更新が遅くなってごめんなさい。患者さんが抗癌剤の副作用で高熱を出して、輸血をしなければいけなくて、終わるまで医師が付き添う決まりになっているので。輸血で起きる副作用があるんですが、これが対処のタイミングが遅れると、命に関わるため医師が付き添って、即、対処するために、看護師1名と付き添うんです。


 さて、ここからが本文。

 今朝、わたしは彼に突然宿題を出しました。
 医療のことではなく、趣味の分野で。
 
 現在公開中の『スターウォーズ・エピソード1ファントムメナス3D』を、わたしはどうしても観たいから、当然一緒に観る彼にも「スターウォーズ」の世界観を知って楽しんでもらいたいんです。
 彼は天文学はおろか宇宙工学にまでものすごい知識を持っているから、「スターウォーズ」ではなく、「スタートレック」派で、「スターウォーズ」は観たことがないんです。
 2D公開はエピソード4から5、6と続いて、エピソード1、2、3で順序がばらけていて理解しにくかったと思うのですが、DVDだと1から順を追って観ることができるから、まずはわたしのDVDを1から、1日1本ずつ観てもらって、わからないことはわたしがその場で解説してわかってもらうと。
 そうしたら彼は言いました。
 「ぼくもまったくの”スターウォーズ”素人じゃないよ。ミレニアム/ファルコンやスターデストロイヤーや、Xウィングファイターのプラスティックモデルも作ったし、R2D2のラジコンも持ってる。それに、ジョージ・ルーカス監督が自ら書いた原作小説も読んでる。”ルーク・スカイウォーカーの冒険”ってタイトルで角川書店から出てたんだ。ルーカス監督はあとがきで、この小説は12巻まですでに完成しています。12巻が最後になります。ルークの冒険をどうぞお楽しみに。そして、1冊で1本の映画になります。つまり映画も全12本になります。最終話までのシナリオはすでに完成しているのです。って書いてたんだけど、原作小説は3巻以降出版されなかった」
 わたしの知らないことを知ってるよ。
 スターウォーズに原作小説があったなんて。
 「ルーク・スカイウォーカーの冒険」か。確かに主人公だよね。
 でもエピソード4、5、6でなぜか出版が打ち切られたと。
 「洋書でも3巻しか出ていないんだ」
 なるほど。
 映画も全12作が予定されていたんだ。シナリオまで完成していたなんて。
 ということは映画はシナリオ通りではなかったってことになるのかもしれない。
 「Xウイングファイターってかっこ良くて好きなんだ。宇宙工学理論では、宇宙空間でX字に翼を広げるのは非効率的で、ありえないことなんだけど、スペース・オペラに属する作品だからそれは許されるよ。Yウイングもあったけど、鵜空港学を無視してるけどアリだしね。スペース・オペラは理論より面白さだから。どうやって観る者、読む者を驚かすかが勝負で、あれが宇宙工学理論に乗っ取っていたら、つまらない物語になったと思う。C3POとR2D2の漫才コンビもいいしね。あのコンビって、モデルが日本人なんだよね」
 えーそれは知らない
 「そう。漫才のあした順子ひろし師匠がモデルなんだ。スピルバーグとルーカスは、日本の東宝撮影所で研修していたんだ。円谷英二特技監督の下で特撮映画のスタッフとして働いていた。言わば、円谷監督の愛弟子だね。そのときに日本のTVであした順子ひろし師匠の漫才を観て、後にルーカス監督がロボット漫才を作った」
 いや、円谷監督の下で東宝特撮映画を作っていたのは初耳だけど、あした順子ひろし師匠がR2D2とC3POのモデルだって言うのはちがうよ
 「ばれたか。R2のモデルはわからないけどC3POは”オズの魔法使いのキャラクターのブリキマンがモデルだって、映画雑誌で読んだ記憶があるけど」
 やられたよ。
 ナイツの塙さん的ボケ方。
 R2D2のモデルは私も知らない。
 C3POがオズの魔法使いのキャラクターをモデルにしたのは何かで読んで覚えてたけど。

 さあ、明日から始まるわたしの「スター・ウォーズ講座」。
 彼が覚えてくれるかどうか。
 わたしはゴジラや特撮映画を覚えたんだから、彼には「スター・ウォーズ」を覚えてもらうよ。
 
