きょうは年の初めの1日でしたけど、早かったなー。


 


 午前中は特別礼拝に行って、午後からは初売り。


 わたしが子供の頃って、初売りは1月2日だったような気がします。


 元旦に商売をするものではない、というのが常識で、街の中は初詣客とお年始の方と、年賀状配達のアルバイト学生しか歩いていなかったような記憶があります。


 それがねえ、今はコンビニは24時間、いつも通りの営業をしてるし、イオンモールのような複合商業施設が元旦に初売り営業ですよ。生鮮も通常のように売られているし、フードコートも通常営業。


 専門店街もすべて営業。


 


 わたし、またデニムを3本買ってしまいました。


 Right Onというショップのイオンモール店に行くと、普通は穿いてみてしっくりくるものを探すのに、50~70本、同じメーカーのものを穿いてみるんですが、ここでは2~3本で自分にジャストフィットなデニムを見つけることができるんですよね。


 わたしにしかフィットしないデニムが、わたしを呼んでるような感じがあって、きょうも2本目から3本続けて大当たり。


 彼はどちらかというとチノパン派で、彼も3本、同じショップで買いました。


 店長が、彼の高校のテニス部でペアを組んでいたこともあって、いつもここを利用するんですけど、きょうも彼のテニス部時代の笑い話なんかをしながら、最後に、


 「病棟勤務の医師も、元旦は自宅でゆっくりできない。わたしたちショップの店員も元旦から働いてる。ある種同じ種族なのかもね。医師は人命を救うためという崇高な意味があるけど、ショップの店員って誰のために元旦から働いているんだろうね?」


 彼はまじめに、簡潔に答えました。


 「ウチの彼女のように、自分にしか合わないデニムやファッションを日夜苦労して探し回っている人のためだよ」


 「なるほど。サコちゃんって高校のときから、9割はボケるけど1割だけ、ものすごく難しい問いに、明快で簡潔な答えを出すよね。ほんとに、あの頃で成長が止まったね」


 「デラが止めたんだ、って言ったら、本人がいれば瞬間的に蹴りが飛んでた」


 「サコちゃんって、デラに気に入られてたよね。担当の現代国語はいつも満点だし、テニスでも絶対に逆らわなかった」


 「あるとき、全問正解しているテストが92点なんだよ。それでカッとなって食い下がったんだ。そしたら、デラは平気な顔で言ったね。おまえは、返却されたテストの解答用紙の隅から隅まで、重箱の隅をつつくようにしてるんだな。おまえを試したんだよ。あんたの主張は正しい。満点だ。でもな、たまには、満点をとれないやつのことも考えるいい機会になったろう。満点を取ることが偉いんじゃないんだ。ようは、どれだけ努力をするか、だ。テニスにも言えることだからな。おまえは、ずっと小学生のときのテニス全日本一という輝かしい成績をひきずって高校まで生きてきた。わたしはあえてそれをぶち壊す。プライドを還付なきまでに砕いてやる。でなければ、おまえは社会の中で生きていけないからな」


 「しっかし、サコちゃんってものまねがうまいよね。デラがいるみたい」


 「ぼくはほとんどの教科で同じ事をされた。特に担任のジャイアンツ・バカは、前夜タイガースに負けた腹いせに、満点の英語のテストに0点をつけやがって。大喧嘩だよ。最後にジャイアンツ・バカが言った台詞が、社会とは、正しかるべき正義も、時として盲いることがある、だってさ。60年代のアメリカのTVドラマ『逃亡者』のオープニング・ナレーションなんだ。医師が、無実の妻殺しの罪で逮捕され、護送の途中の列車事故で、逃亡をはかる。彼の罪を盲目的に信じる1人の警部が執拗に追い掛け回す。でも、医師は犯人を見てるんだ。片目の男をね。だから、警察に追われながら真犯人を追う。映画化もされたよ、ハリソン・フォードで。で、彼を追い回す警部の他のエピソードも、警部を主人公に映画化された。主演は、このくだらない星を調査中の宇宙人トミー・リー・ジョーンズ。ぼくはTV版が好きだったけど」





 「あいかわらず雑学も天才的。だから教師から嫌われるんだよ。教師ってのは、自分の言うことに「はい、はい、その通りです」って言うペットを可愛がるの」


 ティーチャーズ・ペットか。


 それはわたしのことだよ。





 楽しい雑談をしたあと、


 きょうは、「デザート王国」というパフェで、ソフト・クリームをぱくついて、イオンをあとにした。


 映画を観ようということで、角川書店経営のシネマ・コンプレックスに行ってみた。


 もうひとつのGEOエンターティメント経営のほうは『連合艦隊司令長官山本五十六』を上映しているから、彼は強引に入ろうとするだろう。


 わたしは、山本五十六長官について、彼からとても深く掘り下げた講義をされたから、人となりに対しては何の文句もない。


 でも、太平洋戦争が背景になる以上、戦闘シーンが必ずある。


 それが嫌いなんだ。


 SF的な、例えば『スターウォーズ』みたいな宇宙空間での戦闘ならいいけど、史実を繰り返すシーンはいらない。


 どうしてもカッコよく描かれるでしょう。


 戦争をカッコよく描くのは許せない。


 必ず、数え切れない犠牲者が、敵味方両方に出ているんだから、戦争ってそういうものであって、決してカッコいいものじゃないから。


 


