きのうのオペはびっくりするとともに、とても勉強になりました。
彼は病巣部の真上を切開したんです。
少し離れたところを切開して、そこから病巣部を摘出するのが日本流です。
血迷ったかと思ったですよ。
フィンランドにいるときから、オペがしたいって、ずっと言ってたから、狂ったのかなと思いました。
でも、よくよく考えてみると、病巣部と関係ないところを切開して、そこから手を入れて病巣部を取り出すよりも、他の臓器にダメージを与えない、つまり患者さんの体力をいたずらに削ることはしなくていいってことなんですよね。
さすがはハーバード大医学部に現役で入って、飛び級して卒業した兵。
素直にすごいと思います。
ただね、『はやぶさー遥かなる帰還ー』の渡辺謙さんを気取ってオペ室の前室(入念に手を洗ったり、全身ブローでわずかな埃まで完全に落とす部屋からオペ室に入ろうとしてドアに挟まれましたけどね。
天然のボケのほうですよ、これは。
オペ室の自動ドアはドアの上にセンサーがあるんです。
しかも感知する範囲が、患者さんの送還のために広いんですよ。
そこをくぐろうとした瞬間にドアが閉まって、前後を挟まれる形に。
抜けようと必死なんですけど、抜けないんですよ。
「男の子の部分が痛い」
なんて何度も叫んで、(本当はもっと恥ずかしいというか、男の子の部分じゃなくて韓流スターのチャン・グンソクさんの名前に近い言葉でしたけど、それは書けません。
それで水野オペ室長が慌てて飛んでいって、センサーの下で手をひらひらさせて、ドアを開けて彼を救出しました。
でも、今度は術着の背中が挟まれて、ドアに引き戻されるという、ボケ二連発。
おかげで、緊張感もなく連帯感が強く出た理想のオペになりました。
病巣部の真上を切開したおかげで時間短縮にもなったし、彼によればオペ室のライトやいろんな機器は電動だから、本当は嫌いだけど相撲部屋の親方(野田首相のこと)の言う節電に協力した。北海道は53%の電力を泊村の原子力発電所に頼っているし、その原発も定期点検という表向きの理由で完全停止した今、節電は必要だから、って。
初めて聴いたくらい、社会的なことも知ってるんですね。
あまりに高学歴の連中って勉強のことしか知らなくて、世間なんかどうでもいいから勉強で、ちょっとあぶない人が多いんですが、原発のこととかなんて知らないのが当然だと思ってました。
「原発推進派だけど、微妙なんだよね」
どうして?
推進派ってはっきりとしてるでしょ
「うん、それは・・・・・・原発を稼動させると、ゴジラが上陸する可能性がある。奴にとっては何よりの餌だからね、核燃料は。機龍と対特殊生物自衛隊がない今、奴をどうすることもできない。もちろんオキシジェン・デストロイヤー(水中酸素破壊剤。1作目の『ゴジラ』で、東京湾の最深部にいたゴジラを骨にした、芹沢博士の開発した薬品)も芹沢博士とともにないし(博士はその設計図や自分の頭の中の作成法が悪魔の手に渡り、兵器として使用されるのを嫌い、自らの命もゴジラとともに絶った)。奴を起こさないためには原発を停止するしかない」
本気で言ってるの?
「うん。でも、ゴジラはジョークとしても、福島第一号原発を観てると、ゴジラに襲われたような錯覚に襲われるんだよ。スリーマイルやチェルノブイリより破壊が派手だ。ただの津波と地震のような気がしない」
確かに、それは言えるよね
患者さんはオペの翌日に外泊に出ました。
ものすごく元気なの。
信じられないよ、まったく。
普通は2、3日はベッドを離れられないで、お手洗いも尿瓶で済ますんだけど。
議事らの話を真実のように話す彼と、マジックみたいなオペを行う彼との整合性が取れないんですよね。
どっちが本物の彼?。
海外ドラマ『メンタリスト』の主人公の臨床心理士も、彼みたいなところがあってふざけてるのか本気なのかわからないことを言っては周囲を混乱させながら、事件の核心に引っ張っていく、まさに彼とそっくり。
今夜は映画のレイトショーに行きます。
はやぶさを題材にした『おかえり、はやぶさ』
本来は3Dなんですが、地元のシネコンでは3D上映がなくて、一般の映画と同じ方式なんです。
でも、3D作品はメガネのレンタルで450円入場料に上乗せされるから、その分、ソフトドリンクとアメリカンドッグにまわせるからいいですよ。
3Dってものすごく目が疲れるし肩がこるんですよね。
自宅のTVは60Vの3Dですけど。
今度のはやぶさはJAXAがメインじゃなくて、はやぶさの帰りを待ち続けた市民の視点で描かれてるから、ちょっと楽しみです。
JAXAのことは彼から詳しく聴いてるし。
そして、この作品こそ、彼がスケジュールの都合という表向きの理由で音楽監督を降板した作品。
本当は、同じ題材ばかり3作品続けたために、ネタが切れて、Macの前に座ってもフレーズがまったく浮かばないというだけなんですけど。
それよりハリウッドをとったんです。
聖書を壮大なスケールで描いた作品と「G作品」。
「G作品」は本来なら今年の秋の公開だったんですが、ハリウッドってまず撮影して公開できる形にして、映画会社の関係者とスタッフが観て、ここはもっとこうしようとかいろいろ意見を出して、シナリオを書き直したり、スタッフを変更したりしてもう一度撮影するんです。
だから1つの作品が2つ存在するんですが、「G作品」も、かって公開して失敗に終わったためにものすごく慎重に政策を進めているため、2年先に伸びたんですよ。
音楽監督のギャラも、日本では10万円から超大作で50万円なんですが、ハリウッドは半端な金額じゃないんですよ。自動車が2台買えるくらい。
そして、白色申告をして所得税を6割取られて、強がりながら泣いているという。
市民の目にはどのようにはやぶさが映ったのか、おもしろそうなのでじっくり観てきます。