きょうという濃密過ぎる1日のできごとを、1回の記事に書くには文字数が多すぎる。
だから、順を追って、何度かの記事に分けて更新仕様と思う。
まず、何より天候について。
快晴、気温28℃。
どこかの天気予報士の予報は見事にはずれた。
はずれてうれしかったけどね。
ただ、暑すぎた。
4・1kmを楽器を演奏しながら、ドリルと呼ばれる、演奏しながら隊列が入れ替わったり、模様になったりしてアスファルトの上を一糸乱れずに行進するには、曇り気味で気温が18℃~20℃が適していると、過去に出場経験を持つ彼と、安積看護師は言っていた。
本番中に水分を補給することはできないから、気温と天候によっては熱中症や日射病、脱水症状に襲われる可能性がある。
ところが、ありえないことが起こった。
わたしたちの団体がスタートした途端に、空は曇り、急激に気温が下がって、最高の条件が揃った。
わたしたちの団体のPTAの活動は夜明けとともに始まっていた。
母親たちはわたしたちのためにお弁当を作る作業を、グランブルー・ドリームス・オーケストラの練習場であり、事務局でもある病院の調理室で手作りのお弁当を200人前以上、作ってくれた。仕出し弁当のほうが楽でやすあがりなのに、あえて自分の手で作ってくれた。
父親たちは交代で、開会式の会場であり、出発点となる河川敷の公園で、わたしたちが出発を待ち、お弁当を食べ、休憩を取るための場所を確保。
橋の下にして日光を遮り、かつ川からの涼を取ることができるように、対面2車線の橋と同じ幅で端に沿って縦長に、レジャーシートを敷き詰め、防波ブロックや砂利で、座っていても痛みを感じないように、巨大なベッドマットくらいの厚みのあるスポンジマットを敷き、その上にゴザを敷き詰めるという念の入れようだった。十名ずつが1時間交代で場所を守る。
スポンジマットは、メンバーの誰かの父親が、勤めている会社の花見宴会に使うためのものを借りてきたのだという。
ある父親は言った。
「ぼくらが子供の頃は、運動会の日は、父親が家族の観覧席を、子供が見やすい場所にするために、夜明け前から場所を確保して座り込んでいたものですが、今の運動会は場所取り禁止なんていって、校門をガッチリ施錠してしまうから、開門時間に場所の取り合いでPTA同士が揉めますからね。でも、今回は市役所に問い合わせたところ、特に場所取り禁止ということは決めていないって言うから、それを父親の仕事にしたんですよ。男の料理はまったく相手にされない。でも、不思議なのは、いつもは冷凍食品やお惣菜で済ませる母親が今日に限って手作り弁当ときた。まったくどうなっているんだか」
母親は、手作りにした理由をこう言っている。
「仕出しに頼めば味もよくてわたしたちは楽で、おまけに安上がりかもしれません。でも仕出し弁当には重大な欠点があります。それは、その日の気温に関係なく、傷みが早い食材を使うことです。代表的なのが玉子。これだけの気温なら、作ってから2時間もしないで痛みます。それは言い換えれば団体から本番中に病人を出すことになりますし、それがわが子だったら一生悔やむことになりますから」
そうだよね。仕出し弁当には必ず、だし巻き玉子が使われている。どんなお弁当でも、中華弁当であっても、だし巻き玉子が入っていない仕出し弁当はない。玉子ほどあたると怖いものはない。吐き気止めも、下痢止めもまったく効き目がない。
そこまで真剣に考えてくれるとは、すばらしいPTAだ。
わたしには運動会や学校祭での場所取りや、手作り弁当の経験はない。
母親も薬剤師として赤十字病院に勤めていたから、運動会を観に来てくれた経験もないし、いつもいくらかのお金をくれて、パンでも買って食べなさい、だったから。
ここで、時間を巻き戻して、マーチング曲選定の話にしてみよう。
当然、わたしたちはその場にいなかった。
市から、市長の提案で、今年から、吹奏楽連盟未加入団体ながら、優秀なバンドは「特別枠」
という名目で参加してもらうことになった。ちょうど、高校野球の「21世紀枠」みたいなものだ。
その切符が送られてきたのはグランブルー・ドリームス・オーケストラで、PTAとメンバー全員による会議で参加の意思を伝えた。
