突然ですが、
わたしと不思議ちゃんはフィンランドに行くことになりました。
病院からの命令で、癌の先進医療の導入の盛んなフィンランドへ研修に行け、ということで。
あっ、きょうだ明日だって話じゃないですよ。
2月の20日前後かな。
病院のほうで今、受け入れ側と調整中なんです。
期間も1ヶ月前後かな。
不思議ちゃんは喜んでます。
元カノがフィンランド人なんですよ。
高校生のときから付き合ってたの。
って言っても、手紙のやりとりだよ。
当時はまだ、メールなんていうものもなかったし、インターネットもない。
携帯電話は移動電話という名称で、肩からかけて持ち歩くんだけど、重さが8kgくらいあって、一部の大企業の幹部と社長しか使ってなかったんだから。
あの頃はペン・パルって言って、手紙で会話をするのが普通だった。
海を越えるとペン・パル。国内だとペン・フレンド。雑誌に募集コーナーが載っていて、学校でも海外のペン・パルを紹介してくれたの。英語が上達するから、って。相手にとっては失礼な話だけど、応募しているのは、日本の文化とか若者たちの趣味や行動について興味のある子だから、どっちもどっち。
不思議ちゃんは、その頃には国連職員として勤務できる、国連主催の英語検定Bクラスを所持していたから、英語の上達なんかどうでもよくて、後は外語学部のある大学を卒業すれば、国連に履歴を出してそのまま国際公務員。
じゃあ、なんでペン・パルを作ったか。
友人がペンパルを持っていて、その相手が、日本人の男の子とペンパルになりたいと言ってる友達がいるんだけど紹介して欲しい、ってことで不思議ちゃんにどうか、って。
当時は不思議ちゃん、14ヶ国語を自由に操れて、フィンランド語もしゃべるし書けるし、話に乗って文通を始めたの。
フィンランド語でのやりとりで、彼女の家が、東京ドーム120個分の土地でイチゴの専門農家をやっていて、従業員が150人もいるというお嬢様だとわかって、ちょっとびびったけど、家柄なんて関係ないって彼女が言った。今までは家柄を話すと音信不通になっていた。だから家柄は忘れて続けて欲しい。
それで音楽の話とかいろんな話をしていたらしいんだけど、ある日、彼女から届いた手紙には驚くべきことが書かれてあった。
あなたに話さなければいけないことがあります。実は私、二度と治らない病気に教われました。真剣に神様に祈りをささげていなかったんだと思います。あなたにだけははっきりと病名をお知らせします。病名は、急性骨髄性白血病と言います。骨髄移植のドナーもたくさん協力してくれましたが、適合するドナーがいませんでした。二週間後には、この病院からサナトリウム(終末期療養所。亡くなるまでの期間を、家族や友人たちとおもしろおかしく過ごす場所)に移ることになりました。
高校の卒業式を終えると、彼は次の日にフィンランドの彼女のいるサナトリウムに飛んだ。片道56万円の渡航費も全部1時間睡眠でアルバイトをして貯めたもの。
そして、1ヶ月間彼女と2人きりの濃密な時間を送った。
彼女を天国へと送った彼を、彼女の両親がとても気に入って、今でも春になると自分の土地で収穫したイチゴを送ってくれる。
くれるんだけど、量が半端じゃないの。
病院のスタッフと患者さんすべてに15パックずつ配って歩いたよ、去年は。
日本の銘柄より甘みが薄くて酸味が強い。
だから練乳をかけて食べると、最高においしいの。不思議ちゃんはジャムを作ったけど、これがまた最高。トーストでも、生食でもいけるんだよね。
毎日ご飯の代わりにイチゴを食べてました、なんて言ってた看護師もいたしね。
日本では新宿のフルーツパーラーたかので輸入しているみたいだけどね。
従業員387名の病院の一人一人、患者さんまで15パックだからね。いかに巨大な荷物だったか・・・・・・。
そんなわけで、彼女の眠る墓地と御両親のお宅へ、休みには行きたいって、不思議ちゃんは言ってる。
わたしも報告するよ。あなたの大切な人をもらったから、どうか許して欲しいってね。
不思議ちゃんの親友ってなぜか急性骨髄性白血病で天に召される人が多いんだよね。
本田美奈子さんに、K-1のアンディ・フグ。まだたくさんいる。不思議ちゃん自身が慢性ではあるけど白血病で抗癌剤が離せない状態だしね。
はっきりと言うよ、プロテスタントだけど。
神様ほど残酷なものはない。不思議ちゃんから大切な人々を奪うんだから。
まず、何はともかく研修。
多分留守にする間は、更新が難しいと思う。
iPhone4Sでの更新になると思うけど、毎日は無理かもしれないから、できるだけ更新しようと思います。
読者のみなさん、しばらくお時間をください。
早まらないでよ。きょう明日じゃなくて、まだ先だから。
出かけるときにはご挨拶していきますから。
それまでは毎日更新できると思います。
患者さん次第で。