今夜も、一時退院していた患者さんたちは、全員元気にベッドに戻ってきました。
あっ、いやっ・・・・・・元気だったら入院はしないよね。
そう・・・・・・何事もなく、かな。
何事もなく、病棟に戻ってきました、か。
「うまいものをたらふく食べてきた」
よかったですねー、と笑顔で受け流すも、こっちはまだ夕食前。
「うまいもの」と聴いただけで、お腹がグー。
最終ランナーが戻ってきたのが午後8時15分。
渋滞に引っかかっていた、とのこと。
家族が途中から連絡をくれていたので、別段心配はしてなかった。
街の真ん中にある病院だから、そんなこともあるって。
おまけに日曜だしね。
さあ、午後8時30分に面会時間が終わるから、送ってきた家族もぞろぞろ帰途につきました。
でも、1組だけ、話があるので残ってもらいました。
例の、口をきいてくれなかった患者さんの旦那さん。
入院前のX線とCT、そして温熱療法を施したあとで撮影したX線とCTを、患者さんの親族に実際に見てもらったのです。
生活保護受給世帯の場合、家族が一人入院すると、著しく減額されるので、なるべく早くに退院して通院に切り替えてもらうのが一番いいんですね。
たとえば入院中であっても、25日間入院したら、1週間退院してもらい、再度入院してもらうようにしないと、さらに減額されてしまうということがあるので、
あと一度の温熱療法後に退院してもらって、二週間に一度の通院治療に切り替えてもらうために、現時点での患者さんの状態を御家族に知っておいてもらうために、あえて説明をしました。
なぜか、この患者さんのように旦那さんと二人暮らしで、送り迎えしてくれている息子さんは、結婚後別居、家庭を持っている状態なので、生活保護受給の前に息子さんが親二人の面倒を見るように福祉課生活保護係に言われたようですが、息子さん自体の収入では二つの家族の面倒は見られないという調査結果に基づいて保護開始決定が降りた珍しいパターンであることなどを旦那さんは正直に話してくれました。
奥さんが入院すると、夫婦で月額3万3600円(旦那さんが年金を60歳から受け取っているため、年金額を差し引かれる。 年金のない場合は8万8020円)+アパートの賃貸料実費の保護費が1万9800円になってしまうんです。
8月にはここからさらに1割の減額がありますから、とにかく一日も早く退院させたいというのが、旦那さんの本音だと思いますから、一度の温熱療法でこんなになってしまいました、もう一度、温熱療法を施したあと、即退院になりますから、必要のない荷物があれば、息子さんに積んで行ってもらってくださいと付け加えました。
反応がないんですよ。
うんともすんとも言わない。
まあ普通、すんと言ったら殴られるでしょうが。
じっと写真を比較して口をあんぐり開けたままなんです。
ほかの健康な人の検査結果をわざと見せてるんじゃないんですよ、と言っても、頭をかしげるだけで。
やっと出てきた言葉が、
「一回でこんなになるんですか・・・・・・」
全身状況があまり悪くなかったので、治療がうまくいきました
肺にまだ影がありますが、これがすべての根源なんです
もう一度治療すれば、これも消える可能性があります
そうなっても、今度は再発の危険性もありますから、二週に一度、通院で検査を繰り返して再発に備えます
「そうなんですか、もう退院できるんですか・・・・・・」
旦那さんの顔が明るくなった。
ええ、今日明日ではないですが、今月中旬、遅くともゴールデンウィーク前までには
痛み止めも強いものをあまり使ってませんから、退院後はすぐに普通の生活ができると思います
そうすると保護費を満額もらえるでしょう、とは決して言わない。
「バスで通院できますか?」
ええ、問題はないと思います
生活保護受給者はタクシーの使用も禁じられていて、利用しているのを誰かに見られ、保護係に話を持ち込まれると保護は廃止され、最悪刑務所に収容される。 受給者同士がお互いをハメ合うというひどい状況が起きていると、担当医訪問に来たケースワーカーが愚痴っていた。
「ここって5分おきにバスがあるんですよね。 それも停留所は病院の正面玄関前。 バスが使えるんですか。 息子に仕事を抜けてもらうこともなくて済むんですね。 ありがとうございました。 それにしても、温熱療法ってすごいんですね」
