患者さんの誰もいない病棟は淋しい。
スタッフたちは、アネさんの提案で、全員外出しようということになった。
きょうから、夏休み(秋休み?)に入った、ガンバと奥さんの看護師は、朝9時過ぎに出かけた。
暖かい所へ行くという。
この街はすっかり冬だ。 気温が8℃を割った。
学校では、9℃を割ったらヒーターが入る。
病院だって、常時22℃を保つ、という規則はあるが、節電目標として、この病院に与えられた電力では、22℃でヒーターを入れることはできない。
患者さんたちには、暖かい自宅でゆっくりしてきてほしい。
日曜の夜に会おうね。
外出する時間をずらし、常にスタッフステーションに1人の医師と3人の看護師が残る体制をとった。 チームが1つ残るってことだ。
わたしと彼のチームは午後1時30分からの外出になった。
きょう、久しぶりに彼がトヨタ86GTリミテッドのステアリングを握った。
行き先は、市街のど真ん中の病院。
別名、「グランブルー・ドリームス・オーケストラ・プロダクション」
そう、彼らの練習日に参加したのだ。
ところが楽器を持っての練習は、1時間だけ。
きょうは企画会議なのだ。 もう、クリスマスコンサートの企画。
プロのアーティストは、6月にクリスマスソングを製作し、8月にはレコーディングを終了し、完成させる。
と、いうことは10月の企画会議は完璧に出遅れ。
いつもなら7月にはクリスマスコンサートの曲目を決定し、彼がアレンジを書いて9月初旬からリハーサルが始まる。
でも、今年は市の要請で、夏祭りでの演奏を何度もこなし、市が企画したオータム・コンサートという初めての経験をしたから、その分ずれがきた。
彼らはそんなことは気にしない。 常にしっかりと前をみつめているから。
考え方が超ポジティブなのだ。
きょう決まった演奏曲目のアレンジを彼が書き終えて、メンバーに渡したら、曲順を決めていく 。 同時に、チケットが発売される。 1枚500円。 安い!。 これにはわけがあって、1,000円にすると課税対象になるから。 税率が高いから、ホールが満員になったら、ものすごい金額の税を徴収される。 それならその分をもっと有意義に使いたい。 例えば何かのチャリティーとか。 去年のクリスマス・コンサートの利益はすべて「あしなが育成基金」に募金された。
クリスマスの頃には、彼が毎年、「あしなが育英基金」のためのチャリティー・コンサートを開くから、それに呼応したのだろう。
練習を終えてから、彼が行かなければならないところがあるという。
わたしたちの病院から、彼が1人暮らしをしていたマンションへの道の途中の倉庫の隣に事務所が併設された場所で、倉庫には「マスプロ電工株式会社」と書かれている。 テレビのアンテナや、アンテナとテレビを接続するための器具や電波を強調するために使うブースターの会社の営業所。
きょうは土曜だよ
休業してるでしょ
「いや、土曜も日曜も、24時間、2人の技師が待機していて、強風でアンテナが倒れた、BSやスカパーが突然ブラックアウトしたというお客様からの相談電話に応対して、修理に出かけるんだ。 昔は、小売店が修理したもんだけど、今のような量販店には技術屋がいないから、メーカーが対応するんだ。
車から降り、彼は事務所に入っていって、巨大な正方形の箱をぶら下げて出てきた。
荷物を後部シートに置いた。
振り返ると、「BS・110度アンテナセット」と箱に書かれている。
衛星放送のパラボラか。って、
パラボラはついてるでしょ
異常に大きいみたいだけど
「100cm。 今は45cmでしょ。 画質がいまいちで気になるんだよね。 だから、最大口径の家庭用のパラボラにしてみようと思ってね。 ハイビジョン画質になるよ。 さてと、まだ時間はあるからおもしろいことをしてみようか。 櫻井医師のチームと合流してっと」
彼は櫻井医師の携帯を鳴らした。
結果、イオン・マックスバリュ永山で合流となった。
「小腹を満たさない?」
「そこのクレープが絶品だとか?」
「その向かいのラーメン屋。 ”どっかん大爆発らうめん”っていうのがイケるんだ。 御代は全部ぼくがおごる」
なんか裏がありそうね
「ギャル曽根大喜び!ってだけ」
「もしかして、テレビスペシャルでよくやってる大食い選手権に出てくるようなメガ盛り・・・・・・」