なぜ、吹奏楽連盟に加入してなかったかと言えば、莫大な入会金と月会費はなんとかPTAは払うことで問題はない。でも、裏金というものが必要になる。連盟の三役のために宴会の場を設け、そこで札束の詰まった菓子折りをお土産に持たせる必要があった。必要であれば金額的にはなんとかするけど、非合法なことに首を突っ込むのは抵抗がある。だから会議でメンバーの了承もとって非加盟団体となった。
特別枠出場となったからには華やかさも欲しい。それなら、姉妹バンド提携のある札幌の病院の吹奏楽団に加わってもらおうと言うことで合同演奏が成立した。
そこでマーチングのための選曲作業が始められた。
統計学的に、過去のこの行事で演奏された曲、そして今年演奏されるであろう曲は除外していこうということで削除方式がとられた。
まずAKBは数多くの団体が取り上げるだろうからダメ。次にブームの「風になりたい」は必ずいくつかの団体が過去の例から取り上げているからダメ。「宇宙戦艦ヤマト」は過去の大会のデータで、演奏された回数が多すぎるし、実写映画のヒットの影響でおそらく取り上げる団体が多いからダメ。「銀河鉄道999」も過去のデータでは回数が上位で、EXEILEのカヴァーで知った世代、小・中・高生の団体が主流だから、とりあげる団体がでるだろうからダメ。J・P・スーザの書いたマーチの数々は定番で、自衛隊も、警察も、消防も必ず演奏するからダメ。削るうちに選択肢がせばめられて、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のTV用テーマ「残酷な天使のテーゼ」に行き着くも、バンド・スコアの売り上げをヤマハで調べたところ、この街のヤマハではものすごく売れているという回答があり、却下。いよいよ演奏曲目がなくなったところで院長が、今年はウルトラセヴン誕生45周年であることに気づき、ウチの彼がコンサート用にアレンジした譜面があるのを思い出す。
院長も特撮ヲタクで、趣味がプラスティックモデルとラジコン。だからセヴン45周年であることだけを憶えてた。外科医として憶えておかなければいけないことは忘れても、どうでもいいことは忘れない、と副院長謙理事長の、院長の奥さんは嘆いた。
「ウルトラセヴン」は「ウルトラマンの歌」と違って、設定が国際科学警察ではなく、地球防衛軍。つまり、シビリアンではなくミリタリーだから、使用される曲もマーチが多い。
メンバーに譜面を見せたら、賛成された。
過去の大会でも一度も取り上げられていなかった。
「ウルトラセヴン」主題歌に、防衛チームである、地球防衛軍の精鋭を集めた「ウルトラ警備隊」という、チームの戦闘機の発進シークェンスや戦闘シーンに流れた曲をメドレーにしてアレンジされた譜面を使った。
出場するためには曲を2曲用意することが規則で、あと1曲はどうするか。
たまたま、「ウルトラセヴン」の譜面の入った封筒の隣に「スタートレック」という曲の譜面が入った封筒があったから、それもメンバーに配ってみた。
ウチの彼が、TVドラマ『宇宙大作戦』メインタイトルから始まる、『スタートレック ネクストジェネレーション』からメインタイトル(劇場版『スタートレック』1作目からの流用)『スタートレック ディープ・スペース・ナイン』メインタイトル、そして『スタートレック ヴォイジャー』メインタイトルをメドレーにしたアレンジだった。スタートレックの基本設定は、”惑星連邦の宇宙艦隊旗艦”を舞台に起こる未知の生命体との接触や侵略に対する迎撃だから、メインタイトルがマーチ調にアレンジしても曲を壊すことがないという点でメンバーが賛成し、決定した。
『宇宙大作戦』メインタイトルは、「ニューヨークへ行きたいか!」の名文句を生んだ、『アメリカ大陸横断ウルトラクイズ』のメインテーマとして、ビッグバンド・ジャズアレンジが使われていたから、『ウルトラクイズ』の曲として有名かもしれない。
札幌のバンドにも了承を取り、譜面を送って、リハーサルが始まった。
ウチの団体は2番目に大きな規模の団体で総勢200名だったはずだったけれど、本番では1番大きな団体になっていて、スタートが最後尾になってしまった。
このいきさつは、長くなるので、思いがけない人との再会なども含めて、明日の更新にしようと思う。
外は3度目のゲリラ豪雨。