奥様に治験をしてもらって、こちらも貴重なデータをたくさん蓄積することができてます
ものすごく助かります
なにせ、初めて導入したばかりの医療器なもので
旦那さんは何度もありがとうございましたと言い残し、帰っていった。
それにしてもタクシーを利用したことをわざわざチクるんだ
難関校受験よりもひどいね
それで、パチンコやお酒みたいに、完全な不正受給は見逃してるんでしょ
「なぜか、そうなんだよね。 だからケースワーカーがパチンコ屋や居酒屋、お酒を売っている店に入っていって、保護受給者を挙げて、廃止に持ち込んで刑務所に送ってる。 タクシーよりもパチンコにアルコールは重罪だと思うけど。 タクシーも、事前に利用したいという理由をケースワーカーに連絡して許可を取れば利用できるんだよ。全身状況が悪くてバスに載せられない場合があるからね。 要するに手順。 ギャンブルやお酒は論外。 保護法第三十二条と七十八条の不正受給にあたる。 詐欺罪の適用ができるんだ。 だけど、ギャンブルやお酒で、保護係にチクる受給者はいない。 なぜかわかる?」
わかったらソーシャルワーカーの資格を取るよ
温熱療法がわたしたちガン専門医の仕事を奪ってるからね
いつか、医者いらずになる
オペレーターと麻酔科だけが生き残れるんだから
「オペレーションを教えるよ、今度。 ギャンブルやお酒で保護係にチクる受給者がいないのはなぜか。 それは自分もギャンブルやお酒をやってる不正受給者だから。 他人をチクると自分も挙げられるから。 ドロドロしてるんだよ、生活保護って。 ぼくが受給者だった頃はいつも、現金支給じゃなくて現物支給にしてほしいと思ってた。 そうすると不正受給もなくなるし、今年みたいに米が異常に高いは野菜も、あらゆる食料品が高くなってる時は、保護費で足りない場合があるんだ。 そうなったら、断食で来月を待つ。 なんでもかんでも高いと、保護費を手にしてから一週間で一文無しになるんだ。 だから、現物を支給してくれた方がどれだけありがたいか。 公共料金は保護係ですべて支払ってくれるし、通院のバスは回数券。 身体障害者手帳だと、バスも割引運賃でしょ。 生活保護も保護手帳をみせると割引になって、その分は回数券を支給してくれる。 衣料も現物支給。 食料も現物支給。 一銭の現金もいらない。 減額よりも現金支給を廃止して、現物支給に切り替えるっていうのがもっともいい案だと思うけどね。 なんで8月から減額なんてことにするかというと、表向きは年金とのバランスだけど、実は受給者の9割が不正受給者だからなんだ。 担当医訪問で来たケースワーカーがすべてを話してくれた」
今夜の旦那さんみたいに真面目な人もいるのに
「どうして真面目だってわかる? タバコもお酒もギャンブルも宝くじもまったくやってないかい? 見ただけでそれがわかるの?」
それは・・・・・・
「それらの一つでもあれば不正受給者だよ」
タバコも宝くじもダメなんて・・・・・・
「保護法に書いてある。 ぼくらが医師法を遵守するのと同じく、保護受給者は保護法を全て遵守しなければならない」
実際に話してみて、タバコの臭いもお酒の臭いもしなかったし
信用したの
奥さんのことだけを考えてる真面目な人だって
「そう・・・・・・きみもものすごく成長したね。 患者さんだけじゃなく御家族まで信用することができるなんて。 ニューヨークで勤務していた病院の院長に言われたんだ。 患者さんの親族のことも信用できなければいい治療はできない。 医師と看護師、そして患者さんの親族がひとつのチームとなって初めてガンという最悪な病気と闘えるんだ、って。 おまえが以前所属していたチームは爆撃機に乗って劣化ウラン弾やバンカーバスター(地下までを貫通する爆弾で、地下施設を攻撃するために使用する)をばらまいたり、戦闘ヘリに乗って機銃をやたらめったら撃ちまくって、民間人まで殺すチームだ。 でも医者のチームは患者さんの生命を救うために編成されるものだ。 その中で最も大切なのは患者さんの一番近くにいる親族なんだ、ってね。 きみの答えはそのことを短い言葉に凝縮したものだ。 うらやましいよ、患者さんの親族まで信用できるなんて。 ぼくは、ほら、親族に裏切られてるだろう。 だから、患者さんの親族を疑ってしまうんだ。 医師のトラウマなんて最悪だよね」
