突然ですが、先週金曜に予定されていた病棟演芸会が延長されていました。
 わたしたちが2日に渡るオペを行っている最中に行われていたと思っていたんですが・・・・・・。
 「そりゃ延長して当たり前だろう。 他の病院からまで執刀医をレンタルした大手術なんだから、病院全体がオペモードだったんだから。 シーマンと打ち合わせした結果、延長してはどうかとなったんだ」
 シーマンと相談することかね、アネさん。
 いつにしたかといえば、6月7日。 今週の金曜日。
 8日の土曜には、大きな行事が控えてるのに。 前日っていうのはねー。
 医師だからといっても、普通の人間だからね。 そんなにコロコロ頭を切り替えられないんですよ。
 自転車のギヤを切り替えるのとは訳が違うって。
 わたしは1つのことを考えると、他のことなんか考えられない性格だから、ちょっと切り替えられる自信がね。
 ツレはといえば、スティールギターの練習をするでもなく、かといって8日に吹くことになるアルトサックスの練習をするでもない。
 夕食後は一言も口をきかなくなってしまいました。
 演芸会の延長に対しての不満?
 日取りが悪い?
 どれも違うんですよ。
 夕食時に観ていたニュース。
 彼がずっと追い続け、事あるごとにブログを通じて(今もですが)訴えかけてきたイジメ自殺の判決が、きょう出たんです。
 
 平成十七年(2005年)9月のある日。 北海道T市で、小学六年生の女の子が、教室で首吊り自殺をしました。
 原因はなんと担任教師からのイジメ。
 元気なら、今頃は友達との下校途中に、コンビニのイートインできゃっきゃっしているはず。
 彼は女の子の御両親や友達と何度も面会していろんな話を聴きだしていたんです。
 そこで、自殺の原因が担任の女性教師にあったことを知ったようです。
 1人にだけ次の日にまでやり終えることが出来ないほどの宿題を出して、それを女の子がなんとかやってきて提出すると、あそこの答え方が違う、式の導き方がそうじゃない、とダメだしを繰り返して、どんどん追い詰めていった。 そして限界を感じた女の子は放課後の教室で首を吊った。
 裁判の中では担任が1人に対して集中的に過度な宿題をさせて、やってきた子に対してさらに意図的なダメだしをすることがイジメに該当するか、当たり前のことなのかを争って、現に校長とそのT市の市長が女の子の御両親に頭を下げる映像までNHKの午後7時台のニュースで全国に報道されるなど、あらゆるマスコミが過大な報道をしていました。 彼は当時、医療センターの病室でおかあさんの看病をしながら、その脚色された報道を観ていました。
 観ているだけではなく、地元誌にコラム原稿を投稿し、マスコミの脚色を取り除いたコラムを投稿して、事件を世間に訴えようと病室で原稿を書いていましたが、編集長が、マスコミの脚色を取っ払って、おまけに自殺の後押しをしたのはマスコミだという一文を叩きつけたために、ビビッて掲載を拒否し続けましたが、マスコミの報道があまりにも加熱してきたために、彼のコラムを掲載することを決めた、ということもありました。
 このイジメ自殺は彼にとって特別なものだったんです。
 彼もまた中学生の時に、担任はおろか全教師からイジメを受けていたから、他人事ではなかったんでしょうね。
 彼の隣の席の生徒が授業中に暴れたりしたら、教師はその生徒を叱りつけるのではなく、彼の頭を三角定規の角で叩きつける。 テストで前門正解すれば0点にされ、内申に跳ね返させたり、とにかく壮絶で、それがもとで躁うつ病という、一生完治することのない病になってしまった。
 自殺しなかったのが唯一、彼のがんばりでしたね。
 自殺されたら、わたしは毎日がこんなに楽しく過ぎていくことがなかったから。
 
 そのイジメ自殺がきょう判決を迎えたんですが、学校側に一方的に有利な判決が下ったんです。
 ただ、ほんの微々たる見舞金を原告に支払うという内容がつけられました。
 つまり担任教師には何の非もなかったということです。
 過度な宿題を1人にだけ提出させ、解答に対してダメだしをすることには何の問題もないというわけ。
 事の次第をよく知らないわたしが聴いても、納得がいかない内容でした。
 東京地裁で過去に同じようなイジメ自殺に対して、同様の判決が出てるんです。
 日本の裁判は「東京地裁方式」と呼ばれるもので、東京地裁の過去の判決と同じ判決が各地方の裁判所でも下されるのが大半。
 でも、中には独自の判決を言い渡す裁判官たちもいるんです。
 今回の裁判官は東京地裁の判決をそのまま引用するに留まった紋切り型判決を言い渡したんですね。
 イジメた担任教師が正しくて、自殺に追い込まれた女の子が間違ってる、ってことです。
 誰が聴いても納得がいかないでしょう。
 この教師を許したら、全国の教職者は家庭の欲求不満を学校に持ち込んで、子供たちを傷つけてもいいということになってしまう。
 とんだ茶番劇です。

 「ごめん・・・・・・ぼくが落ち込んでも判決は変わるわけじゃない。 さあ、なんの話をしようか。 あっ、それよりも練習しないとね。 7日8日と全く別のことが続くんだ。 あーせめて演芸会を14日にしてくれたらなー。 ぼくはマイナス思考でしょ。 二つのことを同時にできないんだよねー。 シーマンが決めたんならどうにもならないか。 奴はひねくれ者だから。 アメリカ版のシーマンもあって、ナレーターがレナード・ニモイなんだよ、『スタートレック』のミスター・スポック。 日本版の細川俊之さんもいいけど、ミスター・スポックとシーマンの組み合わせがねー。 最も論理的なナレーターに最も気まぐれなシーマンの取り合わせがいいんだな。 あー、お腹すいた。 ニュースなんか観ながら食べたから、どこか別のところに入ったな。 夜食まで持ちそうにない。
今から斜め向かいのみよしのにいって「みよしのセット」でも食べてこない。 大盛じゃなくても、小腹が膨れるくらいでいいから・・・・・・」
 次々としゃべり続ける彼の心の中には、誰も治すことのできない深い傷がついてしまったのか・・・・・・。

 でも、本当に小腹が空いたなー。
 きょうの夕食って、量が少なかったのかも。
 選択メニューを間違えたか。

 サコちゃん、みよしの、いこ
 わたしはセット大盛か、ジャンボカレーに大盛餃子にする

 いってきまーす!