 でも、初代ゴジラのラストは好きになれないな。
 眠っているゴジラを叩き起こして暴れさせたのは、他でもない人間が発明した核兵器と言う悪魔の兵器の実用化実験を行ったからだからね。ゴジラはずっと安眠していたかったと思うよ。それを核兵器で叩き起こしておいて、人類にとって最大の災害になるからって特殊兵器で窒息させて殺して骨にまでしてしまうって、人間のエゴイズム以外の何者でもないからね。
 「はやぶさ」プロジェクトのリーダーを努めた川口順一郎さんが、きょう、病院を訪れた。これから、正確には深夜1時から、病院で川口さんが努めてるNECから導入したサーバーシステムの点検とメンテナンスを行う。エンジニアも2人同行してるんだけど、彼も手伝うって自分から申し出て、明日朝6時まで不眠不休でメンテナンスをするんだって。
 明日の診察に影響が出ないんだよね。
 医師って48時間不眠不休で働くことが少なくないから、当たり前になってるんだよね。
 スタッフ・ステーションで歓談をしていて、アネさんが、
 「人間は地上で生活して満足してるのに、どうして宇宙を探ろうとするんですか?探査機1基を打ち上げるのに200億円の税金を投入してるんですよね」
 川口さんは答えた。
 「税金のことは大変申し訳ないと思っています。でもね、200億円でも、NASAの10分の一以下なんですよ。ロケットの燃料まで、文部科学省はケチるんで、1基の探査機でいろんんことをやりたいのに、少ない燃料で打ち上げるために、探査機はミッションの内容をしぼるだけ絞って、重量を500kg以下に削らなければ行けないんです。そのためにやらなくてはいけないことも涙をのんであきらめてるんです。
 人間って、とても小さくて欲張りな生き物ですよね。でも、宇宙に抱かれていることによって生かされてる。ぼくらは宇宙があるから生きていられるのではないか、と思ってます。それが宇宙探査を行うことによって、ぼくらはどこから来たのかがわかるんです。ぼくは自分のルーツを知りたいから、宇宙にこだわるんですよ。自分のルーツを知るために200億円もの税金を使うのは本当に申し訳内と思ってます」ぼくにとって宇宙というのは、自分自身の存在を確かめさせてくれる場ですね」
 火星探査機「のぞみ」の失敗にも関わらず、「のぞみ」から少し遅れて始まった「はやぶさ」プロジェクトで起死回生とばかりに、「はやぶさ」を無事に帰還させた人の言葉だね。
 ウチの彼の話だと、今、現在「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの欠片は全部で150個あって、今も慎重に分析が進められているという。
 彼は今、JAXA航空宇宙科学研究所から、2014年に打ち上げられる探査機のプロジェクトに、病院に勤務しながらパソコンで相模原の管制室と結んで、リアルタイムで状況を把握する形で参加を求められている。
 「はやぶさ」の時と同じイオンエンジン開発・推進チームで、「はやぶさ」を帰還させた直接的原因のバイパス回路を新たに設計して、東京は大田区の町工場で完成させてイオンエンジンに組み込み、パソコンで制御すること。
 今まで、彼は正式なポジションの名称を言わなかったけれど、正式にはイオンエンジンおよびスラスター(姿勢制御のために取り付けられている小さな噴射エンジン。「はやぶさ」には12基が取り付けられ、使用されていた)姿勢制御担当オペレーターのリリーフ。正式な姿勢制御担当の手に負えなくなったときに、彼の名前が呼ばれる。
 今回も、同じセクション。
 正式な答えは伝えてないみたいだけど、参加するつもりで、もうパソコンのCADでバイパス回路の設計図を書き終えている。

 わたしは、彼に参加してもらいたと思ってる。
 彼は参加したいんだけど、病院が気になって二つ返事ができない。
 44歳の今でも、子供のように夢に生きてる彼の姿が好きで、こうして結婚を決めたんだから。
 夢をあきらめた彼には、まったく魅力を感じないから。
 
 プロジェクトの名称は近々、彼本人がブログで明らかにするだろうからわたしからは言わないでおきます。