イレッサ治験の死亡保険金の持ち逃げ、か。
たまたま事務員だったために横領がうまくいったんだろう。
でも、それに気づいた事務長が、彼の親族を懲戒解雇し、最近になって、彼に死亡保険は渡された。
ただ、元の院長が温情をかけて刑事告訴せず、院内での処分にしてしまったのが許せないと、アネさんは言ってる。
「わー、ヴァーティカル・キューピッド。 さすが第11飛行教導隊。 松島に戻ってきた、世界一のアクロ。 航空自衛隊の花、ブルーインパルス!」
彼はTBSの日曜劇場『空飛ぶ広報部』に夢中。
とにかくブルーインパルスヲタクだからね。
写真集を何冊も買ったり、航空雑誌にブルーの記事があれば買うし、DVDはすべて持ってるし、6機編隊じゃないと意味がないと言って、同じプラスティックモデルを6つも買うし・・・・・・ピーターパンだから、夢を諦めることができないんだね。
でも、なんとかキューピッドはすごい。
スモークで空に描いたハートの中心をスモークの矢が射抜く。
僅かなミスが大事故につながるアクロバットだからね。
きれいであると認めるよ。
今年の基地祭ではブルーの航空展示があるのかどうかわからないけど、せっかくホームの松島基地に戻ったことだし、生で観たいな。
今、ブルーインパルスの位置は航空自衛隊の広報にある。
でも、憲法が改正され、自衛隊が国防軍となったら「戦技研究隊」となり、実戦でいかに敵の戦闘機と戦って撃墜するかの方法を研究するチームになってしまう。
そのとき、彼はブルーを自分の中から追い出すのだろうか。
追伸
どう考えても、やっぱり、Blu-rayとDVDのセット販売の意味がわからない。
家でBlu-rayを、車の中でDVDを観るひとなんか本のひとにぎりだと思えてならない。
じゃあ、DVDは無駄だ。
うん、Blu-rayが欲しくて買ったわけだから、DVDはムダだ。
こんなの、いらない。
あっ、いやっ・・・・・・元気だったら入院はしないよね。
そう・・・・・・何事もなく、かな。
何事もなく、病棟に戻ってきました、か。
「うまいものをたらふく食べてきた」
よかったですねー、と笑顔で受け流すも、こっちはまだ夕食前。
「うまいもの」と聴いただけで、お腹がグー。
最終ランナーが戻ってきたのが午後8時15分。
渋滞に引っかかっていた、とのこと。
家族が途中から連絡をくれていたので、別段心配はしてなかった。
街の真ん中にある病院だから、そんなこともあるって。
おまけに日曜だしね。
さあ、午後8時30分に面会時間が終わるから、送ってきた家族もぞろぞろ帰途につきました。
でも、1組だけ、話があるので残ってもらいました。
例の、口をきいてくれなかった患者さんの旦那さん。
入院前のX線とCT、そして温熱療法を施したあとで撮影したX線とCTを、患者さんの親族に実際に見てもらったのです。
生活保護受給世帯の場合、家族が一人入院すると、著しく減額されるので、なるべく早くに退院して通院に切り替えてもらうのが一番いいんですね。
たとえば入院中であっても、25日間入院したら、1週間退院してもらい、再度入院してもらうようにしないと、さらに減額されてしまうということがあるので、
あと一度の温熱療法後に退院してもらって、二週間に一度の通院治療に切り替えてもらうために、現時点での患者さんの状態を御家族に知っておいてもらうために、あえて説明をしました。
なぜか、この患者さんのように旦那さんと二人暮らしで、送り迎えしてくれている息子さんは、結婚後別居、家庭を持っている状態なので、生活保護受給の前に息子さんが親二人の面倒を見るように福祉課生活保護係に言われたようですが、息子さん自体の収入では二つの家族の面倒は見られないという調査結果に基づいて保護開始決定が降りた珍しいパターンであることなどを旦那さんは正直に話してくれました。
