俺が田舎の赤字病院を継いだ時
一日に外来患者がゼロだったって話は以前に書いた
経営を立て直すためには患者を増やさなくてはいけない
外来が増えなければ入院も増えない
入院が増えなければ介護施設にも回せない
つまり
外来の患者を増やすってことが一番大事なミッションだったんだよね
是が非でも外来患者を増やす
それを目標に仕事をして
数年以内に一日の外来患者がマックス250人まで増えた
都会の大きな病院だとそんなに多い数じゃないけど
80床以下の病院としては十分にやっていける数にまでなった。
何をしたか
当たり前のことだけだよ
まず
患者の治療をめんどくさがらないこと
もうやる気なくしちゃった開業医とか
何人診ても給料変わらない勤務医は
患者の診療をいちいちめんどくさがるんだよね
話もろくに聞かない
触らない
やれる治療もめんどくさいからやらない
まぁ田舎なんてどこにいったってそんな医者ばかりだから
しっかり患者の治療をめんどくさがらないでやってあげるだけで評判があがる
希望する薬はちゃんとだす
希望されれば効かないと思っても注射してあげる
自分がやれることならブロック注射や麻酔もしっかりしてあげる
大事なのは
自分がやりたい治療をするのではなく
患者さんがやってほしい治療をする
ということ
やりたいこととやらなくちゃいけないことは違う
これ
人生の基本ね
患者を増やすためにやったことのもう一つ
それは
予約制にしたってこと
日本人は99%の人が真面目
予約をとられると
何があっても予約を守る
だから
予約制にして再診率をあげる
これは凄く有用なんだよね
初診の人は必ず再診させる
それを続けていけば
一日に1人新しい患者さんが来たって
一年やってれば300人の再診患者が増える
そしてもう一つ心がけたこと
これも当たり前だけど
休まない
ってことね
いつ行っても同じ先生が診てくれる
前の状態を分かっている医者がずっとそこにいる
その安心感が外来には一番大事なんだよね
よく開業医で儲かってきたりするとすぐ代診たてて遊び行ったり
勤務医も有休とか言って外来休むけど
患者を増やしたいと思ったら休んじゃダメよ
他にも色々なアイデアを駆使して患者を増やそうとしたけど
基本はこれだけよ
めんどくさがらないでやれることを全てやる
予約制にする
休まない
当たり前のことを当たり前にやる
それが一番大事なんだね