櫻井医師の不気味な言葉が的中。
ラーメンの麺というのは、業界で決められていて、カップめんや袋入り麺は90g、生麺が100g、フードコートも100g、ラーメン専門店は120g。
大盛りは各店の自由だという。
”どっかん爆発らうめん”は三人半前、つまり420gの麺と5cm厚みのチャーシュー6枚に、メンマ12本。
完食できたのはわたしだけ。
櫻井医師と佐橋看護師は70%。
偉そうなことを言っていた彼が55%。
宇野看護師と安積看護師、黒木・紺野看護師は20%。
彼は御代をすべて支払った。
完食する秘訣は、スープに豚骨こってりを選ばず、鶏ガラと半干しの開きアジのあっさりスープにすること。
脂がもたれるでしょ。
その後は休憩コーナーでベンダーの飲料で口直し。 しばらく休んで、クレープを食べて病棟に戻った。
いきなり彼の携帯が鳴った。
「はい・・・・・・生きてます・・・・・・止めたわけじゃない、生涯現役ですから・・・・・・明日・・・・・・15時・・・・・・外出してますね・・・・・・ラジコンね・・・・・・1/7スケールですか・・・・・・いいですよ、受けてたちます。予選で3番グリッドまでをキープします。 最後はチェッカーを受けますよ・・・・・・最後に笑うのは誰でしょう」
彼はくくっと笑って電話を切った。 また出たビッグマウス。
「明日、ラジコンカーのレースってものを見てみない? 1/7という一番大きなスケールだから迫力あるよ。 予選でラップタイム3位以内をキープして、本選は3番グリッド以内をキープして、最後はチェッカーを受けるから。 北海道のミハエル・シューマッハと言われたぼくの復帰戦だけど」
フェラーリF1-2000でいくの?
「2005だ。スケールが大きくなると、風圧が大きくなる。 2005のディフューザーのほうがうまく流してくれると思うんだ。 デグナーでもシケインでもアグレッシブに攻めるよ。 スケールが大きいと微妙なコントロールが難しい。でも、そこが狙いだ」
計算通りになんかいかないよ、世の中は。
しかし”どっかん大爆発らうめん”は応えた。
二度とチャレンジしない。
スタッフたちは、アネさんの提案で、全員外出しようということになった。
きょうから、夏休み(秋休み?)に入った、ガンバと奥さんの看護師は、朝9時過ぎに出かけた。
暖かい所へ行くという。
この街はすっかり冬だ。 気温が8℃を割った。
学校では、9℃を割ったらヒーターが入る。
病院だって、常時22℃を保つ、という規則はあるが、節電目標として、この病院に与えられた電力では、22℃でヒーターを入れることはできない。
患者さんたちには、暖かい自宅でゆっくりしてきてほしい。
日曜の夜に会おうね。
外出する時間をずらし、常にスタッフステーションに1人の医師と3人の看護師が残る体制をとった。 チームが1つ残るってことだ。
わたしと彼のチームは午後1時30分からの外出になった。
きょう、久しぶりに彼がトヨタ86GTリミテッドのステアリングを握った。
行き先は、市街のど真ん中の病院。
別名、「グランブルー・ドリームス・オーケストラ・プロダクション」
そう、彼らの練習日に参加したのだ。
ところが楽器を持っての練習は、1時間だけ。
きょうは企画会議なのだ。 もう、クリスマスコンサートの企画。
プロのアーティストは、6月にクリスマスソングを製作し、8月にはレコーディングを終了し、完成させる。
と、いうことは10月の企画会議は完璧に出遅れ。
いつもなら7月にはクリスマスコンサートの曲目を決定し、彼がアレンジを書いて9月初旬からリハーサルが始まる。
でも、今年は市の要請で、夏祭りでの演奏を何度もこなし、市が企画したオータム・コンサートという初めての経験をしたから、その分ずれがきた。
彼らはそんなことは気にしない。 常にしっかりと前をみつめているから。
考え方が超ポジティブなのだ。
きょう決まった演奏曲目のアレンジを彼が書き終えて、メンバーに渡したら、曲順を決めていく 。 同時に、チケットが発売される。 1枚500円。 安い!。 これにはわけがあって、1,000円にすると課税対象になるから。 税率が高いから、ホールが満員になったら、ものすごい金額の税を徴収される。 それならその分をもっと有意義に使いたい。 例えば何かのチャリティーとか。 去年のクリスマス・コンサートの利益はすべて「あしなが育成基金」に募金された。
