昨夜、秘密結社「しこを養生塾」が終わりを告げました。

 

予告どおり『「脳」と「霊」』をテーマにしました。

 

さすがに選りすぐりのメンバーなので、

脳科学の話にもよくついてこられました。

 

この世には「目に見えないルール」がたくさんあります。

それに気づいて、対処できる人はよく生きられます。

それに気づかず、翻弄される人は苦しむばかりです。

 

あるメンバーが深刻な話を告白されました。

その女性は最難関私立大を卒業し、

教室をおこして生徒さんたちの指導にあたっている。

夫は最難関国立大学法学部の出身で、

日本を代表する大企業の重役。

息子さんたちもそろって一流大学を卒業、一流企業勤務。

義理の父は誰でもよく知っている企業の社長を務められた。

まさに、この世の理想を地で行くような人生。

 

他界寸前の義理のお母さんをたまたま私が担当して、

みるみる息を吹きかえしてから元気にお過ごしになっている関係で、

すでに担当をはずれた私のもとにいまも足繁く通ってこられる。

 

しかし、彼女の口からもれでる告白は深刻で、

メンバーはあこがれの彼女の話にみな驚愕していた。

 

要は、家族内に起こるさまざまな怪現象を

手を尽くして工夫したものの、情況はひどくなるばかり。

そのとき、知り合いの知り合いの霊媒師が登場して、

土地が悪いから、今の家を売って、

新しい土地に新しい家を建てることになったのだ。

そうすることによって状況を突破しようと賭けている。

 

彼女は拝み倒すように、私に「霊」について教えて欲しいと請う。

これまでもそうだったが、その要請に私が応えることはできない。

起こっている現象のすべてを貫く「力」の正体を知っているものの、

それを彼女につたえることができない。

その霊媒師がその家庭にのりこんでいる以上、

他の人間が口出しをすることは許されないし、

なによりも私は医師として彼女の前に立っている。

医師である以上、医師として語ることしか許されない。

私にできることは、「霊」を脳科学的に説明して、

その対処法を科学的に説明してさしあげることくらい。

でも、この方法をちゃんとエクササイズしてくれれば、

誰だって「霊」にたちむかうことができるスグレモノなんだけど。

 

医師として家庭に入りこんでいくとき、

その家庭を支配する目に見えない「力」にたちまち気づく。

だが、私は霊媒師として呼ばれたのではなく、

医師としての役割を期待されている。

医師がとつぜん「霊媒師」に豹変すると家族は混乱する。

だから、私は自分の能力を使うことができないでいる。

そして、かつて守っていたたいせつな家族を、

よその霊媒師に立ち入られてしまう。

 

医療なんかよりはるかに強力な対処法を知っていても、

医師であるがゆえに、それを使うのを自ら禁じるのは

いったいどういうことなのだろう。

 

私がヒマラヤ奥地でチベット密教の修行をしていたときのこと。

僻地の村には電気もガスも、水道さえ通っていない。

もちろん西洋医学の医師なんていないので、

呪術医(シャーマン)が村人の治療にあたっていた。

私も治療を受けたことがあるが、呪術医の治療は的確だった。

彼らは、もてる能力のすべてをつかって治療にあたっていた。

 

西洋医学の医師として、いまのわたしにはそれをすることができない。

ほんとうに人々の役に立つ仕事をすると、医師をやめなくてはならない。

そうすると、いま医師として支えている人々から離れなくてはならない。

 

だから「いのちの学校」(https://www.inochino.jp/)をつくったんだ。

どれほどこの世で勉強ができて、出世しようと、

この世の目に見えない「ルール」や「力」がわからなければ、

ふりまわされて「専門家」と称する人々の思うがままにふりまわされる。

私はそれがイヤで、生まれおちたときから研究と実践を重ねてきた。

ほんとうに大切なのは、学歴でも、お金でも、出世でもない。

「この世のほんとうのルール」「人生の本質」を知ることだ。

それさえわかれば、この世はどうにでも生きていくことができる。

 

この私がそうだ。

ろくに働きもせず、怠けてばかりいるのに、

お金とはとても仲よく、楽々生きている。

ひきこもって、ろくに人と会おうとしないが、

出会う人を窮地から引き出してあげることはできる。

そうできることがとても楽しい。

でも、自分の生活をくずしてまで仕事をするつもりはない。

すべては、わがペース、わが人生。

 

だれもが、こんな風に生きられる。

 

この私もそうだし、わが弟・ネルケ無方もそうなんだ。

 

どうして、人はそういう人生のコツを知ろうとしないのだろう。

どうして、訳もわからず苦しむだけ苦しもうとするのだろう。

 

抜け出すのはなんにも難しくないのに、ね・・・。