きのうは彼が書いたんですが、話が迷宮状態になってしまったようで、きょうはわたし妙子がバトン・タッチします。


 


 彼は頭が普通の状態の時であれば、あんなに迷宮文章にならなかったと思うんだけど、絶対に担当したくなかった、忘れてしまいたかった事件の担当に、FBIでされてしまって、ちょっと頭が混沌とした状態みたいで。


 文章はわたしより上手くて当然でしょう。作家なんだから。


 でも、同僚がおとり捜査で殺されて、おまけにその捜査官だった彼女はCSI所属の、彼の大親友のフィアンセだったということがあって、心の傷を抉られたような感じというのか、辛い状態にあるんですよ。


 臨床心理学って自分に対しては使用できないから、どうしようもなくて。


 でも、ミュージカルを観たり、ジャズバーに行ってるうちに、事件から少し離れることができると思いますよ。





 それで、きのうは1日に2本のミュージカルを観てしまいました。


 どちらも、彼が裏から手を回して、観やすくて聴きやすい席を連番でとってくれたので、とても素晴らしいパフォーマンスを観ることができました。





 昼の公演は『シカゴ』。


 ブロードウェイで現在人気No1。


 映画化もされたので、それを観た人も多いと思います。


 女性殺人鬼の公判を激辛毒舌コメディーにした作品です。





 ネイティブじゃなきゃわからないジョークばかりで、観るのにちょっと疲れます。


 幸い、彼もわたしも国連英検Bクラス、という国連職員として働ける資格を持っているので、英語には苦労しないんだけど、ブラック・ジョークがマシンガンのように飛び出すから、ついていくのがやっと。


 その点、彼はこの国で生活していたおかげで、アメリカン・ブラック・ジョークはお手の物で、うらやましい限りで。


 でも8割くらいは理解できたかな。





 ニューヨークのTV番組で、ブラック・ジョーク専門の『サタデー・ナイト・ライブ』というのがあるんだけど、ブルース・ブラザーズとかエディー・マーフィーなんかがこの番組に出演したのがきっかけで大スターになっていった番組で、その中に出てくるジョークをすべて理解できれば、『シカゴ』をもっと楽しめるよ、なんて彼が言ってた。


 でも、日本で放送されてないでしょ。


 「ウィル(彼のホストファミリーの旦那さん)に頼んで、録画したDVDを送ってもらうよ。とにかく最高の番組だ。ところで、日本人で過去に1組だけ出演したグループがいる。わかる?」


 がーまるちょば?


 「うん、惜しい。2人組までは正解。でも、彼らはまだ出演していない。ブラック系の音楽をやってる。日本で大ヒットを飛ばしたんだってね」


 ごめん、J-POPってみんなブラック系だから


 「バブルガム・ブラザーズだよ。最近は解散したみたいで観ないけどね」


 バブルガム・・・・・・あー「Won't be long」の?


