中の1本、『メトロポリス』。
「レジスタンスの戦士アトラス」。
メトロポリスを牛耳る「マルドゥク機関」に反旗を翻して戦っている、という設定。
エヴァンゲリオンの「マルドゥク機関」は手塚先生の『メトロポリス』からいただいたんだそうです。
庵野監督から聴いたとツレは言ってます。
エヴァのスタッフが、まだ自主映画を作っていた頃から交流があるようですからね。
新劇場版のエンド・テーマと宇多田ヒカルさんを結びつけたのもツレ。
宇多田さんからツレに、「新劇場版エヴァのテーマソングを歌いたいんだけど、何とかならないかなー」という電話があって、スタッフに紹介したんです。 彼女がエヴァヲタクでね。
このアニメには、小説家や漫画家などの手塚フリークが声優として参加しているんです。
ツレも、テーマソングの共同作詞を担当していたので、声優も、って感じみたいですよ。 手塚フリークですからね。
オペ中はブラックジャックになりきってるみたいだし・・・・・・。
しかし、あいかわらず見事なオペでした。
ときに繊細に、またときに大胆に。
麻酔科医の指導に見事に応えながら、どんどん進めていきました。
オペのすべてを握るのは執刀医じゃないんです。
麻酔科医なんですよ。
麻酔科医は救命のスペシャリストであって、どんな医師よりも医療に精通しているんです。
最近はドラマでも当たり前のようにERが登場していますが、所詮は何も知らない脚本家や原作者が創ったものだと思います。
本当のERには必ず麻酔科医がいるんです。
患者さんにとって、最後の砦ですからね。
以前、『医龍』とかいうDVDを観たんですが、麻酔科医が投げ出した患者さんを、主人公の外科医がいとも簡単に助けてしまう。
ツレと二人で声をそろえて言いました。
ありえなーい!
医師が投げ出した患者さんを救うのが麻酔科医です。
オペのときの微妙な麻酔薬の分量とそのコントロールは、わたしたちのような医師にはできません。
麻酔科医の腕で、オペは左右されるんですよ。
ツレの執刀するオペには、なぜか必ず麻酔科長がつくんです。
なぜかと訊けば、「ファミリーだから」
いまだに意味がわからないんですけどね。
だけど、三千以上の症例を持つ人ですから、いれこんでくれるのはありがたいんですけどね。
きょうも麻酔の醒める時間を、秒単位で当てました。
職人ですね、さすがは。
目を醒ました患者さんの最初の一言。
「何やってんの?」
旦那さんを睨みつけて。
「付き添ってるんだよ。 みりゃわかるだろ」
「オペ室に入るときに言ったよね。 会社へ戻れ、って」
「そうはいくか」
「会社は半休? ふざけるなっ!」
「そういうもんじやないだろ!」
それからちょっとした口喧嘩ですよ。
挙句に患者さんが、
「痛っ! お腹が痛いっ!」
慌ててツレが聴診器をつけると、
「あのー、違うんです。 赤ちゃんが蹴ってるんです、強烈に」
旦那さんはニッコリ。
「さすがは俺の子だ。 生まれる前からサッカーの基礎を学習してる」
「私の子だよ、あんたの子じゃないから。 生まれる前から進路を決められてたまるか!」
「できるだけ早いうちに、英才教育を始めなきゃならないんだよ、サッカーは!」
「勝手にしろ! 会社へ帰れ、今から。 銀行員は仕事第一だろうが。 こんなことをしてるうちに、闇金が誰かの口座を買い取って、犯罪をやってるんだ!」
旦那さんはメガバンクの行員さんだったんですね。
エリートなんだ・・・・・・。
「サッカーよりも、ワールドカップ予選のときに、興奮して画面に頭突き食らわして、画面をへこましたテレビをなんとかしろ!」
ツレが割ってはいり、場はなんとか収めました。
旦那さんの耳元でささやいたんですよ。
「結婚したら女性は変わりますよねー。 ウチもコロッと変わって、大変ですわ。 ここは我慢しておきましょう。 奥さんが元気になって退院されてからですよ。 ぼくも我慢の毎日ですよ。 ここにいるんですが、聴こえないように言いますけどね」
おまえっ、はっきり聴こえてるんだよ!。
とにかく胎児も母体も元気でよかった。
旦那さんには、オペ後の今夜は病室に泊まってもらうように、ツレは言い渡しました。
心のバランスが不安定になりますからね、オペの直後は。
話し相手が必要です。
コンビニでお弁当やスイーツを旦那さんに買ってきてもらって、二人で食べたら仲良くなれますよ。
二組体制のオペを考えついたチャックにも感謝です。
ウチもコンビニで夕食をゲットしないとね。
全身に転移した細かな腫瘍を摘出したチャック櫻井医師組と、肺の原発巣と腰の巨大な転移巣を摘出したツレの組。
連携プレイが見事でした。
きのうまでは頼りなさ気だったツレが、本番当日の朝になるとやる気満々。
一足早くオペ室に乗り込んで、チャックに一言。
「Hey! We gonna Help You!」
チャックはオペに集中しながら、「No!」
