いやぁー、すごいですね。
スーパーのお惣菜おせちは。
目に付くものを片っ端から詰め合わせたって感じで。
エビチリとドリアとミネストローネが同居してました。
エビチリは中華、ドリアはギリシア、ミネストローネはフレンチだと彼に教わったんですが、それがわかるとちょっと手が出ない・・・・・・。
日本人お得意の無国籍ですね。
音楽で言うと、演歌は日本の心だと言ってる演歌の大物作曲家さんですか。
正しい音楽分類だと、歴史的に演歌のルーツは韓国歌謡ですから。 K-POPじゃなくて、ですが。
つまり演歌は韓国の心なんです。
日本の心と言うのは「赤とんぼ」「こいのぼり」「五月五日」「おぼろ月夜」などの唱歌ですから。
スーパーのお惣菜おせちを演歌だとすると、彼の手作りのおせちは唱歌。
もう、学校の教科書からも消えてしまった「美しい国日本」ですね。
現憲法下における自衛隊と同じだと、アネさんが笑ってました。
いつになってもアメリカの手を借りないと、身動きが取れないという、憲法が幽霊だと勝手に決めてしまった、笑顔が素敵な、あたたかい人たち。
きのうもコンビニでぶつかったらいきなり、
「あれー、医療センターの医師も元旦から出勤、いや、大晦日も元旦も仕事なんですね。 駐屯地にも聴こえるんですよ、救急車のサイレンが。 医師ってきつい仕事なんですねー。 自衛隊のほうが楽だな。 医師の道を考えなくてよかった、ってそんな頭がなかっただけですけどね。 大学で合格しそうなのは防衛大学だけだったからなー。 無理をしないでくださいよ。 医者が救急搬送されたら笑えないですから」
本当に話がうまい。
こんな人が幽霊だなんて、日本はどうなってるんでしょう。 わたしにはちゃんと足が見えましたよ。
さて、きょうはショックで泣きたい気分でした。
彼が・・・・・・彼が右手と右足の感覚を失いました。
彼は左利きだからと言えばそれまでなんですが、字を書くのは右に、書道で矯正されてますからね。
ペンを持つのに力が入らない段階ではなく、ペンを持てない段階。
冷えからくる神経痛かと仮定して、検査をしてみたんですが、正常値。
残るのは神経系の異常。
頼りたくないけれど、仕方がないから実家で休んでいた、ウチの変なおじさんに相談したら、すぐ病院に駆けつけてきて、彼を診察。
確定診断は、彼が、変なおじさんが病棟にくるまでに確定したとおり、脳神経系の異常によるものだったんです。
耳鼻咽喉科で、「良性発作性頭位めまい症」の診断を受けたときに、突発性難聴が左に出ているから、右側の感覚がだんだんと失われてきます。 利き腕が左ならなんとか乗り切れますけど、右だと・・・・・・」
「中根くんの言う通りになったな。 やっぱり中根くんの耳鼻科を選んで成功だった。 彼はこの街で最高の腕だから、耳鼻咽喉科の医師としては。 赤十字病院には、柳井という耳鼻咽喉科のスーパードクターがいて、中根くんは技術を見ていて盗んで、疑問はとことん訊いて、柳井さんが逃げ回るほど嫌がっていたくらい真面目な医師でさ。 独立してよかった。 ああいう医師は大病院の政治に巻き込まれて医師としての地位を失うんだ」
「柳井先生にずっと診てもらっていたんですが、ある日、いきなり顔を見なくなって、中根先生に診てもらっていたんです」
彼はアネさんに言いました。
「うん。 知ってのとおり、柳井さんも変人でさ、定年前にさっさと辞めて、ふるさとの北見で開業してるよ。 そうか、柳井さんも知ってるのか。 相当な変人だろう。 他の医師と比べてどう思う?」
「なんかこう、少し癖があると言うか、目立って見えましたけど」
「あれが今のハンチョウなんだぞ。 鏡の中の柳井さんなんだ。 治療法がないから進行をゆるやかにして、がっちりブレーキをかけると脳神経外科医長が約束してくれたから、私は差別するつもりはないし、これまでと同じだけのことはしてもらうよ。 メスは右手でしか握っちゃいけないとは、日本国憲法には書いてないからな。 どこかのバカ役人の言うことは一切聞く必要はないんだから。 日本人なら憲法にだけ従っていればそれでいいの。 役人に従うと、憲法に違反するんだから。 あれ、ハンチョウはメス、左で握ってなかったか?」