奥さんが入院すると、夫婦で月額3万3600円(旦那さんが年金を60歳から受け取っているため、年金額を差し引かれる。 年金のない場合は8万8020円)+アパートの賃貸料実費の保護費が1万9800円になってしまうんです。
8月にはここからさらに1割の減額がありますから、とにかく一日も早く退院させたいというのが、旦那さんの本音だと思いますから、一度の温熱療法でこんなになってしまいました、もう一度、温熱療法を施したあと、即退院になりますから、必要のない荷物があれば、息子さんに積んで行ってもらってくださいと付け加えました。
反応がないんですよ。
うんともすんとも言わない。
まあ普通、すんと言ったら殴られるでしょうが。
じっと写真を比較して口をあんぐり開けたままなんです。
ほかの健康な人の検査結果をわざと見せてるんじゃないんですよ、と言っても、頭をかしげるだけで。
やっと出てきた言葉が、
「一回でこんなになるんですか・・・・・・」
全身状況があまり悪くなかったので、治療がうまくいきました
肺にまだ影がありますが、これがすべての根源なんです
もう一度治療すれば、これも消える可能性があります
そうなっても、今度は再発の危険性もありますから、二週に一度、通院で検査を繰り返して再発に備えます
「そうなんですか、もう退院できるんですか・・・・・・」
旦那さんの顔が明るくなった。
ええ、今日明日ではないですが、今月中旬、遅くともゴールデンウィーク前までには
痛み止めも強いものをあまり使ってませんから、退院後はすぐに普通の生活ができると思います
そうすると保護費を満額もらえるでしょう、とは決して言わない。
「バスで通院できますか?」
ええ、問題はないと思います
生活保護受給者はタクシーの使用も禁じられていて、利用しているのを誰かに見られ、保護係に話を持ち込まれると保護は廃止され、最悪刑務所に収容される。 受給者同士がお互いをハメ合うというひどい状況が起きていると、担当医訪問に来たケースワーカーが愚痴っていた。
「ここって5分おきにバスがあるんですよね。 それも停留所は病院の正面玄関前。 バスが使えるんですか。 息子に仕事を抜けてもらうこともなくて済むんですね。 ありがとうございました。 それにしても、温熱療法ってすごいんですね」
奥様に治験をしてもらって、こちらも貴重なデータをたくさん蓄積することができてます
ものすごく助かります
なにせ、初めて導入したばかりの医療器なもので
旦那さんは何度もありがとうございましたと言い残し、帰っていった。
それにしてもタクシーを利用したことをわざわざチクるんだ
難関校受験よりもひどいね
それで、パチンコやお酒みたいに、完全な不正受給は見逃してるんでしょ
「なぜか、そうなんだよね。 だからケースワーカーがパチンコ屋や居酒屋、お酒を売っている店に入っていって、保護受給者を挙げて、廃止に持ち込んで刑務所に送ってる。 タクシーよりもパチンコにアルコールは重罪だと思うけど。 タクシーも、事前に利用したいという理由をケースワーカーに連絡して許可を取れば利用できるんだよ。全身状況が悪くてバスに載せられない場合があるからね。 要するに手順。 ギャンブルやお酒は論外。 保護法第三十二条と七十八条の不正受給にあたる。 詐欺罪の適用ができるんだ。 だけど、ギャンブルやお酒で、保護係にチクる受給者はいない。 なぜかわかる?」
わかったらソーシャルワーカーの資格を取るよ
温熱療法がわたしたちガン専門医の仕事を奪ってるからね
いつか、医者いらずになる
オペレーターと麻酔科だけが生き残れるんだから
「オペレーションを教えるよ、今度。 ギャンブルやお酒で保護係にチクる受給者がいないのはなぜか。 それは自分もギャンブルやお酒をやってる不正受給者だから。 他人をチクると自分も挙げられるから。 ドロドロしてるんだよ、生活保護って。 ぼくが受給者だった頃はいつも、現金支給じゃなくて現物支給にしてほしいと思ってた。 そうすると不正受給もなくなるし、今年みたいに米が異常に高いは野菜も、あらゆる食料品が高くなってる時は、保護費で足りない場合があるんだ。 そうなったら、断食で来月を待つ。 なんでもかんでも高いと、保護費を手にしてから一週間で一文無しになるんだ。 だから、現物を支給してくれた方がどれだけありがたいか。 