第一助手のMiss K舟木がくすっと笑うと、
「Don't Laughin!」
ツレはくすくす笑いながらオペ室を出ました。
しかしねー。 プロ・ミュージシャンって1日でこんなに変われるんですかねー。
むしろ、ミュージカル俳優の血か、あるいは声優の血か。
1本だけ劇場用アニメの声優をしてるんです。
手塚治虫先生の”初期三部作”の中の1本、『メトロポリス』。
「レジスタンスの戦士アトラス」。
メトロポリスを牛耳る「マルドゥク機関」に反旗を翻して戦っている、という設定。
エヴァンゲリオンの「マルドゥク機関」は手塚先生の『メトロポリス』からいただいたんだそうです。
庵野監督から聴いたとツレは言ってます。
エヴァのスタッフが、まだ自主映画を作っていた頃から交流があるようですからね。
新劇場版のエンド・テーマと宇多田ヒカルさんを結びつけたのもツレ。
宇多田さんからツレに、「新劇場版エヴァのテーマソングを歌いたいんだけど、何とかならないかなー」という電話があって、スタッフに紹介したんです。 彼女がエヴァヲタクでね。
このアニメには、小説家や漫画家などの手塚フリークが声優として参加しているんです。
ツレも、テーマソングの共同作詞を担当していたので、声優も、って感じみたいですよ。 手塚フリークですからね。
オペ中はブラックジャックになりきってるみたいだし・・・・・・。
しかし、あいかわらず見事なオペでした。
ときに繊細に、またときに大胆に。
麻酔科医の指導に見事に応えながら、どんどん進めていきました。
オペのすべてを握るのは執刀医じゃないんです。
麻酔科医なんですよ。
麻酔科医は救命のスペシャリストであって、どんな医師よりも医療に精通しているんです。
最近はドラマでも当たり前のようにERが登場していますが、所詮は何も知らない脚本家や原作者が創ったものだと思います。
本当のERには必ず麻酔科医がいるんです。
患者さんにとって、最後の砦ですからね。
以前、『医龍』とかいうDVDを観たんですが、麻酔科医が投げ出した患者さんを、主人公の外科医がいとも簡単に助けてしまう。
ツレと二人で声をそろえて言いました。
ありえなーい!
医師が投げ出した患者さんを救うのが麻酔科医です。
オペのときの微妙な麻酔薬の分量とそのコントロールは、わたしたちのような医師にはできません。
麻酔科医の腕で、オペは左右されるんですよ。
ツレの執刀するオペには、なぜか必ず麻酔科長がつくんです。
なぜかと訊けば、「ファミリーだから」
いまだに意味がわからないんですけどね。
だけど、三千以上の症例を持つ人ですから、いれこんでくれるのはありがたいんですけどね。
きょうも麻酔の醒める時間を、秒単位で当てました。
職人ですね、さすがは。
目を醒ました患者さんの最初の一言。
「何やってんの?」
旦那さんを睨みつけて。
「付き添ってるんだよ。 みりゃわかるだろ」
「オペ室に入るときに言ったよね。 会社へ戻れ、って」
「そうはいくか」
「会社は半休? ふざけるなっ!」
「そういうもんじやないだろ!」
それからちょっとした口喧嘩ですよ。
挙句に患者さんが、
「痛っ! お腹が痛いっ!」
慌ててツレが聴診器をつけると、
「あのー、違うんです。 赤ちゃんが蹴ってるんです、強烈に」
旦那さんはニッコリ。
「さすがは俺の子だ。 生まれる前からサッカーの基礎を学習してる」
「私の子だよ、あんたの子じゃないから。 生まれる前から進路を決められてたまるか!」
「できるだけ早いうちに、英才教育を始めなきゃならないんだよ、サッカーは!」
「勝手にしろ! 会社へ帰れ、今から。 銀行員は仕事第一だろうが。 こんなことをしてるうちに、闇金が誰かの口座を買い取って、犯罪をやってるんだ!」
旦那さんはメガバンクの行員さんだったんですね。
エリートなんだ・・・・・・。
「サッカーよりも、ワールドカップ予選のときに、興奮して画面に頭突き食らわして、画面をへこましたテレビをなんとかしろ!」
ツレが割ってはいり、場はなんとか収めました。
旦那さんの耳元でささやいたんですよ。
「結婚したら女性は変わりますよねー。 ウチもコロッと変わって、大変ですわ。 ここは我慢しておきましょう。 奥さんが元気になって退院されてからですよ。 ぼくも我慢の毎日ですよ。 ここにいるんですが、聴こえないように言いますけどね」
おまえっ、はっきり聴こえてるんだよ!。
とにかく胎児も母体も元気でよかった。
旦那さんには、オペ後の今夜は病室に泊まってもらうように、ツレは言い渡しました。
心のバランスが不安定になりますからね、オペの直後は。
話し相手が必要です。
コンビニでお弁当やスイーツを旦那さんに買ってきてもらって、二人で食べたら仲良くなれますよ。
二組体制のオペを考えついたチャックにも感謝です。
ウチもコンビニで夕食をゲットしないとね。