彼は頷きました。
「なら、問題はないじゃないか。 待てよ、ヴァイオリンもフルートもサックスもピアノも両手が揃わなければまずいのか。 ギターは確か左利き用のがあるよな。 フォークで左利き用のギターを見たことがある。 右利き用のギターを逆にかけて弦がさかさまなままなのに、コードの押さえ方も逆さまにして使っていたのが松崎しげるさんだ。 ヴァイオリンにはないのか」
「ないことはないです。 はっきり言えば今はあるんです。 でも、比較的最近になって作られたものですから、人工的に薬液につけて材木を枯らしてあるので音がイマイチで。 ヴァイオリンは左利き用の顎当てもありますし、ぼくは、母親が、どうしても左利きだから右利きの楽器を与えても上達しないということで、ウィーンで試験的に生産された左利き用のヴァイオリンも与えてくれましたから、それを使えばそれまでだし、右利き用の楽器を左利きにして、松崎さんと同じように弦が逆になった状態で弾ける訓練もされましたから、問題はないです。 サックスやフルートが無理になるまで進行しても、EWIというクラリネットやサックスの、木管楽器のシンセサイザーがありますし。 キーがタッチセンサーなのでサックスほど指に力は入れなくても、軽く触れるだけで音は出ます。 なにせ、本物の管楽器の音を取り込んでいるタイプのものも使ってますから、別に問題はないですよ。 ペンもリハビリで持てると思いますし、できなければ改良すればいいだけです。 ぼくが、右肺の腫瘍で右手が麻痺した患者さんに配っているスプーンやフォークの原理をペンに応用すればそれで字は書けます。 ここは電子カルテですよね。 だったら音声を文字に変換させることも可能です。 右が使えなくても一切問題はありません」
超前向き。
引き算しかできないのに。
それにいたって冷静。
わたしにはまねできましぇ~ん。
ドクターXじゃありませんから。
でも、本人が一番前向きだっていうのは救われます。
彼のお母さんが亡くなった、午後3時01分に読経が始まるように、時間調整して病棟を出ました。
ファミリーもなぜかしっかりとついてきたという・・・・・・。 勘が鋭い!。
アネさんが言葉で責めると、「そうか・・・・・・ぼくさえいなくなれば、世の中平和になるんだ。 ぼく、死ぬかもしれない」
子供じゃないんだからすねるなよー。
「科長はぼくのオペにとって一番大切な人ですから、死ぬなんてジョークでも言わないでください」
彼はびしっと言いました。
そうですよ。 オペの成功も失敗も麻酔にかかってるんです。
麻酔科医のミスによる医療過誤のパーセンテージが約7割を超えてるんです。
言ってみれば、才能のある麻酔科医がついてくれるオペを受ける患者さんは必ず、成功率小数点以下のオペでも助かりますし、腕の悪い麻酔科医がついたオペは、盲腸のような簡単なオペでも、患者さんは死ぬかもしれませんからね。
お互いを信頼しているから、見えないところにいても、相手の行動がわかるなんて素晴らしいし、うらやましいですよ。
病棟に戻ったところでアネさんがスタッフを集めて言いました。
「年始の外来診療開始は4日からだけど、金曜なんだよ。 病棟に明日の夜に戻っても、患者さんは4日に一時退院許可を書かされることになる。 患者さんは落ち着かないし、許可願いの用紙の無駄だ。 そこで、患者さんには4日の昼間に診察にだけ来てもらって、6日の夜に改めて病棟に戻ってもらおうと思うんだけど、どう思う。 金持ちの患者さんと低所得・生活保護受給の患者さんには治療と処方薬に差をつけろと国が言うんだ。 たまにお国の言うことも聴いてやろうかと思ってさ」
嫌味が効いた話。
みんなが御意でした。
そしてまたもやカラオケ大会。
はっきり言って、ゴールデンタイムのTV番組ってろくなものがないでしょう。
