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  きょうほど、医師になってよかった、この病棟に配属されて良かったと思った日はない。
 
 きょうの夕方から、この病棟の患者さんたちは、みんな一時退院して、日曜の夜まで帰ってこない。
 相変わらず午後7時から8時の1時間はスタッフステーションも大忙しだ。
 わたしは、少し早めに巡回検針を終えた。 1人の患者さんを除いて。

 担当患者さんから提出された一時退院届出書に、印鑑を押して、それを担当看護師が届けるのが正式な手順だが、わたしの心に「そんなものはどうでもいい」という気持ちが芽生えてしまった。
 デニムにこだわりを持つという、24歳の女性患者さんが、スタッフステーションに、届出書を持ってきた。
 わたしは、カウンター越しではなく、入り口でそれを受け取った。
 やっぱり、デニムでばっちり決めている。
 それって、503でしょ!
 わたしはうれしくなって、思わず声を上げた。
 「ええ。先生、詳しいですね」
 わたしも、デニムにこだわりがあってね、白衣のスラックスの下はいつもデニムなんだよ
 今は、暑いから、この歳になって恥ずかしいけど、マイクロミニなんだけど
 「恥ずかしいことなんてないですよ。デニムに年齢制限はないですから」
 そうかな・・・・・・そうだよね
 荷物を持って、どうしたの?
 1Fで家族と待ち合わせ?
 「いえ、そこの面会棟で」
 家族が来るまで1人きりか・・・・・・デニムの話でもしない?
 わたしは、ウチのツレに私の分の届出書にもわたしの印鑑を押してもらうように言って、面会棟へ行った。
 「おい、なんだってぼくがきみの分まで・・・・・・」
 聴こえない。全然聴こえない。
 わたしはこれからカウンセリングがあるの!
 「カウンセ・・・・・・もうー」
 
 まず、自分の好きなタイプのデニムから、話は始まった。
 不思議なことに、彼女もストーンウォッシュが一番しっくりくると言う。
 わたしもそうだ。
 スキニーをかっこよく履くために、ちょっとダイエットしたり、ビンテージはここ一番のときに履くことに決めている。
 同じだよ。
 ロールアップするのは好きじゃない。
 その通り。
 ダメージドデニムを1度履いてみたいけど、いまいち、勇気が出ない。
 ダメージドデニムって、他人が見たら、なんであんなにボロボロなのを履いてるんだ、とか、自分でわざとリッパーするという意味がわからない。だらしない、なんて見えてしまうことがある。特に年代が上の人たち。
 ダメージドデニムのファッション性について、まるきり理解がない。
 悲しいね。
 好きな服を着てるだけで、悪いことしてないよ。
 あっ、ツレがよくキーボードで弾き語りしてる曲に、そんな歌詞が出てきたな。
 プリンセス・プリンセスだっけ。「ダイヤモンド」とかいう曲。
 でも、わたしは「メリークリスマスMrローレンス」とか、「Minami」が好きだな。
 「メリークリスマスMrローレンス」はピアノの繊細さの極致。
 「Minami」というのは月9ドラマ『ロング・バケーション』での最終回で、瀬名がコンクールで弾く曲。
 スパニッシュで、変拍子もあったり、ピアノの高等テクニックが詰まってる。
 それを弾きこなすツレは、弾いた後はぐったりとしている。

 それで、デニムの話ね。
 自分にフィットするデニムを見つけるために、一軒のショップで、同じメーカーの同じモデルをすべて履き、本当にフィットするデニムを見つけるために、あらゆるショップを回ってみる。
 それだよそれ。
 それをするか、いい加減なところで妥協するか。
 本当のデニム好きなら、妥協はしない。
 全部のショップを廻って、1本もなければ、買わない。
 デニムを履きこなすということは、生涯の伴侶を見つける以上に難しいことなんだ。
 それからも話は尽きることがなくて、結局、家族が迎えに来るまで、話に熱中していた。
 面会棟から家族とともに出て、エレベーターを待つ。その間もわたしは彼女に寄り添っていた。
 エレベーターの扉が開いた。
 家族の後から乗り込んだ彼女は言った。
 「月曜から、またデニムの話をしようね、先生」
 わたしは大きく頷いた。
 エレベーターの扉が閉まり、1Fへと降下していった。
 