公共料金は保護係ですべて支払ってくれるし、通院のバスは回数券。 身体障害者手帳だと、バスも割引運賃でしょ。 生活保護も保護手帳をみせると割引になって、その分は回数券を支給してくれる。 衣料も現物支給。 食料も現物支給。 一銭の現金もいらない。 減額よりも現金支給を廃止して、現物支給に切り替えるっていうのがもっともいい案だと思うけどね。 なんで8月から減額なんてことにするかというと、表向きは年金とのバランスだけど、実は受給者の9割が不正受給者だからなんだ。 担当医訪問で来たケースワーカーがすべてを話してくれた」
今夜の旦那さんみたいに真面目な人もいるのに
「どうして真面目だってわかる? タバコもお酒もギャンブルも宝くじもまったくやってないかい? 見ただけでそれがわかるの?」
それは・・・・・・
「それらの一つでもあれば不正受給者だよ」
タバコも宝くじもダメなんて・・・・・・
「保護法に書いてある。 ぼくらが医師法を遵守するのと同じく、保護受給者は保護法を全て遵守しなければならない」
実際に話してみて、タバコの臭いもお酒の臭いもしなかったし
信用したの
奥さんのことだけを考えてる真面目な人だって
「そう・・・・・・きみもものすごく成長したね。 患者さんだけじゃなく御家族まで信用することができるなんて。 ニューヨークで勤務していた病院の院長に言われたんだ。 患者さんの親族のことも信用できなければいい治療はできない。 医師と看護師、そして患者さんの親族がひとつのチームとなって初めてガンという最悪な病気と闘えるんだ、って。 おまえが以前所属していたチームは爆撃機に乗って劣化ウラン弾やバンカーバスター(地下までを貫通する爆弾で、地下施設を攻撃するために使用する)をばらまいたり、戦闘ヘリに乗って機銃をやたらめったら撃ちまくって、民間人まで殺すチームだ。 でも医者のチームは患者さんの生命を救うために編成されるものだ。 その中で最も大切なのは患者さんの一番近くにいる親族なんだ、ってね。 きみの答えはそのことを短い言葉に凝縮したものだ。 うらやましいよ、患者さんの親族まで信用できるなんて。 ぼくは、ほら、親族に裏切られてるだろう。 だから、患者さんの親族を疑ってしまうんだ。 医師のトラウマなんて最悪だよね」
イレッサ治験の死亡保険金の持ち逃げ、か。
たまたま事務員だったために横領がうまくいったんだろう。
でも、それに気づいた事務長が、彼の親族を懲戒解雇し、最近になって、彼に死亡保険は渡された。
ただ、元の院長が温情をかけて刑事告訴せず、院内での処分にしてしまったのが許せないと、アネさんは言ってる。
「わー、ヴァーティカル・キューピッド。 さすが第11飛行教導隊。 松島に戻ってきた、世界一のアクロ。 航空自衛隊の花、ブルーインパルス!」
彼はTBSの日曜劇場『空飛ぶ広報部』に夢中。
とにかくブルーインパルスヲタクだからね。
写真集を何冊も買ったり、航空雑誌にブルーの記事があれば買うし、DVDはすべて持ってるし、6機編隊じゃないと意味がないと言って、同じプラスティックモデルを6つも買うし・・・・・・ピーターパンだから、夢を諦めることができないんだね。
でも、なんとかキューピッドはすごい。
スモークで空に描いたハートの中心をスモークの矢が射抜く。
僅かなミスが大事故につながるアクロバットだからね。
きれいであると認めるよ。
今年の基地祭ではブルーの航空展示があるのかどうかわからないけど、せっかくホームの松島基地に戻ったことだし、生で観たいな。
今、ブルーインパルスの位置は航空自衛隊の広報にある。
でも、憲法が改正され、自衛隊が国防軍となったら「戦技研究隊」となり、実戦でいかに敵の戦闘機と戦って撃墜するかの方法を研究するチームになってしまう。
そのとき、彼はブルーを自分の中から追い出すのだろうか。
追伸
どう考えても、やっぱり、Blu-rayとDVDのセット販売の意味がわからない。
家でBlu-rayを、車の中でDVDを観るひとなんか本のひとにぎりだと思えてならない。
じゃあ、DVDは無駄だ。
うん、Blu-rayが欲しくて買ったわけだから、DVDはムダだ。
こんなの、いらない。