この冬のこの街の積雪量が発表されました。
 平年の2.5倍だそうです。
 除雪のための予算はすべて使い切ってしまったため、議会は臨時予算を組むことを可決したとのことです。
 確かに異常ですよ、この冬は。
 大晦日から元旦にかけて猛吹雪で、初詣客が3分の1になって、鎮守様がピンチ、とか、街のニュースはすべてが降雪に関すること。
 でも、雪の多い冬を過ごすと、この秋の米は大豊作になると、農業を営む患者さんは喜んでます。
 大豊作でもどうでもいいけど、米が高すぎるって。
 余り米のブレンドでも10kgで4千円代後半ですからね。
 地元で収穫された米が5,980円!
 ちなみに、大豊作になっても米価は今以上下がることはないとか。
 JAから各農家にそのような通達が出たというんです。
 日本人の主食ですからね。
 病院食も1月から値上げされました。
 「貧乏人は麦を食え!って時代がまたきただけだよ。 だけど、麦飯がヘルシーだと大騒ぎするから、今は麦のほうが高いんだよね。 この米価の行き着くところは、農家に対する最低所得保障だから、裏で政治が動いている証拠」
 おまえは涼しい顔をするなっ!。
 コンビニの丼物が100円値上がりしてるのに。
 「この4月から、最低年金が莫大に引き上げられる。 その財源は生活保護費の減額。 これからの日本はかなり国民が減るだろうね。生活保護受給者は餓死していくから。 やっぱり、年金受給者のプライドが許さないだろうね。 負け組の生活保護受給者とたいした変わりのないレベルだったから。 かけた分だけの年金が返ってきているかといえばそうじゃないから、その辺の釣り合いを考えると、年金の引き上げは当然。 年金で余計な箱物を建てて千円で売り飛ばすことになった責任をすべて生活保護受給者に押し付ければいいってこと。 社会的弱者に発言権はない。 それが日本型民主主義というやつですよ」
 だから涼しい顔をするなって!。
 ってことは、生活保護で入院している患者さんはどうなるの?
 「アネさんは徹底抗戦してるけど、最終的には治療を放棄させられて、無理やり退院させられるだろうね。 そうしてその人たちが死んでしまえば、厚労省は医療費節減達成になって、政府からの予算が増大する。 うまくできてるよ。 所詮、負け組は死ぬしかないんだ。 ぼくも生活保護受給者だった頃はいつも死ぬことばかり考えていた。 振興局(北海道庁の支所)は、この街と違って、なんとかして保護を廃止に持ち込もうといろんな罠を仕掛けてくるんだ。 一番多いのが詐欺のでっち上げ。 たとえば、他に収入があるのに、申告せずに隠している、とか。 銀行口座の番号と暗証番号を、生活保護申請時に聴き出しておいて、振興局が一時的に受給者の口座に大金を振り込む。 受給者には振り込みは廃止したから支給日に直接振興局に取りに来いと通達を出すと、受給者は通帳に記帳したり、銀行に行くことがなくなる。 そこからが振興局の天下だ。 大金が振り込まれてると銀行から連絡があったと受給者を訪問してきて、銀行の発行した明細を突きつけるんだ。 もちろん振込み人は架空の会社名か、個人。 受給者は何がなんだかわからないよね。 それでおもむろに、どこから振り込まれたのかと責め立てる。 答えようがなくて詰まると、大金が振り込まれているのに申告していなかったから保護法第25条によって、詐欺罪で刑事告訴しますと来るんだよ。 冤罪なんだよ。 でも、受給者は弁護士を雇えない。 着手金など諸経費を約100万円近く渡さなければ弁護士は動かないからね。 法テラスだと無償で弁護士をあてがってくれるけど、弁護士はやっぱり弁護士だからね。 タダ仕事なんかやりたくないから、振り込まれているという証拠があるなら、振り込まれてるでしょう。 あんた、ウソを正当化する手伝いなんか弁護士はできないんだよ!っで終わり。 まともに相談になんて乗らないよ。 ぼくもまったく同じ手で刑事告訴された。 でも、たまたま芸能界にいたために、弁護士に知り合いがいたから、だめもとで相談したら、無償で動いてくれたんだ。 自分も小さい頃から学生時代は母子家庭で生活保護のお世話になって、全額奨学金で大学を出て弁護士になったから、生活保護の裏側まで知り尽くしていて、わざわざ東京から振興局に乗り込んできて、仕掛けをすべて暴いたんだ。 銀行員に、ランダムに振興局のケースワーカーの写真を見せて、この大金を振込みに来たのは誰かを聞き出して、振興局で、どのケースワーカーが振り込んだのかを暴いた。 防犯カメラの映像にケースワーカーが窓口で振り込み手続きをしているシーンが残っていて、それを法廷に提出した。 防犯カメラの映像には必ず日時から秒までが刻まれている。 振り込まれた時間を銀行で調べて映像の時間とぴったり合っていることを証拠として申請した。 それで、これ以上確実な物証がないと、裁判官がぼくの冤罪を認めたんだ。 