深夜になって、きのうの『脱出ゲームTV』みたいなおもしろい番組がないから、テレビは観ない。
カラオケのほうが盛り上がれるし、ということでした。
おもしろい番組があればね。
元旦の昼日中に「はげ踊り」なんて、芸人さんにやらせるテレビ局もあったし、2日は空白で、ろくな番組がないですから。
今、テレビがついてます。
AKBの前田敦子さんが、西武ドームのコンサート中に過呼吸を起こした話です。
あのときのことはわたしもはっきり覚えてます。
彼に、総監督の高橋みなみさんから、泣きながらの電話があって、呼吸器の医者ならどうしたらいいかわかるでしょうって。
彼はまず周囲が冷静になること。
それから、どうすべきかをわかりやすく噛み砕いて教えたことがあったなと思いましたからね。
そんな彼が前田さんと同じようにAKBから卒業しようとしているんですからね。
思い出にしてくれるんでしょうか、彼は。
夢中でブログを書いてますが。
きのうは『脱出ゲームTV』で全問正解の鋭い推理力を見せたのに、無視。
やっぱり辞めたくはないんですよ。
秋元さんがあんなにちゃらんぽらんに言うことをころころ変えるから、そんな無責任な人間と仕事はできないというだけで、AKBのメンバーとは何のわだかまりもないんですからね。
しっかし、あらかじめ資料をまとめてから始めた連載だけど、左の指だけでポンポンキーを叩いていくねー。
頭の中に、書く前までにきちんと下書きをしているんですね。
大丈夫、彼は今までと変わらない、神がかり的オペを続けるんでしょう。
わたしがもっと器用なら、彼の右手になれるんですが、なにせ不器用でウンチなもので。
ウンチって言っても、運動音痴の略ですから。
じゃないとトイレに流されてるでしょう。
明日の彼はラジコンレースで、セカンドドライバーを務めます。
後続のマシンをがっちりブロックして、元副医長を音速ひとり旅に出す役目。
ある意味、セカンドのほうがファーストよりテクニックが必要かも。
群がる後続マシンをどうやって妨害するか、ですからね。
オペでは絶対失敗しないけど、ラジコンはどうなんでしょう。
そういえば、とんねるずとプロ・アスリート対決の番組を観ていて、テニスで松岡修造・錦織圭ペアととんねるず+元世界ランク第1位のプレーヤー3人組。 松岡さんが育てている少年テニスプレイヤーたちとの対決で、松岡さんの場合はここにスマッシュすればリターンできない、とか錦織さんの弱点はここだから、そこをつくと1対1でも楽に勝てるよ、なんてビッグマウスしてましたが、一緒に観ていた佐橋・紺野両、元テニス部看護師たちは、確かに彼の言うことは正しいかもと。 その直後に子供がいきなり松岡さんに向けてスマッシュ。 彼の言ったところを狙って見事に松岡さんの足の間を抜いていきましたよ。
「松岡って口で威嚇するだけでたいしたことはないんだ。 ウィンブルドン8位はまぐれ。 もし、今、ぼくとシングルでゲームメイクしてくれたら3セットで終わらせるよ。 松岡にしても、錦織にしても態度が悪い。 ゲームに勝っても絶対にガッツポーズも、躍り上がるようなこともしてはいけないのがテニス。 貴族のスポーツなんだから。 イギリスであれをやると、マスコミに叩かれるんだ」
紺野看護師がぽつりと言いました。
「ロッド・レーバーだ。 ハンチョウのテニスはオーストラリアンスタイルだよ、佐橋」
それを受けた佐橋看護師も、
「それは永遠に勝てないね。 パワーだけじゃなくて、相手のスタンスで来るボールを読むんだから、フェイントをかけられない唯一の場所はすたんすだもん。 佐橋もはじめからオーストラリアンスタイルにすれば勝てたかも。 あーあ、今からじゃダメだ・・・・・・勝てるとしたらダブルスで、志村先生を的にして徹底的に叩く戦術もあるけどね」
わたしは初心者なんです。
初心者はいじめちゃいけないの。 貴族のスポーツだから。
初心者を叩くのは、自民党的戦術です。
弱いものを徹底的に叩く。
差別社会が正当化されてもいいのか!。
