観てきました、『ニューイヤーズ・イヴ』。

 とにかくまずはキャストに驚かされましたね。

  

 ロバート・デ・ニーロ

 ミシェルファイファー

 ジェシカ・ピール

 ハル・ベリー

 サラ・ジエシカ・パーカー

 アシュトン・カッチャー

 ジョン・ボンジョビ

 セス・マイヤース

 

 とにかくキャストの豪華なこと。


 大晦日のニューヨークの夜を舞台にした物語で、素敵でした。

 さすがは『プリティーウーマン』のスタッフ。素敵さのつぼを心得ていて、これでもかって観せるんですよ。


 ニューヨークの大晦日の夜って、1年にたった1度だけ、どんな願いもかなう、って主人公の8組のカップルはそれを信じて、やり残したことをすべて大晦日のカウントダウンが始まるまでにやるんです。

 そして、タイムズ・スクェアという、巨大なデジタル時計のある場所に集まってくる。

 時計がある瞬間(元旦の10秒前)から数字がひとつずつ減っていくカウントダウンの目印になっていて、集まった人々は、その数字を声を合わせて読み上げるんです。

 なんか、除夜の鐘をひとつつくためにマイナス25度の中を、寺の鐘つき台の周りに長蛇の列を作る日本人って何なんだろうって思います。

 鐘を叩いてなんぼ、っていうより、集まったみんなで、声をあげてカウントダウンを祝うほうが素敵だなって思うんですよね。


 で、ニューヨーク生活者のサコちゃんに聴いてみたら、1年にたった1度だけ、どんな願いもかなう、って、ニューヨーク市民はそれを信じて、やり残したことをすべて大晦日のカウントダウンが始まるまでにやるんだよ。日本では大掃除をして厄を払ったり、除夜の鐘をつくことで厄が落ちるっていうけど、厄という考え方が違うんだよね。

 やり残したことを、タイムズ・スクェアのカウントダウンまでにやると、来年は素敵な一年が送れる、っていう考え方なんだ。タイムズ・スクェアには毎年8万人を超える人々が集まるんだ。多いときなんかは13万人だよ。除夜の鐘は13万人は叩けないよね。108つしか叩いちゃいけないんだから。

 「いつだったか憶えてないけど、除夜の鐘をつきたくて寺の境内に行列を作っていた中で自分の番が来るのを待っていたら、ぼくの前の人が108つ目で、住職が言ったね。”残念でしたね。あなたの厄は来年1年引きずって、来年の大晦日に並んでください。”

 むかついたよー。レコード大賞や紅白の仕事をこなして、『カウントダウンTV』のライブまでの空き時間に並んだんだよ。住職の隙をついて1発ついたよ。

 それで、住職に延々と説教をくらって、最後はマネージャーが割って入って、仕事に引きずってくれたけど」

 それはまずいって。109の除夜の鐘って、せっかく払った厄がみんなに戻るんじゃないの。

 「だけど、せっかく並んだんだからつきたいでしょう、人間としては」

 

 確かにそうだよね。

 タイムズ・スクェアでは電光掲示板に毎年違う絵が輝いたり、いろんな演出があって、大統領まで家族でカウントダウンにやってくるんだって。

 ビル・クリントン大統領はやってきて、いきなりマイクをつかんで、みんなのカウントダウンの声が小さすぎる、もっと大きな声でやれ、って言って、おまえはマイクを持ってるから大きな声に聞こえるだろう、って、野次られて、親指を立てて下に向ける、「ブー」サインで大変だったって。

 とにかくあれだけ感動的で盛り上がるカウントダウンは世界でニューヨークだけだよ。

 浜崎あゆみだ、桑田圭佑だ、福山雅治だ、ジャニーズだのカウントダウン・ライヴなんて問題じゃないよ、あんなの。


 「一度、きみにもあのタイムズ・スクェアのカウントダウン・イヴェントを味あわせてあげたいな。今年あたり、なんとかうまく調整して経験できるといいのに」

 そうなるように、ずっと願ってるから

 あっ、だめか

 大晦日の夜じゃないと、願いはかなわないんだよね

 彼はくすっと笑うと、歌いだしました。




 そうだよね。

 そうするよ、絶対。

 その代わり、望遠鏡を屋上に上げて、毎晩祈るから、マイナス30℃ってこともあるよ。わたしはできるけど、サコちゃんはどうだろう。

 生活保護受給者時代は、毎月の暖房費が208円だったから、暖房があるのは2日きりで、あとはコタツで足だけあたためて、室温と外気温が同じっていう生活を経験してるからマイナス30℃でも、寒いと感じないのかもしれない。

 

 そうか、あれは映画のためのフィクションじゃなくて、本当にあんな素敵なニューイヤーズ・イヴなんだ。

 衣装と称する舞台装置の戦いにも飽きたし、芦田真菜ちゃんと鈴木福くんは毎年「マルマルモリモリ」してほしいけどね。

 でも去年限りだろうから、紅白には魅力もないし、ニューヨークでカウントダウンをしてみたいな。


 所詮は夢かもしれないよ。

 夢に近い。

 夢だよ。

 

 でも、夢だけでも持ち続けないと生きることがいやになるよ。

 医者が夢を捨てて接したら、患者さんはたちまち見抜いて、自分も「生きる」という夢を捨てて死ぬことだけを考えるようになるだろうしね。


 夢は夢でいいから、持ち続けたい。

 持ち続けないと、かなわないよ。

 わたしは信じていたい。


 夢は信じれば必ずかなうって。

 

 サコちゃんは夢に夢中になって、この病棟の患者さん全員のオペに向かっていく。

 

 サコちゃんを見てれば、夢は絶対にかなうって思うし、待っていてはかなわない。

 わたしのほうから貪欲に取りにいかないと。


 明日から、攻撃型に変わってみよう。

 もう、守備型は今日限り、捨てる。


 映画の話が少なくてごめんなさい。

 現在公開中の作品だから、物語を詳細に話すとワーナーブラザーズに申し訳ないからね。

 よかったら、観に行ってください。

 あなたの中の何かが確実に変わりますから。