ただいま気温は0℃です。
 朝は雪が降りましたからね。
 今、何月よ、と言いたくなりますが、スキー場は大喜びです。
 彼はスノーボードに行きたいのを我慢して、病院内で過ごしてます。
 彼は朝から看護師休憩室に入り込んで、キッチンでかしわ餅と桜餅を作りました。
 お母さんのお供えにしたんですが、かしわ餅は端午の節句だからわかりますけどね、桜餅はどうなんでしょう?
 ま、いいか。

 きょうは、『エヴァQ』ブルーレイ購入秘話でもしますか。
 
 まず最初に、彼はAmazonに予約すると言ったのね。
 一番安いからって。
 それはそれで、安く買うことが出来れば最高だからと思った。
 でも、それなら盲目的にAmazonに行かないで、本当に一番安いのがAmazonなのかを調べてからでも遅くないでしょうと。
 で、2人で調べた結果、Amazonよりもヤマダ電機で予約するほうが100円安かったから、ここでいいんじゃないかと言ったんだけど、もう1箇所調べるところがあるというから、ついていきましたよ。
 なんと・・・・・・ここだけは入りたくなかったアニメイト。
 安くないの、定価でしょ、と言ったら、彼、なんて言ったと思う?
 「定価だけど会員特典がたくさんあるから一番得だよ。 ぼくは会員だし」
 ショック!!!!!!。
 アニメイトって、アニメヲタクの聖地でしょ。
 はっきりいって、彼は特撮ヲタクだからね。
 それだけは許したんだけど、その上にアニメまではねー。
 もしかしたらアニメヲタクかも? っていうのはうすうす感じてはいたんだけどね。
 『銀河漂流バイファム』とかいう、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』の宇宙SF版みたいなアニメをCSで観て、大泣きしてたから。
 わたしも観てたんだけど、確かに感動的なアニメではあるけど、大泣きするほどじゃないなと思って。
 それから『ふしぎの海のナディア』という、やはりジュール・ヴェルヌの『ミステリアス・アイランド』と『海底2万マイル』を原作にしたアニメのDVD-BOXを何十回も観たり。
 でもまあ、観るくらいならいいだろうと。
 だって、わたしだって『サイボーグ009』の完結篇を劇場で観て、原作漫画も次から次へ読んだくらいだから。
 あの作品はものすごい問題をいくつも抱えていて、読者に訴えてくるからね。
 「神々との戦い」篇は、プロテスタントとしても衝撃的だった。
 神を創造したのはヒトなんじゃないか? との強烈な問いかけに、わたしとしては深刻に考えてしまって。
 彼がよく「神はヒトが創造したんだ。 偶像を神としてあがめる宗教に関しては、ってことだけど」なんて言うから、本当に何を信じたらいいのか悩んで。
 それと、水樹奈々さんという、声優さんにもかかわらず、NHKの紅白に連続出場している方で、シンガーとしてもすばらしい能力を持った方の大ファンで、CDとPVやライブのDVDは全部持ってるし、楽曲提供もしてるし。
 わたしも自伝を読ませてもらったけど、ものすごい苦労人でね。 演歌歌手としてデビューして、どん底生活を長いこと経験してるって。 辛酸をなめて才能を開花させたんだと思うと尊敬してもいいと思って、そんな方に注目してる彼をすごいと思ってしまって。
 だから、TVアニメや劇場アニメをわたしと観てるくらいなら、いいだろうと思ってたんだけど、アニメイトとなれば話は別だよ。
 素直に言うと、わたしを置いてアニメヲタクの輪の中に溶け込んでしまうのが怖かったんだけど。
 
 それで、元はなんであちこち調べまくったのか思い出してと問いただしたりして、結局、ヤマダ電機で予約して、購入したというわけ。
 特典が欲しくて買うんじゃなくて、『エヴァQ』がもう一度でも何度でも観て、さらに「序」「破」から続けて観たりして、作品が抱える謎を解いていくのが目的なんだから、本編が第一。
 サウンドトラックがついてきたのは、ちょっとムカついたけど。
 タワーレコードで3000円出して買ってるんだよ、劇場公開時に。
 それでも、エヴァはいいね。 リリンの生み出した最大の文化だよ。
 特にプロテスタントはハマる人が多くて、教会でエヴァが話題になってる。
 作品中で「裏死海文書」と呼ばれているのが、「新約聖書」の写本だからかもしれないけど。
 