彼の天気予報はアフターコンサートを含む、全ての行事が終わってから、的中した。
だから、順を追って、何度かの記事に分けて更新仕様と思う。
まず、何より天候について。
快晴、気温28℃。
どこかの天気予報士の予報は見事にはずれた。
はずれてうれしかったけどね。
ただ、暑すぎた。
4・1kmを楽器を演奏しながら、ドリルと呼ばれる、演奏しながら隊列が入れ替わったり、模様になったりしてアスファルトの上を一糸乱れずに行進するには、曇り気味で気温が18℃~20℃が適していると、過去に出場経験を持つ彼と、安積看護師は言っていた。
本番中に水分を補給することはできないから、気温と天候によっては熱中症や日射病、脱水症状に襲われる可能性がある。
ところが、ありえないことが起こった。
わたしたちの団体がスタートした途端に、空は曇り、急激に気温が下がって、最高の条件が揃った。
わたしたちの団体のPTAの活動は夜明けとともに始まっていた。
母親たちはわたしたちのためにお弁当を作る作業を、グランブルー・ドリームス・オーケストラの練習場であり、事務局でもある病院の調理室で手作りのお弁当を200人前以上、作ってくれた。仕出し弁当のほうが楽でやすあがりなのに、あえて自分の手で作ってくれた。
父親たちは交代で、開会式の会場であり、出発点となる河川敷の公園で、わたしたちが出発を待ち、お弁当を食べ、休憩を取るための場所を確保。
橋の下にして日光を遮り、かつ川からの涼を取ることができるように、対面2車線の橋と同じ幅で端に沿って縦長に、レジャーシートを敷き詰め、防波ブロックや砂利で、座っていても痛みを感じないように、巨大なベッドマットくらいの厚みのあるスポンジマットを敷き、その上にゴザを敷き詰めるという念の入れようだった。十名ずつが1時間交代で場所を守る。
スポンジマットは、メンバーの誰かの父親が、勤めている会社の花見宴会に使うためのものを借りてきたのだという。
ある父親は言った。
「ぼくらが子供の頃は、運動会の日は、父親が家族の観覧席を、子供が見やすい場所にするために、夜明け前から場所を確保して座り込んでいたものですが、今の運動会は場所取り禁止なんていって、校門をガッチリ施錠してしまうから、開門時間に場所の取り合いでPTA同士が揉めますからね。でも、今回は市役所に問い合わせたところ、特に場所取り禁止ということは決めていないって言うから、それを父親の仕事にしたんですよ。男の料理はまったく相手にされない。でも、不思議なのは、いつもは冷凍食品やお惣菜で済ませる母親が今日に限って手作り弁当ときた。まったくどうなっているんだか」
母親は、手作りにした理由をこう言っている。
「仕出しに頼めば味もよくてわたしたちは楽で、おまけに安上がりかもしれません。でも仕出し弁当には重大な欠点があります。それは、その日の気温に関係なく、傷みが早い食材を使うことです。代表的なのが玉子。これだけの気温なら、作ってから2時間もしないで痛みます。それは言い換えれば団体から本番中に病人を出すことになりますし、それがわが子だったら一生悔やむことになりますから」
そうだよね。仕出し弁当には必ず、だし巻き玉子が使われている。どんなお弁当でも、中華弁当であっても、だし巻き玉子が入っていない仕出し弁当はない。玉子ほどあたると怖いものはない。吐き気止めも、下痢止めもまったく効き目がない。
そこまで真剣に考えてくれるとは、すばらしいPTAだ。
わたしには運動会や学校祭での場所取りや、手作り弁当の経験はない。
母親も薬剤師として赤十字病院に勤めていたから、運動会を観に来てくれた経験もないし、いつもいくらかのお金をくれて、パンでも買って食べなさい、だったから。
ここで、時間を巻き戻して、マーチング曲選定の話にしてみよう。
当然、わたしたちはその場にいなかった。
市から、市長の提案で、今年から、吹奏楽連盟未加入団体ながら、優秀なバンドは「特別枠」
という名目で参加してもらうことになった。ちょうど、高校野球の「21世紀枠」みたいなものだ。
その切符が送られてきたのはグランブルー・ドリームス・オーケストラで、PTAとメンバー全員による会議で参加の意思を伝えた。