スーパーのお惣菜おせちは。
目に付くものを片っ端から詰め合わせたって感じで。
エビチリとドリアとミネストローネが同居してました。
エビチリは中華、ドリアはギリシア、ミネストローネはフレンチだと彼に教わったんですが、それがわかるとちょっと手が出ない・・・・・・。
日本人お得意の無国籍ですね。
音楽で言うと、演歌は日本の心だと言ってる演歌の大物作曲家さんですか。
正しい音楽分類だと、歴史的に演歌のルーツは韓国歌謡ですから。 K-POPじゃなくて、ですが。
つまり演歌は韓国の心なんです。
日本の心と言うのは「赤とんぼ」「こいのぼり」「五月五日」「おぼろ月夜」などの唱歌ですから。
スーパーのお惣菜おせちを演歌だとすると、彼の手作りのおせちは唱歌。
もう、学校の教科書からも消えてしまった「美しい国日本」ですね。
現憲法下における自衛隊と同じだと、アネさんが笑ってました。
いつになってもアメリカの手を借りないと、身動きが取れないという、憲法が幽霊だと勝手に決めてしまった、笑顔が素敵な、あたたかい人たち。
きのうもコンビニでぶつかったらいきなり、
「あれー、医療センターの医師も元旦から出勤、いや、大晦日も元旦も仕事なんですね。 駐屯地にも聴こえるんですよ、救急車のサイレンが。 医師ってきつい仕事なんですねー。 自衛隊のほうが楽だな。 医師の道を考えなくてよかった、ってそんな頭がなかっただけですけどね。 大学で合格しそうなのは防衛大学だけだったからなー。 無理をしないでくださいよ。 医者が救急搬送されたら笑えないですから」
本当に話がうまい。
こんな人が幽霊だなんて、日本はどうなってるんでしょう。 わたしにはちゃんと足が見えましたよ。
さて、きょうはショックで泣きたい気分でした。
彼が・・・・・・彼が右手と右足の感覚を失いました。
彼は左利きだからと言えばそれまでなんですが、字を書くのは右に、書道で矯正されてますからね。
ペンを持つのに力が入らない段階ではなく、ペンを持てない段階。
冷えからくる神経痛かと仮定して、検査をしてみたんですが、正常値。
残るのは神経系の異常。
頼りたくないけれど、仕方がないから実家で休んでいた、ウチの変なおじさんに相談したら、すぐ病院に駆けつけてきて、彼を診察。
確定診断は、彼が、変なおじさんが病棟にくるまでに確定したとおり、脳神経系の異常によるものだったんです。
耳鼻咽喉科で、「良性発作性頭位めまい症」の診断を受けたときに、突発性難聴が左に出ているから、右側の感覚がだんだんと失われてきます。 利き腕が左ならなんとか乗り切れますけど、右だと・・・・・・」
「中根くんの言う通りになったな。 やっぱり中根くんの耳鼻科を選んで成功だった。 彼はこの街で最高の腕だから、耳鼻咽喉科の医師としては。 赤十字病院には、柳井という耳鼻咽喉科のスーパードクターがいて、中根くんは技術を見ていて盗んで、疑問はとことん訊いて、柳井さんが逃げ回るほど嫌がっていたくらい真面目な医師でさ。 独立してよかった。 ああいう医師は大病院の政治に巻き込まれて医師としての地位を失うんだ」
「柳井先生にずっと診てもらっていたんですが、ある日、いきなり顔を見なくなって、中根先生に診てもらっていたんです」
彼はアネさんに言いました。
「うん。 知ってのとおり、柳井さんも変人でさ、定年前にさっさと辞めて、ふるさとの北見で開業してるよ。 そうか、柳井さんも知ってるのか。 相当な変人だろう。 他の医師と比べてどう思う?」
「なんかこう、少し癖があると言うか、目立って見えましたけど」
「あれが今のハンチョウなんだぞ。 鏡の中の柳井さんなんだ。 治療法がないから進行をゆるやかにして、がっちりブレーキをかけると脳神経外科医長が約束してくれたから、私は差別するつもりはないし、これまでと同じだけのことはしてもらうよ。 メスは右手でしか握っちゃいけないとは、日本国憲法には書いてないからな。 どこかのバカ役人の言うことは一切聞く必要はないんだから。 日本人なら憲法にだけ従っていればそれでいいの。 役人に従うと、憲法に違反するんだから。 あれ、ハンチョウはメス、左で握ってなかったか?」
