理想の人生を生きている。
存命中にそう語る人間はごく稀だ。
その例外が、このわたくしである。
日本と海外の金融市場の時間差をついて投資マネーを回収し、
だれもよめなかった神話や思想を苦もなくのみこみ、
医学に人間の心身のしくみをまなんでどんな病気も治療し、
ヨーガで自律神経をととのえて潜在能力を極度にみがき、
愛する技術をもって幸せな家庭をかまえ、
だれからも干渉されず、また、だれにもかかわらない。
よそにそんな人物がいるときけば、羨ましくて仕方なくなるだろう。
だが、それはよその誰かではなくて、このわたくし。
好きなことだけして生きてきた成果であり、
おもうより、はるかにはやく幼いころの理想的人間像にちかづいた。
わたくしの双子の弟を称するネルケ無方もまたそのような禅僧である。
どうして、ネルケ無方やゆふ しこをが、理想の人生を生きているのか。
賢明な先哲の教えをまもったまでで、わたくしたちの発明ではない。
健康に生きるなんて、理想の人生を生きるための条件のひとつにすぎない。
病身だから、理想の人生を生きられない、なんてこともない。
病気を不幸の言い訳にするのは、ただ言い訳がしたいためだけだ。
すべては「理想の人生を生きるコツ」を実践するかどうか。
第4回「いのちの学校」では、そのコツをなんとかおつたえできるように、
ネルケ無方とゆふ しこをが智慧をしぼって、みなさまに向かいあいます。