 「ごめん、曲は知らない」


 そうだよね


 流行っていた時は軍隊で戦争してたんだから


 「You tubeで探してみるよ。聴いてみたいから」





 それから,ブルックリンブリッジ公園を散歩しながら、土産店をはしごしてみたりしてました。


 失敗したー。


 彼がテナーサックスを持っていれば、映画『ラストラブ』の田村正和さんと伊東美咲さんだったんだ。


 彼はものまねで田村さんをよくやるからね。


 普通の物まね芸人さんって、古畑任三郎の田村さんしかやらないけど、彼は『ニューヨーク恋物語』とか、2枚目の田村さんもやるの。


 特に『ラストラブ』はDVDを何百回も観てるし、シナリオも持ってるから、完璧。


 そうだよね、彼はこの映画で田村さんの吹き替えをやる予定になってたんだから。


 田村さんは一流ジャズマンだから、テナーサックスもいい音が出ないとダメ。だから吹いてる真似だけをして、彼がテナーサックスの音をかぶせる。


 練習嫌いの彼が練習してたっていうから、相当やりたかったんだと思うよ。


 舞台が自分の過ごしていた街ニューヨークだし。


 でも、田村さん、14年振りの映画主演で気合入れて、テナーサックスをマスターして、撮影は自分で吹いてしまって、彼の仕事は消えた。謝礼は映画のチケット1枚。


 でも、きのうは田村さん気取ってた。


 コートの襟を立てて、わざと足取りを重そうにして。


 映画でこのブルックリンブリッジ公園が出るのはラストのほんの手前。


 田村さんと、田村さんを慕う県庁職員の唯(伊東美咲さん)が2人でゆっくりとここを散歩して、唯が、田村さんの娘の佐和ちゃん(ちびまる子ちゃんの森迫 永依ちゃん)にお土産を買ってくると、土産物店へ入っていって、田村さんは川岸のベンチで待ってるの。そして、その手からサングラスが落ちて、ベンチからわずかにすべって、絶命する。


 観ていてカッコいいの。


 男の死に様って感じ。


 彼も、肺癌で余命宣告をしたときには、ある程度身体がキツくなったら、自宅療養を申し出るからOKしてほしい。


 すぐにニューヨークへ飛んで、ブルックリンブリッジ公園で最期を迎えたい。なんてことを言ってたけど、映画と同じようになりたかっただけなんだ。


 子供だね。





 このブルックリンブリッジって、ハリウッド・ゴジラのクライマックスで、ジャン・レノやマシュー・ブロデリックが乗ったタクシーでゴジラをここまでおびき寄せてきて、橋を吊っているワイヤーにがんじがらめにさせて、マシュー・ブロデリックが軍の友人に連絡して、海軍が戦闘機でガンガン攻撃してゴジラを絶命させたところだよね


 「そう。この橋は映画には欠かせないんだ。ニューヨークの象徴として必ずフィルムに収められる。そうだ、ハリウッド・ゴジラは海軍のF18ホーネットにやられたんだったか。陸軍はマンハッタンの大通りを戦闘ヘリで追い掛け回して何度もミサイルを撃ち込んでやったのに」


 全部ビルに向けてね


 「おっしゃるとおりです。情けない」


 でも、もうサコちゃんは退役したんだから落ち込まなくてもいいって


 「あの作品だけは観るのが辛いよ」


 新作ではそんなシーンはないって


 陸軍も立派にビルを破壊したりしないで闘うって


 「いや、陸軍は進歩してない。またミサイルでボーリングのピンみたいにビルを吹き飛ばしていく。シナリオに書かれてるニューヨーク市民の敵はゴジラじゃない、アメリカ陸軍だ」


 まずい。落ち込ませる一方だ。


 あそこに、ソフトクリームの店があるみたいなんだけど、食べない?


 「寒くない?」


 何言ってるの


 冬こそアイスクリームの季節じゃない、いこう





 夕食は久しぶりに和食。


 銀座が本店の回らないお寿司屋さんが支店を出していて、そこで済ませました。


 ちょっと、メガ盛り料理はもういいですって感じだったので。


 本当にアメリカって大きいよ。


 体重380kgで、家の壁を壊して救急車に特別製のストレッチャーを使って運び込むって、信じられない映像がアンビリーバボーなんてやってるけど、あんな料理を食べていればあり得るね。