彼は頷きました。
「なら、問題はないじゃないか。 待てよ、ヴァイオリンもフルートもサックスもピアノも両手が揃わなければまずいのか。 ギターは確か左利き用のがあるよな。 フォークで左利き用のギターを見たことがある。 右利き用のギターを逆にかけて弦がさかさまなままなのに、コードの押さえ方も逆さまにして使っていたのが松崎しげるさんだ。 ヴァイオリンにはないのか」
「ないことはないです。 はっきり言えば今はあるんです。 でも、比較的最近になって作られたものですから、人工的に薬液につけて材木を枯らしてあるので音がイマイチで。 ヴァイオリンは左利き用の顎当てもありますし、ぼくは、母親が、どうしても左利きだから右利きの楽器を与えても上達しないということで、ウィーンで試験的に生産された左利き用のヴァイオリンも与えてくれましたから、それを使えばそれまでだし、右利き用の楽器を左利きにして、松崎さんと同じように弦が逆になった状態で弾ける訓練もされましたから、問題はないです。 サックスやフルートが無理になるまで進行しても、EWIというクラリネットやサックスの、木管楽器のシンセサイザーがありますし。 キーがタッチセンサーなのでサックスほど指に力は入れなくても、軽く触れるだけで音は出ます。 なにせ、本物の管楽器の音を取り込んでいるタイプのものも使ってますから、別に問題はないですよ。 ペンもリハビリで持てると思いますし、できなければ改良すればいいだけです。 ぼくが、右肺の腫瘍で右手が麻痺した患者さんに配っているスプーンやフォークの原理をペンに応用すればそれで字は書けます。 ここは電子カルテですよね。 だったら音声を文字に変換させることも可能です。 右が使えなくても一切問題はありません」
超前向き。
引き算しかできないのに。
それにいたって冷静。
わたしにはまねできましぇ~ん。
ドクターXじゃありませんから。
でも、本人が一番前向きだっていうのは救われます。
彼のお母さんが亡くなった、午後3時01分に読経が始まるように、時間調整して病棟を出ました。
ファミリーもなぜかしっかりとついてきたという・・・・・・。 勘が鋭い!。
アネさんが言葉で責めると、「そうか・・・・・・ぼくさえいなくなれば、世の中平和になるんだ。 ぼく、死ぬかもしれない」
子供じゃないんだからすねるなよー。
「科長はぼくのオペにとって一番大切な人ですから、死ぬなんてジョークでも言わないでください」
彼はびしっと言いました。
そうですよ。 オペの成功も失敗も麻酔にかかってるんです。
麻酔科医のミスによる医療過誤のパーセンテージが約7割を超えてるんです。
言ってみれば、才能のある麻酔科医がついてくれるオペを受ける患者さんは必ず、成功率小数点以下のオペでも助かりますし、腕の悪い麻酔科医がついたオペは、盲腸のような簡単なオペでも、患者さんは死ぬかもしれませんからね。
お互いを信頼しているから、見えないところにいても、相手の行動がわかるなんて素晴らしいし、うらやましいですよ。
病棟に戻ったところでアネさんがスタッフを集めて言いました。
「年始の外来診療開始は4日からだけど、金曜なんだよ。 病棟に明日の夜に戻っても、患者さんは4日に一時退院許可を書かされることになる。 患者さんは落ち着かないし、許可願いの用紙の無駄だ。 そこで、患者さんには4日の昼間に診察にだけ来てもらって、6日の夜に改めて病棟に戻ってもらおうと思うんだけど、どう思う。 金持ちの患者さんと低所得・生活保護受給の患者さんには治療と処方薬に差をつけろと国が言うんだ。 たまにお国の言うことも聴いてやろうかと思ってさ」
嫌味が効いた話。
みんなが御意でした。
そしてまたもやカラオケ大会。
はっきり言って、ゴールデンタイムのTV番組ってろくなものがないでしょう。