 そういうわけで、わたしはアニメが悪いと言ってるわけじゃないけど、ヲタクまでは行かなくてもいいんじゃないのかなってだけ。
 
 「きょうはある人の誕生日だけど、わかる?」
 なんて彼に訊かれた。
 芸能人なんてたくさんいるのに、そんなにわかんないって
 「リカちゃん」
 誰? どこのリカちゃん?
 「香山さんの。 タカラで出している着せ替え人形だよ」
 そんなの知るわけないよ
 あのね、人形とか
 「フィギュアとかぬいぐるみには悪霊が宿るから、そんなものは与えてくれなかった」
 そうだよ
 「それはぼくも同じだ。 世界四大宗教に同じ教えがあるからね。 イスラムでも、儒教でも、仏教でも、キリスト教でもなぜか同じだから、ぼくは本当のことだと思って、アニメや特撮が好きでも、ウルトラマンのソフビからアニメのフィギュアにいたるまで一切手にしなかった。 ぼくの場合は仏教の教えだけどね。 フィギュア集めに夢中になってる友人を見て、自分から悪霊を迎え入れるのはどういうことなのか不思議だった。 聖書を読んで、儒教を韓国の友人に教えられて、イスラムも戦争の敵を研究するために勉強して、同じ教えがあるのに驚いたよ。 フィギュアなんて集めてる奴は悪霊に憑依されたいのかと思ったりもしたしね。 悪霊はとにかく人間を自分の世界に引き込もうとする。 ぞっとするよ」
 アニメイト会員ってことはフィギュアとかにも興味があるんじゃないかと思ってたけど
 「ああ、あれは水樹奈々のCDやDVDを入手するために会員になったの。 まだ、タワーレコードなんかでは揃わないだろう。残念ながらアニメヲタクじゃない。 どっちかといえば嫌ってる。 アニメは輸出してもいい文化かもしれないけど、アニメヲタクは抹殺すべきだ」
 なるほどね
 確かにそうかもしれない
 なーんだ、驚かすなよー。
 ヲタクじゃないんだ。
 そうかー、ゴジラに夢中なのに、ゴジラや怪獣のフィギュアは一つも持ってないし、メカだけあるのにおかしいと思ったら、やっぱり教えを知ってたのか。
 
 

 「さあー、かしわ餅食べなっせ。 桜餅も食べなっせ。 べこ餅も食べなっせ。 みーんな、たーんと食べなっせ」
 スタッフステーションで彼がみんなに振る舞ったのを見て、クールビューティーな緩和ケア担当主任看護師の一子さんが、ぷっと吹き出した。
 続いて、アネさんと看護師長が大爆笑。
 わたしには彼の言葉がおもしろかったんだろうとしかわからなかった。
 土佐弁でしょ。 
 ところが食べだしてから気がついたことだけど、べこ餅がべこ餅じゃないんだよ。
 べこ餅の語源は、北海道では子牛のことを「べこ」って言って、その体の模様を餅にしたというもの。 つまり白と黒のマーブル模様だからべこ餅っていうんだけど、彼が作ったものは、確かに白と黒糖を餅に混ぜ込んだ黒のマーブル模様のものもあるんだけど、大半が白とピンクのマーブルだったんだよね。 白とピンクじゃべこ餅とはねー。 確かに大爆笑するわー。
 「桜餅に使った食紅を黒糖の代わりに混ぜ込んだらどうなるかと思って」
 「ハンチョウらしいっていえばそれまでだけどな、べこ餅っていうのは白と黒糖の黒のマーブルって決まってるんだよ。 牛は白と黒だろう」
 アネさんが笑いながら言う。
 「ですけど、牛にもアルビノ種ってあるんじゃないかと思って。 医学部で、アルビノ種はあらゆる生物において存在すると教わったので。 人間にもいるじゃないですか、おねぇとかおかまちゃんとか。 彼らもある意味アルビノ種だと思うんです」
 「まあ、そうかどうかはわからないけど、ハンチョウはそう思うんだな。 思うのは自由だよ」
 アネさんは首をかしげながらつぶやいた。
 「ぼくは和菓子にかわめいを起こそうと思ったんです!」
 かわめい?
 かわ・・・・・・めい・・・・・・かわ
 それを言うなら革命でしょ!
 「なにを・・・・・・ちょっとかんだだけでしょうが!」
 出た! 不思議ちゃん爆発!。
 この男の、不思議な説得力はきょうも健在です!