 信じられなくもなければ不思議でもないですよ。





 アメリカは今回で終わり。


 今度海外に出る機会があったら、目で食べる料理を出すヨーロッパがいいな。





 夜もまたミュージカル。


 『マンマ・ミーア!』。


 これも人気があって、キャンセルが出た場合など、ディスカウント・チケットってチケットが安売りされることがあるんだけど、ディスカウントがない。


 ホテルでも、ものすごく親身になって探してくれたんだけど、ダメで。


 結局、彼が裏から手を回して観やすく聴きやすい席を連番で手に入れた。


 ニューヨークのショービジネス界で活躍していた人間だからね。裏から入手する方法は心得てる。


 だったら、ホテルにお願いして迷惑をかけなくてもいいと思うんだけどね。


 不思議ちゃんって面白いよ。


 でも、チケットの手配に奔走してくれたフロントマネージャーには、少し多めに10ドルのチップを渡したから、いいっか。


 普通はベルボーイとか、ベッドメイクとかのお世話をしてくれる従業員さんには、常識として5ドルのチップなんだけどね。





 『マンマ・ミーア!』


 ストーリー


 舞台は、海と空の青さがまぶしいエーゲ海に浮かぶ小島。ここで小さなホテルを営んでいるのは、シングルマザーとして娘ソフィーを育ててきたドナ。


 20歳のソフィは、恋人スカイと結婚式を控え、父親とバージンロードを歩くことを夢見ています。


 母の昔の日記をこっそり持ち出して読んだソフィは、サム、ビル、ハリーというドナのかつての恋人たちをこっそり結婚式に招待してしまいます。


本当のお父さんなら一目でわかるはず…。


 そして迎えた結婚式前日―

 ドナの若かりし頃のバンド仲間、ターニャとロージーに続いてホテルに現れた3人の男。ソフィが招待状を出したかつての恋人が全員一度にやってきたのです。


 ドナは仰天、ソフィは本当の父親が誰なのかを探り出そうとしますが、なんと全員が「自分が父親だ」と名乗り上げてしまいます。大混乱に陥ったソフィ。


 結婚式は刻一刻と迫ってきます…。




 劇中で歌われる曲は、彼の世代が夢中になって聴いていたスウェーデン出身の4人組ABBAのヒット・ソング。


 わたしはABBAって聴いたことがなかったけど、何曲かは憶えてる曲がありましたよ。多分、CMなんかで刷り込まれてるんだろうと思うけど。


 この作品も劇団四季が上演権を取得してるって彼が言ってたけど。






 彼はリアルタイムでABBAを聴いていたみたい。


 ABBAってハーモニーがきれいで、曲もソフトなものばかりだから、ポール・モーリアとかレーモン・ルフェーブル、ニニ・ロッソと同じ扱いで、お母さんは聴くことを禁止しなかったんだって。






 彼は全国キャンディーズ連合会なんだけど、キャンディーズはハーモニーが正確だったから、お母さんは聴くのを許可した。


 でも、同時代のアイドルや演歌・歌謡曲、ロックなんかは禁止。


 で、キャンディーズのバックバンドだったスペクトラムもブラスの重ね方の勉強になるからと、彼がトランペットを吹いていたからOK。




 ジャズについてはOK。


 お母さんが入院していた時に話してたけど、ジャズってテクニックがものすごく難しいから、それをマスターしてプロになるなんてところまでは計算できなかった。あれは完全にミスだった、って。


 イエローマジックオーケストラもジャンルはジャズに入るから、彼は聴いて、シンセサイザーをいじってみたいと思って、お母さんに言った。お母さんがテストで全教科100点を取ったら買ってもいいよって言ったら、彼はそれをやってのけた。家ではまったく勉強しないで、音楽を聴くか、やるか、プラスティック・モデルを作っているかだった。


 私もあの子のことは理解できないって。


 実の親が理解できないんだから、わたしが理解できるわけがないって。


 だいたい親に内緒でコロンビア大学とハーバード大学院まで卒業する?。


 卒業証書を見せられて初めて、アメリカで2つも大学を卒業して、医師免許まで取得してることを知ったっていうんだから。


 想像するだけで、愉快な親子なのがわかるでしょう。




 彼のお母さんは病棟にとって理想の患者さんで、話が面白いんだよね。


 だから、若い看護師も、同じ世代の看護師も、医師もみんな訪ねたがるの。




 医師免許があるなら、この病院は医師不足で困っているから、息子さんを就職させてください、ってアネさんが内緒で頼んだら、まず、狡猾な従姉がいるからまずいし、医師は患者さんの最期を看取らなければならない。息子は躁鬱病を持っているので、そのような場にいれば、薬で安定させて日常生活を送っているのに、鬱状態が激しく出て、この病院のスタッフの皆さんにご迷惑をかけるから、勘弁して欲しい、ってやんわりと断られて、さすがのアネさんもそのときは引き下がったんだって。