で、弁護士はケースワーカーを逆に詐欺罪で告訴した。 振興局は慌ててそのケースワーカーの首を飛ばしたんだ。 それで裁判官は、ぼくがこまめに記帳していなかった点に非があるとして、和解するように命じて、結審。 これからは全国的にそういうことが続くだろうと思うよ。 年金受給者がだまっていないからね。 彼らの中には、生活保護という制度自体がおかしいという人もいるんだよ。 国からお金を貰って返済しなくてもいいというのは変だ、というんだ。 なるほど、確かに言われてみればそうなんだよ。 銀行でも消費者金融でも、お金を引き出したら利子を乗せて返済する義務があるんだ。 生活保護は貰いっぱなしでいい唯一の借金だろう」
 そんなの、わたしは認めない
 「認めようと認めまいと、ここは国立病院なんだ。 最終的には国に従わなければならないんだよ。 他の病棟ではすでに、生活保護受給者の切捨てを始めている。 抵抗しているのはこの病棟だけだ。 もちろん、ぼくも徹底抗戦するつもりだ。 ぼくには間接的に学生運動をバックアップした人の血が流れているからね。 アネさんを助けて、どこまでも行動を共にするつもりだ。 でも、この病棟のスタッフだけじゃ国になんて勝てっこない。 全学連と全共闘という2つの巨大な連合体がぶつかっても、国家権力には勝てなかった。 それが、「よど号事件」「大菩薩峠リンチ事件」「河合楽器あさま山荘篭城事件」そして時を隔てて「ダッカ事件」という歪になってしまった。 全共闘に比べてみてもこの病棟のスタッフは余りに少なすぎる。 警察は強制排除に出るよ。 そうなると、残念ながらぼくは警察の側に立たなくてはならない。 そんなつらい思いはしたくないよ。 でも、逃げちゃダメだから・・・・・・。 アネさんはぼくが守りたい。 だから強制排除なんていう結末にはしたくないんだ。 今はどうすれば悲劇を避けられるか考えている最中だ。 国にも絶対に理論的に弱い部分か穴があるはずなんだ。 知恵でなんとか勝ちに持っていくよ。 自民党には見事にだまされたよね。 今度はぼくがだます番だ。 生活保護受給者の中には、義務付けられているハローワークに通い、就職先を積極的に探すことを放棄して、アルコールにおぼれ、パチンコや競馬に夢中になる連中もいる。 9割は働けるのに働きたくない愚か者の詐欺的受給なんだよ。 でも、そういう人間に限って振興局はかばうんだ。 なぜだと思う?」
 保護費の中からいくらかをケースワーカーに握らせる・・・・・・なんてバカなことはないよね
 そんなことをしたら生活できなくなるんだから
 「鋭いね。 ケースワーカーにだまって1万円握らせるんだ、家庭訪問のときにね。 月に1万円でも年にすると12万円だよ。 見返りにケースワーカーはアルコールやギャンブルを見てみぬ振りをしてくれるばかりか、いろんな名目で一時的給付金を上乗せしてくれる。 まともに保護法を遵守している受給者がバカを見る。 それが生活保護の実態だ」
 そんなことあるわけが
 「ない。 だけど、世の中ってそういう構造なんだよ。 きみは医師と薬剤師という立派な家庭で育ったから、汚いものを見せたくないと思っていたけど、見ておいたほうがいいかもしれないね。 それでこそ患者さんの痛みも悩みも理解できる素晴らしい医師となることができる」
 彼は、おもむろにパソコンのモニターに1枚の写真を映しました。 
 多分、デジカメの隠し撮りだと思います。
 1人の男性が、もう1人の男性に何かを渡している。 バックは有名なパチンコ店の前。
 彼は男性の手元を拡大していきました。 
 それは1枚の紙切れ。
 写真が切り替わり、同じ被写体を上から写したものになりました。
 さらに手元を拡大すると、次第に鮮明になったのは、まぎれもなく1万円札。
 受け取っている男性の顔を拡大すると、ひっきりなしに病棟に顔を出している、振興局のケースワーカー。 担当している生活保護受給者がこの病棟に入院しているとかで、週に一度は必ず病棟を訪れて、担当医に早期退院を指示して帰る人。
 「中国の民主化デモの参謀をしてるけど、同時にできることだから、アネさんはアネさんなりのアプローチで国と闘えばいいし、ぼくはぼくのアプローチで国と闘う。 集団は必ず潰される。 破防法に値する法が今の日本にはあるから、1くくりにして終わりだ。 でも、個人を排除するのはなかなか難しいんだよ。 適合する法を探し出して無理やり当てはめるしかできないからね。 大丈夫、天安門事件の陰の参謀で、ベルリンの壁を倒壊させた張本人の1人だ。 あれは、ジョークが1人歩きして本当になったんで、びっくりしたけど。 アネさんに2度目の負けを認めさせるようなことはできない。 是則のおじさんに顔向けができないだろう。 おじさんが癌に倒れなければ学生運動は成功したかもしれない。 ぼくが後を継いでやらないと化けて出られるよ。 何が怖いって、めまいと幽霊くらい怖いものはない。 それときみのフライパン攻撃。 是則のおじさんはまだ、この世をさまよっているんだ。 もう背中にいるかもしれない」