クリスマスの頃には、彼が毎年、「あしなが育英基金」のためのチャリティー・コンサートを開くから、それに呼応したのだろう。
練習を終えてから、彼が行かなければならないところがあるという。
わたしたちの病院から、彼が1人暮らしをしていたマンションへの道の途中の倉庫の隣に事務所が併設された場所で、倉庫には「マスプロ電工株式会社」と書かれている。 テレビのアンテナや、アンテナとテレビを接続するための器具や電波を強調するために使うブースターの会社の営業所。
きょうは土曜だよ
休業してるでしょ
「いや、土曜も日曜も、24時間、2人の技師が待機していて、強風でアンテナが倒れた、BSやスカパーが突然ブラックアウトしたというお客様からの相談電話に応対して、修理に出かけるんだ。 昔は、小売店が修理したもんだけど、今のような量販店には技術屋がいないから、メーカーが対応するんだ。
車から降り、彼は事務所に入っていって、巨大な正方形の箱をぶら下げて出てきた。
荷物を後部シートに置いた。
振り返ると、「BS・110度アンテナセット」と箱に書かれている。
衛星放送のパラボラか。って、
パラボラはついてるでしょ
異常に大きいみたいだけど
「100cm。 今は45cmでしょ。 画質がいまいちで気になるんだよね。 だから、最大口径の家庭用のパラボラにしてみようと思ってね。 ハイビジョン画質になるよ。 さてと、まだ時間はあるからおもしろいことをしてみようか。 櫻井医師のチームと合流してっと」
彼は櫻井医師の携帯を鳴らした。
結果、イオン・マックスバリュ永山で合流となった。
「小腹を満たさない?」
「そこのクレープが絶品だとか?」
「その向かいのラーメン屋。 ”どっかん大爆発らうめん”っていうのがイケるんだ。 御代は全部ぼくがおごる」
なんか裏がありそうね
「ギャル曽根大喜び!ってだけ」
「もしかして、テレビスペシャルでよくやってる大食い選手権に出てくるようなメガ盛り・・・・・・」
櫻井医師の不気味な言葉が的中。
ラーメンの麺というのは、業界で決められていて、カップめんや袋入り麺は90g、生麺が100g、フードコートも100g、ラーメン専門店は120g。
大盛りは各店の自由だという。
”どっかん爆発らうめん”は三人半前、つまり420gの麺と5cm厚みのチャーシュー6枚に、メンマ12本。
完食できたのはわたしだけ。
櫻井医師と佐橋看護師は70%。
偉そうなことを言っていた彼が55%。
宇野看護師と安積看護師、黒木・紺野看護師は20%。
彼は御代をすべて支払った。
完食する秘訣は、スープに豚骨こってりを選ばず、鶏ガラと半干しの開きアジのあっさりスープにすること。
脂がもたれるでしょ。
その後は休憩コーナーでベンダーの飲料で口直し。 しばらく休んで、クレープを食べて病棟に戻った。
いきなり彼の携帯が鳴った。
「はい・・・・・・生きてます・・・・・・止めたわけじゃない、生涯現役ですから・・・・・・明日・・・・・・15時・・・・・・外出してますね・・・・・・ラジコンね・・・・・・1/7スケールですか・・・・・・いいですよ、受けてたちます。予選で3番グリッドまでをキープします。 最後はチェッカーを受けますよ・・・・・・最後に笑うのは誰でしょう」
彼はくくっと笑って電話を切った。 また出たビッグマウス。
「明日、ラジコンカーのレースってものを見てみない? 1/7という一番大きなスケールだから迫力あるよ。 予選でラップタイム3位以内をキープして、本選は3番グリッド以内をキープして、最後はチェッカーを受けるから。 北海道のミハエル・シューマッハと言われたぼくの復帰戦だけど」
フェラーリF1-2000でいくの?
「2005だ。スケールが大きくなると、風圧が大きくなる。 2005のディフューザーのほうがうまく流してくれると思うんだ。 デグナーでもシケインでもアグレッシブに攻めるよ。 スケールが大きいと微妙なコントロールが難しい。でも、そこが狙いだ」
計算通りになんかいかないよ、世の中は。
しかし”どっかん大爆発らうめん”は応えた。
二度とチャレンジしない。