 角川と二館上映はない、と踏んだわたしが甘かった。





 でも、彼は、


 「『WILD 7』でいい? TV版からのファンでね。観たいんだ。主役のチームは、ある意味、ぼくら警察の極秘チームと同じ立場だからね」


 わたしも、それが観たかったの


 招待券もあるし


 これが映画版。





 こっちはTV版。





 「『ステキな金縛り』はリピートしなくても、いい?」


 DVDかBlu-rayが出たら、買って、何回も観る


 


 こうして、元旦は矢のように過ぎていった。


 映画を出てから、彼が買い物があるというので、模型店の初売りへ行った。


 やっぱり行ったよ、戦闘機コーナー。


 「これ、ぼく、操縦できるよ」


 沖縄の海兵隊基地への配備で問題になっている「オスプレイ」というVITOL(垂直離着陸上昇機)翼についたプロペラエンジンを上に向けて空へ舞い上がり、進行方向にプロペラエンジンを向けることで前進する。離発着時の事故が多くて、沖縄の基地周辺の住宅街に墜落する可能性を配備反対にあげていると、ニュースでは言っていた。


 戦闘機を買うか、と思いきや艦船コーナーへ。


 大日本帝国連合艦隊戦艦大和の1/500と1/200が平積みされていて、ああ、大和か、宇宙のならいいのに、と思ってるうちに、科学模型コーナーへ。


 「あった。これを探していたんだ」


 「かぐや」とある。


 JAXA月周回衛星と書いてある。


 あー、思い出した。


 2007年に、「はやぶさ」と同時に、彼の関わったプロジェクト、純国産衛星「かぐや」。


 月の周回軌道だから、『竹取物語』から「かぐや」と命名された。安直だよね、って彼が笑っていた、あれか。


 それと、隣の民間航空機コーナーで買ったのがエアバスA300の「AIR DO」。


 「北海道人が北海道の翼を応援しないでどうするか」


 間違ってない。


 でも、1/200だから18cm。もっと大きいのはないのか・・・・・・。


 「好きなF1マシンがあるよ」


 うん


 でも、今、作っているのが完成してからにする


 彼の指導の下、わたしはプラスティックモデルにも挑戦している。


 今は、マクラーレンホンダMP4/6。


 栄光のマシンだ。


 ホンダV12のエンジン音と、孤高の天才ドライバー、アイルトン・セナと暴れ馬、ゲルハルト・ベルガーで、1991年の最終ラウンドの鈴鹿で!・2フィニッシュ。


 ドライバーズ・ポイントですでに優勝を決めていたセナが最終コーナーで、ベルガーに道を譲った。そして自分は強敵ウィリアムズFW14のナイジェル・マンセルのブロックに回った。結果、ベルガーがチェッカーを受け、セナは2位。


 わたしは、F1中継が盛んになった頃から観ているけど、あんな感動はあれ1回きりだ。


 それから、彼は自動車コーナーで、捜し求めていた、1966年の『バットマン』TVシリーズのバットカーを買い(TVシリーズを映画化したDVDを彼に観せてもらったけど、コミカルで、敵と殴りあうと、その音がマンガのふきだしで表現されたり、敵も妙に笑えるような言動をしたり、90年代の映画シリーズの暗さと重さがまったくないネアカなバットマンだった。秘密兵器もユニークで笑えるしね)、最後に、完成すると1m50cmになる「サターンⅤロケット」を買った。このロケットは、人類史上初めての月面着陸を成し遂げたアポロ11号や、未曾有の事故に会いながらも、飛行士全員が奇跡の生還を果たしたアポロ13号を運んだという。


 日本の最新型国産ロケットH-Ⅱは重さ50kg以上の衛星は搭載できない。それだけの非力な推進力しかない。「はやぶさ」はH―Ⅱの一代前の型で打ち上げられたが、それも50kgが限界で、プロジェクトではたくさんの貴重な研究を削って打ち上げた。要するに、技術的にどう、ではなくて、文部科学省の予算配分の問題。


 宇宙探査計画に対して、興味がない。そんなことをやって何になる的態度が見え透いてるね。





 模型店を出て、食事を、といっても、商店は初売りでも飲食店は休業なんだよ。


 唯一、ファミレスだけが営業してる。


 で、仕方がないからガスト。


 席に着くと、彼は言った。


 「この冷製スープのポタージュと、カルボナーラを所望す。お願いでござる。カルボナーラをひとつ、お頼み申す。この更科六兵衛の願いをお聴きくださらぬか」


 映画『ステキな金縛り』に、失敗続きで後がない、深津絵里さん演ずる弁護士と西田敏行さん演じる、証人である北条時宗の家臣の落武者の亡霊がファミレスで食事をするシーンを真似てるの。それも、西田さんの真似がそっくり。


 でも、亡霊は食べられない。


 どうするかと言えば、「目で見て感じ、香りで感じて腹一杯にするのでござる」


 フレンチの発想。


 すごい!。


 落武者の亡霊がフレンチの発想をどうして、と言えば、旅館の宿泊客が観ているTVを一緒に観て覚えた、って。どうりで世界情勢に詳しいと思った。





 入籍記念も兼ねた初売りだったけど、楽しい一日でした。