 でも、どうしても彼のキャリアが欲しくて、方法を考えていた時に肺癌でうまいこと獲物が飛び込んできた。


 で、院長と2人で相談した結果、事務にいた従姉は事務部の足を引っ張るような人間で、葬儀屋に余命が近い患者さんの情報を流して、見返りに現金を受け取っていたし、何年努めても仕事を憶えることができなかったから首を飛ばした。


 大きな病院には必ず葬儀屋と通じていて、患者さんの情報と引き換えに金品の授受がある関係の職員が必ずいる。各病棟勤務医を抱えている場合もあるし、事務部が結構多いみたいだね。


 葬儀屋はその情報を元にして、患者さんの家族を訪れる。


 あなたのご家族はもうじき余命がゼロになるんでしょう。葬儀の準備に取り掛からないとまずいですよ。


 って言って葬儀のプランを勝手に立てて、家族に提示するの。


 家族は病院に怒鳴り込んでくるんだよ。


 だって、病院以外に余命なんてことを言うところはないからね。


 嫌な世の中だよね、死ぬ前に葬儀屋が来て葬儀のプランを立てるんだから。


 それと会員制葬儀屋。毎月1万円とか積み立てをすると、積み立てた額によって葬儀を執り行ってくれるってやつ。


 病棟の患者さん本人のところに営業マンが訪ねて来るんだよ。


 ウチの病棟は警察官と全共闘がいるからつまみ出すけど。




 院長とアネさんはわざと生活保護の話をした。2人とも現況は知ってたんだけどね。


 そして、1ヶ月のうちで、公共料金を支払ったら、食事ができるのは1週間程度しかない、ってことを聞き出して、彼が3日で70kg体重が落ちてしまったのは生活保護が原因だ、って話に持っていって。本当は末期の胃癌で胃の全摘出をして食道の一部で胃を形成していたから、養分を取り込むことが困難だったからなんだけど、生活保護を廃止したらどうか。せっかく持ってる医師免許と臨床心理士免許だ。今まではボランティアでやってくれたけど、こっちも躁鬱病や慢性骨髄単球性白血病のことを考えるから、この病院に医師として席をおいてくれないか。保険適用外治療費を支払うのも大変だろうから、そうしてくれたら保険適用外治療費はタダにするから。




 ここまでは、院長とアネさんは見事なタッグだった。


 でも、院長としては外来に総合診療科を作るつもりだった。


 アネさんは病棟でも悩みのタネの原発不明肺癌(肺癌が癌の始まりなのか、別の部位の癌がはじまりなのかわからない癌。一番根元を叩かなければ転移が止まらないために、根元を見つける必要があるから)や、発症から1週間で死に至るようなスキルス癌をなんとかしたくて、その両方に特化されている(スペシャリスト)総合診療医が自分の病棟に欲しくて、最終的に、アネさんが院長を殴って病棟に引っ張るという過激な手段で獲得した、ってわけ。


 夫婦で同じ病棟に置けば、絶対に浮気はできないだろうって言ってたけどね。




 うわっ、わたしも話が迷宮に入った。


 『マンマ・ミーア!』のABBAからそれたんだよね。


 


 この記事は、実は彼がFBIのNY支局を訪ねた時に、新しい事件の担当にされてファイルを渡されたんだけど、事件に関する写真やCSIの分析したデータはDVD-Rに焼かれていて、それを観るために必要だという理由とファイルをすべてPCに取り込みたいという理由で借りてきたノートブックに彼が日本から持ち込んだ日本語版windowsVistaのOSを、元々入っていたデータと英語版OSをバックアップをとってからインストールしてブログ用にしたので、毎日更新も可能なんです。


 もともと、ファイルをPCに取り込むのは口実で、ブログ更新用のPCが欲しくて、とってつけた理由で持ち出したんですけどね。


 できるだけ、毎日更新しますので、よろしくお願いします。




 でもねー、どっちが書いても迷宮に入るんだから、読みにくいですよね。


 なんでこんなことになるんだろう。