 病棟の奥から、プラスティック・モデル好きの患者さんが、家族とともに現れた。
 せっかく3日間もあるんだから、作ってみたらどうですか、プラスティック・モデル
 わたしは声をかけた。
 「そうだな・・・・・・うん、そうしよう。午前零時まで店を開けてる模型店があるから、これから寄ってみようか」
 ボイジャーが発売されたんですよ
 「ボイジャー?」
 NASAの木星探査機の
 「ああ。そう。これもはやぶさフィーバーのおかげかな」
 サイエンスワールドシリーズって、1/72スケールですけど、第1弾が「しんかい6500」で2弾目が「ボイジャー」
 今頃、どこを飛んでいるんでしょうね
 「うん。当時は大ブームになって、毎日ニュースは「ボイジャー」だった。でも、日本のほうがすごいことをやってしまった。小惑星のサンプルリターン・ミッションなんて、NASAでさえ失敗したんだ。「はやぶさ」プロジェクトの面々には本当に頭が下がるよ。少ない燃料しか与えられずに、予算もNASAと比べたら、ないに等しい。逆境の中でよくやったよ。日本の誇りだ。今度は2014年に「はやぶさⅡ」が打ち上げられる。楽しみだよ」
 それが、どうなるかわからないそうですよ
 ウチのツレがJAXAの非常勤職員で、「はやぶさ」ではイオン・エンジン開発・推進チームにいたんですが、もうだめだとあきらめたときにツレの設計した回路が役に立って、無事帰還できたとか
 14年のミッションは、削れるところは削っても120億円の予算がかかるんですが、30億円しか文科省は出してないんだそうですよ
 「役人っていう奴はどうしようもないからな。国会議員の給与と賞与と定数を減らせばいいんだ。海外ではほとんどの国が議員はボランティアだ。それに必要のないダムや高速道なんかを次々と作りやがる。まったく、どうかしてるよ、この国は。金の使い方を知らん。 それにしても「しんかい6500」も「ボイジャー」も捨てがたいな」
 あとは、トヨタ86も1/24で発売されてます
 エンジンとかまで組み立てる、本格的なのが
 ツレの新車が明日納車になるんですが、86のGTリミテッドなんです
 「トヨタとスバルの共同開発だな。GTリミテッドは、トヨタがF1で培った技術を市販車に応用したんだ。スバルのインプレッサの走りと、トヨタのエンジン技術が相互に組み合わさって、今までのトヨタにはない本格的なスポーツ・クーペに仕上がってる。その昔、トヨタには2000GTというスポーツ・クーペがあった。フェラーリやランボルギーニと比べても見劣りしない性能で、トヨタの名前が世界に響いた。でも、走りを優先させたために、安全性能が犠牲になってね。国会で死亡事故率No.1と叩かれて、たった373台で生産は打ち切られた。マツダ・オートザムAZ-1と同じ運命をたどったんだ」
 ツレはAZ-1と86を両方乗りこなすみたいですよ
 インターナショナルAクラスのライセンスで、GTレースにも出ていた時期があるみたいで
 「そうか。インターナショナルAクラスのライセンスを持ってしても、ラジコンはこなせないか。タイヤが外れて飛んだり、シケインでの操作が遅れて乗り上げたり。ラジコンと実車は違うんだな。何を作ったか、月曜に報告するよ。それじゃあ、先生も患者のいないときくらいゆっくりと休みなさい。か細い身体で大変だろう」
 ありがとうございます
 素敵なシルバーグレイの紳士は、家族とともにエレベーターに消えた。

 スタッフステーションでは、ツレが思い切り回転イスの背もたれに身体を預けて、ため息をついていた。
 「終わりましたか、カウンセリング」
 悪い、ごめん
 「まあ、患者さんと打ち解けることができたのならいいけどね。何でも話せる関係を保てば、患者さんは自分が今、ここにどのくらいの痛みがあるとか、とにかく、細かいことでも話してくれる。あの2人がオペを希望してくれたらいいね」
 全部の患者さんのオペをするんじゃなかったの?
 「方針を切り替えた。望まないオペをされる患者さんの気持ちを考えたんだ。日曜の講習の時に。尊厳死を求める患者さんもいるんじゃないかと思ってさ。やりたいことをやって、食べたいものを食べて、思い残すことがない状態で、静かに息を引き取りたいと願う患者さんにオペはできないよ。患者の望みをかなえるのが、終末期病棟の医師のすべきことだと思うんだ」
 それもそうだよね
 悪戯に身体に傷をつけられるのは、わたしも嫌だから

 ツレは、終末期病棟の医師として、新しいステップに立った。