深夜になって、きのうの『脱出ゲームTV』みたいなおもしろい番組がないから、テレビは観ない。
カラオケのほうが盛り上がれるし、ということでした。
おもしろい番組があればね。
元旦の昼日中に「はげ踊り」なんて、芸人さんにやらせるテレビ局もあったし、2日は空白で、ろくな番組がないですから。
今、テレビがついてます。
AKBの前田敦子さんが、西武ドームのコンサート中に過呼吸を起こした話です。
あのときのことはわたしもはっきり覚えてます。
彼に、総監督の高橋みなみさんから、泣きながらの電話があって、呼吸器の医者ならどうしたらいいかわかるでしょうって。
彼はまず周囲が冷静になること。
それから、どうすべきかをわかりやすく噛み砕いて教えたことがあったなと思いましたからね。
そんな彼が前田さんと同じようにAKBから卒業しようとしているんですからね。
思い出にしてくれるんでしょうか、彼は。
夢中でブログを書いてますが。
きのうは『脱出ゲームTV』で全問正解の鋭い推理力を見せたのに、無視。
やっぱり辞めたくはないんですよ。
秋元さんがあんなにちゃらんぽらんに言うことをころころ変えるから、そんな無責任な人間と仕事はできないというだけで、AKBのメンバーとは何のわだかまりもないんですからね。
しっかし、あらかじめ資料をまとめてから始めた連載だけど、左の指だけでポンポンキーを叩いていくねー。
頭の中に、書く前までにきちんと下書きをしているんですね。
大丈夫、彼は今までと変わらない、神がかり的オペを続けるんでしょう。
わたしがもっと器用なら、彼の右手になれるんですが、なにせ不器用でウンチなもので。
ウンチって言っても、運動音痴の略ですから。
じゃないとトイレに流されてるでしょう。
明日の彼はラジコンレースで、セカンドドライバーを務めます。
後続のマシンをがっちりブロックして、元副医長を音速ひとり旅に出す役目。
ある意味、セカンドのほうがファーストよりテクニックが必要かも。
群がる後続マシンをどうやって妨害するか、ですからね。
オペでは絶対失敗しないけど、ラジコンはどうなんでしょう。
そういえば、とんねるずとプロ・アスリート対決の番組を観ていて、テニスで松岡修造・錦織圭ペアととんねるず+元世界ランク第1位のプレーヤー3人組。 松岡さんが育てている少年テニスプレイヤーたちとの対決で、松岡さんの場合はここにスマッシュすればリターンできない、とか錦織さんの弱点はここだから、そこをつくと1対1でも楽に勝てるよ、なんてビッグマウスしてましたが、一緒に観ていた佐橋・紺野両、元テニス部看護師たちは、確かに彼の言うことは正しいかもと。 その直後に子供がいきなり松岡さんに向けてスマッシュ。 彼の言ったところを狙って見事に松岡さんの足の間を抜いていきましたよ。
「松岡って口で威嚇するだけでたいしたことはないんだ。 ウィンブルドン8位はまぐれ。 もし、今、ぼくとシングルでゲームメイクしてくれたら3セットで終わらせるよ。 松岡にしても、錦織にしても態度が悪い。 ゲームに勝っても絶対にガッツポーズも、躍り上がるようなこともしてはいけないのがテニス。 貴族のスポーツなんだから。 イギリスであれをやると、マスコミに叩かれるんだ」
紺野看護師がぽつりと言いました。
「ロッド・レーバーだ。 ハンチョウのテニスはオーストラリアンスタイルだよ、佐橋」
それを受けた佐橋看護師も、
「それは永遠に勝てないね。 パワーだけじゃなくて、相手のスタンスで来るボールを読むんだから、フェイントをかけられない唯一の場所はすたんすだもん。 佐橋もはじめからオーストラリアンスタイルにすれば勝てたかも。 あーあ、今からじゃダメだ・・・・・・勝てるとしたらダブルスで、志村先生を的にして徹底的に叩く戦術もあるけどね」
わたしは初心者なんです。
初心者はいじめちゃいけないの。 貴族のスポーツだから。
初心者を叩くのは、自民党的戦術です。
弱いものを徹底的に叩く。
差別社会が正当化されてもいいのか!。