なぜ、吹奏楽連盟に加入してなかったかと言えば、莫大な入会金と月会費はなんとかPTAは払うことで問題はない。でも、裏金というものが必要になる。連盟の三役のために宴会の場を設け、そこで札束の詰まった菓子折りをお土産に持たせる必要があった。必要であれば金額的にはなんとかするけど、非合法なことに首を突っ込むのは抵抗がある。だから会議でメンバーの了承もとって非加盟団体となった。
特別枠出場となったからには華やかさも欲しい。それなら、姉妹バンド提携のある札幌の病院の吹奏楽団に加わってもらおうと言うことで合同演奏が成立した。
そこでマーチングのための選曲作業が始められた。
統計学的に、過去のこの行事で演奏された曲、そして今年演奏されるであろう曲は除外していこうということで削除方式がとられた。
まずAKBは数多くの団体が取り上げるだろうからダメ。次にブームの「風になりたい」は必ずいくつかの団体が過去の例から取り上げているからダメ。「宇宙戦艦ヤマト」は過去の大会のデータで、演奏された回数が多すぎるし、実写映画のヒットの影響でおそらく取り上げる団体が多いからダメ。「銀河鉄道999」も過去のデータでは回数が上位で、EXEILEのカヴァーで知った世代、小・中・高生の団体が主流だから、とりあげる団体がでるだろうからダメ。J・P・スーザの書いたマーチの数々は定番で、自衛隊も、警察も、消防も必ず演奏するからダメ。削るうちに選択肢がせばめられて、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のTV用テーマ「残酷な天使のテーゼ」に行き着くも、バンド・スコアの売り上げをヤマハで調べたところ、この街のヤマハではものすごく売れているという回答があり、却下。いよいよ演奏曲目がなくなったところで院長が、今年はウルトラセヴン誕生45周年であることに気づき、ウチの彼がコンサート用にアレンジした譜面があるのを思い出す。
院長も特撮ヲタクで、趣味がプラスティックモデルとラジコン。だからセヴン45周年であることだけを憶えてた。外科医として憶えておかなければいけないことは忘れても、どうでもいいことは忘れない、と副院長謙理事長の、院長の奥さんは嘆いた。
「ウルトラセヴン」は「ウルトラマンの歌」と違って、設定が国際科学警察ではなく、地球防衛軍。つまり、シビリアンではなくミリタリーだから、使用される曲もマーチが多い。
メンバーに譜面を見せたら、賛成された。
過去の大会でも一度も取り上げられていなかった。
「ウルトラセヴン」主題歌に、防衛チームである、地球防衛軍の精鋭を集めた「ウルトラ警備隊」という、チームの戦闘機の発進シークェンスや戦闘シーンに流れた曲をメドレーにしてアレンジされた譜面を使った。
出場するためには曲を2曲用意することが規則で、あと1曲はどうするか。
たまたま、「ウルトラセヴン」の譜面の入った封筒の隣に「スタートレック」という曲の譜面が入った封筒があったから、それもメンバーに配ってみた。
ウチの彼が、TVドラマ『宇宙大作戦』メインタイトルから始まる、『スタートレック ネクストジェネレーション』からメインタイトル(劇場版『スタートレック』1作目からの流用)『スタートレック ディープ・スペース・ナイン』メインタイトル、そして『スタートレック ヴォイジャー』メインタイトルをメドレーにしたアレンジだった。スタートレックの基本設定は、”惑星連邦の宇宙艦隊旗艦”を舞台に起こる未知の生命体との接触や侵略に対する迎撃だから、メインタイトルがマーチ調にアレンジしても曲を壊すことがないという点でメンバーが賛成し、決定した。
『宇宙大作戦』メインタイトルは、「ニューヨークへ行きたいか!」の名文句を生んだ、『アメリカ大陸横断ウルトラクイズ』のメインテーマとして、ビッグバンド・ジャズアレンジが使われていたから、『ウルトラクイズ』の曲として有名かもしれない。
札幌のバンドにも了承を取り、譜面を送って、リハーサルが始まった。
ウチの団体は2番目に大きな規模の団体で総勢200名だったはずだったけれど、本番では1番大きな団体になっていて、スタートが最後尾になってしまった。
このいきさつは、長くなるので、思いがけない人との再会なども含めて、明日の更新にしようと思う。
外は3度目のゲリラ豪雨。
彼の天気予報はアフターコンサートを含む、全ての行事が終わってから、的中した。