 手塚治虫先生の全集をくれた、お母さんの従姉妹の旦那さんの、学生運動を弁護士として支え続けた、あの弁護士さんか。
 アネさんが命の恩人と今でも時々口にする人。
 パソコンの言語を北京語にしてメールを打ってると思ったら、中国の民主化デモを支援していたのか。 携帯電話からインターネットに至るまですべてを国が傍受して管理し、不都合なものは削除して書いた本人をテレビの生中継で公開処刑する。 あの公開処刑の映像は絶対に忘れない。 彼のパソコンに中国人大学生から他の映像に巧みに隠しこんで送ってきた、テレビを録画した映像。
 彼も天安門事件の首謀者の1人として、ジャッキー・チェンさん、テレサ・テンさんとともに中国当局から死刑宣告を受けている1人。
 入国すれば、空港で逮捕され、公開処刑の身なのに、相変わらず携帯やネットの検閲を止めさせようとする民主化デモの作戦を練っては大学生たちのリーダーに送っているとは・・・・・・。
 「テレサの死因は喘息による心筋梗塞とされている。 彼女は確かにひどい喘息だった。 でも、ぼくも同じ喘息を抱えているからよくわかる。 彼女は病死ではない。 他殺だよ。 検案書と症状がまったくちがうんだ。 これでも、呼吸器の勉強もしたつもりだし、検案書の内容が正当なものか、でっちあげかくらいはわかる。 ぼくら、IDを持たない警官は、というよりぼくの班は何のために組織されたか。 テロの情報を収集し、未然に防ぎ、関わった者を刑務所に送るためだ。 中には北朝鮮のスパイをあぶりだすことも、そのほか、日本に潜伏している共産圏のスパイをあぶりだして抹殺するのも含まれる。 この病棟にも中国国民軍参謀本部第二課のスパイが櫻井医師に化けて潜伏してただろう。 映画を観た帰りに寄ったラーメン屋を占拠していた中国人観光客の中にもスパイは紛れ込んでいたんだよ。 国交正常化と称してスパイを大量に送り込む道を作った。 田中角栄は利用されたんだ。 パンダに日本人の目を向けておいて、その間にスパイ活動をさせる。 考えたよね。 まあ、話は生活保護受給して入院をしている患者さんをなんとか最後まで最高の治療を施すにはどうするか、って問題だったね。 踏み出せばその一歩が道となる。 迷わず行けよ、いけばわかるさ。 一休禅師が言ってるんだから、プロテスタントでも聴く耳は持とうよ。 何もしない人の子はイエスによって滅ぼされるんだ。 サード・インパクトだよ、エヴァ的に言うと」
 イエスがこの世に人の子として降臨したのは、すべての人を救うためではない。 すべての迷える子羊を滅ぼすためだったんでした。
 新約聖書にイエスの言葉としてしっかりと記述されている・・・・・・。
 イエスを敵に回しても勝ち目はない。 
 エヴァも、この秋の最終章「シン」でも、多分物語を終結せずに、新たな謎を提起して幕を閉じることになるでしょうね。
 聖書、神秘学、生命科学、量子力学、心理学をマスターすると謎は解ける。
 そして行き当たるのがこの、新約聖書の福音にある、イエスの言葉。
 わたしたちは、その日が来るまでに地上に神の国を作らなければならない。
 それがサード・インパクトを防ぐ唯一の方法。
 わたしたちはすでにアダムと接触してしまっている。
 エヴァ初号機がわたしたちの姿なのだとすれば、サード・インパクトは確実に起こる。
 
 「おらぁ、ここにきてまずは仁義をきって控えてからの話だろうが。 話があるなら面と向かって言いやがれ!、クソ野郎が。 官僚が怖くて医者が務まるかー。 ここにきたら、話は聴いてやる。 答えはその後だ。 おまえら、バカぁー!」
 アネさんと厚労省の官僚との電話でのやり取り。
 いいねー、この人は。 わかりやすいよ。
 わたし、なんだかとんでもないところに就職していたみたいです。 
 誰か、わたしをヘッドハントしてくださーい。
 彼とは腕が違いすぎてダメですか・・・・・・・。
 内視カメラはうまいですよ。
 
 きょうの夜食でわかったことですが、元院長の登山男はクリスマスから、また海外の冬山登山をして、きのう帰国したんですが、病院は4日から営業しているというんですね。
 なんと腕のいい整形外科医をヘッドハントすることに成功したから、病院をまかせて、自分は趣味の世界に集中していたとか。
 アネさんに、巨大な三角定規の角を縦にして、頭に思いっきり突きたてられて、頭から血を流して、病棟のホッチキスを買い取って、自分で縫合してました。
 2人とも子供ですね、いつまでも。
 わたしは道を間違えたような気がしてます。
 日曜の礼拝で、神に訊いてみようと思います。
 絶対に間違えてる・・・・・・。